がんばろう!岩手のスポーツ

岩手スポーツ応援団長を勝手に名乗る平藤淳の個人的なブログです

ピラミッドじゃなく逆台形/タレント発掘から世界一と社長

One more purpose of Sports Talent Identification and Development. Pyramid type and inverted trapezoid type. 国際スキー連盟(FIS)のスキージャンプワールドカップ第5戦(12/5、ドイツ)で 昨シーズン、ヨーロッパ人以外で初めて総合チャンピオンに輝いた 小林陵侑選手(土屋ホーム岩手県・盛岡中央高校卒業← 八幡平市立松尾中)が 今シーズン初勝利!というニュースが流れています。 長いシーズンはまだ序盤、がんばってほしいものです。 ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、 小林陵侑選手は 岩手県が行っている スポーツタレント発掘・育成事業である「いわてスーパーキッズ」事業の修了生で、 全国のスポーツタレント発掘育成事業出身者の中で、初めてオリンピック選手になった岩手県自慢の選手です。 (日本スポーツ振興センター『「ワールドクラス・パスウェイ・ネットワーク(WPN)」 加盟団体から初のオリンピック代表内定者』→[Link]) えっへん。 *** 先々週の岩手日報の記事をご覧になりましたか? 岩手大学の学内カンパニー「岩手大学研磨工業」の記事です。
岩手大学の学生が研究の事業化に取り組む「学内カンパニー」が、スピードスケートの刃を磨く砥石(といし)の開発で成果をあげている。 だれでも簡単に、短時間で葉の手入れができる製品を格安で開発。昨年だけで約50個を売り、全国大会優勝校も使うヒット商品になった。 (略) この学内カンパニーは「岩手大学研磨工業」(小野寺峻一社長、11人)。現実の会社ではないが、学生がテーマを決め、ものづくりや企業活動を学ぶ取り組で、岩手大に13あるカンパニーの一つだ。
で? 小林陵侑選手はスケートじゃなくてスキージャンプですけど… はいはい、続きをどうぞ。
小野寺社長(院1年)は「いわてスーパーキッズ」の1期生。インターハイや国体にも出場した現役のスピードスケート選手だ。5年前に周囲から「もっと良い砥石があれば」という声を聞いたのが、研究開発のきっかけとなった。(略)
つながりましたね。 世界一のスキージャンパー・小林陵侑選手も 岩手大学研磨工業の社長・小野寺峻一さんも いわてスーパーキッズとしてトレーニングを受けた人だったのです。 ここで、 スーパーキッズ修了生として、どちらが素晴らしいのかということを考えなければなりません。 小林陵侑選手でしょうか 小野寺峻一社長でしょうか。 *** 普通は 小林選手です。 いわてスーパーキッズの募集要項に「事業のねらい」が、3つ、載っています。 【1】夏季オリンピック冬季オリンピックを目標に、世界で活躍するトップアスリートとなる人材を発掘・育成します。 【2】世界を目指すことのできる可能性の高いスポーツを見つけていきます。 この二つは、 どちらもピラミッドの頂点を目指すことですよね。 やっぱり、小林選手です。 でも、 よく考えてみてください。 世界一は一つの種目では、1人、1チームしかなれないのです。 トップになれなかった人は消えてゆくしかないのか… *** さて、 三つめの「ねらい」です。 【3】スポーツへの挑戦をとおして世界に通じる「人間力」を育みます。 「人間力」とは、ということはここでは吟味しませんが、 トップアスリートとしての活躍だけが ねらい ではないことがわかります。 ここで、 早稲田大学の平田鋳j先生が示していた「逆台形型」の概念をお示します。 プレーヤーで構成される「ピラミッド型」から 多くの頂点で結ばれる「逆台形型」へ いかがでしょう。 プレーヤーから離れたときに あるいは、 プレーヤーとしての経験がなくても ほかの分野で世界の頂点を目指すことができる…ということです。 小野寺社長は 砥石で世界を狙っているのかもしれません。 いやいや スポーツ用品メーカーとして、 新しいスポーツ用具サプライ体制の運営で… 私には、 これが第三のねらい「人間力」のように思えてきました。 *** もう一度、 スーパーキッズ修了生として、どちらが素晴らしいのかということを考えなければなりません。 小林陵侑選手でしょうか 小野寺峻一社長でしょうか。 答えは、どちらも! *** いわてスーパーキッズ2019年募集要項抜粋→Link 岩手大学広報紙の「研磨工業」記事→Link 途中で出てきたスライド資料は、盛岡市倫理法人会での私の講演で使ったもの  ・そのブログ記事→Link  ・投影資料だけ→Link 参考にした平田鋳j先生の書籍  平田鋳j・中村好男(編),  トップスポーツビジネスの最前線-スポーツライティングから放映権ビジネスまで,  2006,講談社BIZ→Link