がんばろう!岩手のスポーツ

岩手スポーツ応援団長を勝手に名乗る平藤淳の個人的なブログです

291m!やさしいなあ、くやしいなあ

スキージャンプの小林陵侑選手が、エナジードリンクメーカーのレッドブル社のイベントで、スキージャンプ世界最長となる291mを飛んだ…というニュースが流れています。

291mは快挙!

小林陵侑さんは
岩手県八幡平市出身で、松尾中学校(八幡平市)→盛岡中央高校(盛岡市)と進み、現在、TEAM ROY というチームを運営しながらプロジャンプ選手として活躍している岩手アスリート。
なお、
岩手県のスポーツタレント発掘・育成事業「いわてスーパーキッズ」の修了生で、
全国のタレント発掘事業修了者の中で、初めてオリンピックで金メダルを獲ったアスリートです(なんと、愛媛県のタレント発掘事業に関連記事が→ ここをタップ )

291mについては
国際スキー・スノーボード連盟(FIS)も、公式サイトで記事にしています。

ほんとうに、おめでとうございます。

***

感じたことが二つ。

■FISはやさしい

この小林陵侑さんの291mについて、多くの報道機関は、共同通信のニュースを引用してこう結んでいます。

国際スキー・スノーボード連盟(FIS)は、特設台が正式な認定を受けいていないことなど、小林陵の飛躍が競技規則に沿っていないとして、世界記録とは認めていない

FISは、ずいぶん冷たいものだな…と感じますよね。
どういうことだろうと、
先ほどリンクしておいたFISの記事を読んでみると、
さまざまな規格(レギュレーション)に適合していないため「世界記録」とは認めないという記述がありましたが、
結びに、こうありました。

FIS hopes that the necessary precautions have been taken to ensure the safety of the athlete
and
FIS is excited to see Ryoyu Kobayashi in the upcoming FIS World Cup season competing for the official FIS world record.

このようなイベントの安全性を危惧しての発言のようです。

ジャンプ台やスキーや服などの用具に関するレギュレーションは、飛びすぎによる危険を避けることが主たる目的となっています。

用具に関するレギュレーションだけではありません。
FISのルールには運営に関するレギュレーションもあり、選手の安全を守るため、そして試合の公平性を守るための事柄が定められ、それを適用して運営・判断する人の資格も定めています。
ソフト面でも選手を、守っているのです。

選手の安全に対する気配りにかけた人が、「世界最長」を狙わせるために、人の能力を超えた大きな大きなジャンプ台を作り、選手の安全を尊重しない、選手に万一のことがあるようなイベントが頻発してはいけない…というスタンスです。

FISは、
単に、他の団体が行ったから記録は認めない…と言ってるのではありません。
根拠あるレギュレーションが守られず、アスリートに万が一のことおきかねないイベントが頻発することを心配して、記録を認めないのだろうと、私は、考えます。

FISは、アスリートに優しいのです。

なお、
今回のレッドブルのイベントは、きちんと準備されたもののようでした。

◆小林のためだけに建設されたジャンプ台は2年間の調査を経て、自然の雪山に2ヶ月以上かけて建設
◆過酷な挑戦に備え、小林は2023年からオーストリアにあるレッドブル・アスリート・パフォーマンス・センターでのトレーニングや、スウェーデンでのウィンドトンネル・トレーニングを行ってきた。
【参照先】

■私はくやしい

レッドブルは、
日本で2024年に、eスポーツ、ダンス、バスケットボール、ランニング、自作飛行機、自動車ラリーを行う計画を持っています。
でも、
岩手がメイン会場となるイベントはありません。
(詳細は→ ここをタップ )

なぜ、私たちは、
Red Bull が採用してくれるような、
岩手で地域の特性を生かしたエキサイティングなイベントを創り出せないのか…悔しいのです。

今行われているイベントを呼んでくることも、それはそれで、大切ですが、
新しいものを考え出したり、自然や人や施設など今あるものどうしを足し算したりして、レッドブルがやれせてくれ!と言うものを提案することが、
岩手には必要だと考えます。
知恵を絞らねば。

【参考】
レッドブルのランニングイベントが5月5日に矢巾町で行われます。
ただし、メイン会場ではありません。

www.wingsforlifeworldrun.com