がんばろう!岩手のスポーツ

岩手スポーツ応援団長を勝手に名乗る平藤淳の個人的なブログです

アスリートのセカンドキャリア/マラソン募金で気づいたこと

2023年10月22日(フルマラソン、ファンラン)に、岩手県盛岡市で行われる「いわて盛岡シティマラソン2023」のエントリーが始まっています。

この大会は盛岡市制130周年を記念して、2019年に第1回が行われたものですが、
2020年・2021年は感染症の影響で中止になっています。(2021年はオンラインのみ実施)
今年は「5回目」の大会ということになっていますが、実際にレースが行われるのは3回目。
さあ、全国の皆さん、ふるってご参加を。

■いわてスーパーキッズへの寄贈品

今年の3月に、岩手県が行っている、
スキージャンプの小林陵侑さんやスキーコンバインドの谷地宙さんの二人のオリンピアンを生み出した、
スポーツタレント発掘・育成事業「いわてスーパーキッズ発掘・育成事業」の修了式・開始式に出席しました。
(いわてスーパーキッズのサイト→ Link
その式典の終了後に、
「寄贈品の受贈と感謝状贈呈式」が行われ、
恥ずかしながら、私がまったく知らなかった、
いわて盛岡シティマラソン関連の募金による寄付があったのです。
詳しくは
下の図をタップしたところにある「スーパーキッズ通信」をお読みください。
なお
シティマラソン実行委員会のサイトにも、贈呈の記事があります→ Link

■盛岡応援チャリティー募金

マラソンの参加者からチャリティ募金を募る…という考え方は私にはありませんでした。
これはすごい!と、開催要項を調べてみたのです。
(開催要項→ 20192020202120222023 )

2021年の大会から、参加者が任意で募金できることが載っていて

※各種目に1,000円又は10,000円のチャリティー枠を設け,寄付先として「東日本大震災の継承」又は「新型コロナウイルス感染症対策」のどちらかを選ぶことができます。
また,10,000円のチャリティー枠には,チャリティーTシャツ(Renu素材)を贈呈いたします。

2022年からは「盛岡応援チャリティー募金」という名前がついて、募金システムが開催要項に載っています。

フルマラソン又はファンランの各申込者に限り、盛岡応援チャリティー募金の希望する方を募ります。
チャリティー募金額は「1,000円(返礼品なし)」又は「10,000円(返礼品あり)」、寄付先は「東日本大震災の継承支援」又は「キッズスポーツの活動支援」、「知的障がいのあるアーティストの社会実装」から選択し、参加料にチャリティー募金額が上乗せとなります。
本大会の返礼品は「チャリティーTシャツ2022(予定)」を贈呈します。

2023年は、名称はそのままですが、寄付先が変わっています。

フルマラソン又はファンランの申込者に限り、盛岡応援チャリティー募金の希望する方を募ります。
チャリティー募金額は「1,000円(返礼品なし)」又は「10,000円(返礼品あり)」、寄付先は「東日本大震災の次世代への教育支援」、「キッズスポーツの活動支援」又は「アスリートのセカンドキャリア支援」から選択し、参加料に募金額が上乗せとなります。
本大会の返礼品は「チャリティーTシャツ2023(予定)」を贈呈します。

まとめると
マラソン参加者が、自分の意志で、寄付先を選んで、募金できるシステムがあって、
寄付先は
22年が(21年はレースが中止で寄付も行われていない模様)
❶東日本大震災の継承支援
  →いわての学び希望基金
❷キッズスポーツの活動支援
  →いわてスーパーキッズ発掘・育成事業
❸スポーツSDGsの推進(募集時点では「知的障がいのあるアーティストの社会実装」)
  →株式会社ヘラルボニー
の3つでした。

寄付の仕組みをつくった方に、そして、募金した参加者の方々に、心から敬意と感謝を申し上げます。

■今年はアスリートのセカンドキャリア支援が

さて、今年の寄付先はどうなんだろう…と見ると、
なんと、
三つめが変わっていて、アスリートのセカンドキャリア支援が寄付対象として選べるようになっているではありせんか!

朗報!
で、何の事業に支援してくださるのかなと、じっくりと読むと、
寄付先は、一般社団法人アスリートネットワークとなっていて、その内容は

オリンピックや世界選手権など世界の舞台で戦ってきたトップアスリートらが、種目間を越えて自らの意思で集い、スポーツ教室など様々な活動を通して、自らの成長の過程で得た「本物の感動」を伝えることにより次世代を担う子どもたちに夢と希望を与えることを理念としていることに賛同し、アスリートのセカンドキャリア支援に取り組みます。

アスリートネットワークは、
バレーボールの柳本晶一さんが理事長として活動されている
大阪府に事務所を置く団体で、
(アスリートネットワークのサイト→ ここ  

岩手県でも、トップアスリート、引退したトップアスリートによる様々な事業を行っていただいており、先ほど引用した内容の狙いどおりの成果をあげています。
ありがたいことだと思うと同時に、気づいたことがあるのです。

■岩手のセカンドキャリア支援事業

アスリートネットワークに事業をしていただくことは、
岩手県の子供たちにとって、とてもありがたいことで、
全国の元アスリートのセカンドキャリア支援となることは確実です。

でも、
なぜ、岩手の事業に支援されないのだろうか…と考えてみたのです。

わかりました。
岩手には、セカンドキャリア支援を目的とした事業が見当たらないのです。

なに言ってんの、岩手県体育協会には「岩手スポーツアスリート無料職業紹介所」があるんじゃないの⁉

と、言われそうですが、
セカンドキャリア」と言うのは
アスリートが現役時代から引退後のキャリア」とスポーツ庁は言っています。[→ Link
でも、
県体協の職業紹介所は
(岩手県内に)競技生活を継続できる環境を整える」ことを目的としており、スポーツ庁のいう意味のアスリートのセカンドキャリア支援、つまり、引退準備やその後の面倒を見るまでは手が回っていないのです。

岩手県スポーツ推進計画に掲げる「国際的に活躍する競技スポーツの推進」を図るため、県内企業と連携し、国内外で活躍するアスリートが競技生活を継続できる環境を整え、県内定着を図る。

さて、
言葉を大切にすること、解像度を高めてなぜこうなるのかを考えてみること…これを、怠ってはいけないのですね。
あ、
スタートしなければ、何も始まらない…ことも、もちろん忘れずに生きてゆこうと考えます。