やるやると言いながら、さっぱり手をつけていなかった部活動改革を考えるシリーズ、第3弾。
Ⅰ これまでのまとめ
部活動の1(4月11日付)→ やるやる詐欺解消/部活動の1/スポーツ庁長官談話
◆何のための改革なのか
◆どういう考えが根底にあるのか
◆具体的な活動場所として想定されているのは
◆イニシャルコストは
◆ランニングコストは
部活動の2(4月13日付)→やるやる詐欺解消/部活動の2/キーワードの整理 - がんばろう!岩手のスポーツ
◆学校部活動
◆地域クラブ活動
◆学校部活動の地域連携
◆学校部活動の地域移行
Ⅱ 歴史を見よう
1回目で未来、2回目で現在…とくれば、3回目は、これまで、ですよね。
さあ、
振り返ってみましょう。
あ、
今回は、中澤篤史先生の「そろそろ、部活のこれからを話しませんか 未来のための部活講義」(2017年、大月書店)を参考にしています。
・まず「部活動」と「クラブ活動」を分ける
部活動とクラブ活動の違いが分かりますか。
私も、あやふやでしたので、ちゃんと、調べました。
中学校では
1969年の学習指導要領(学校では、これを、このように、どのくらい教えるのだ…という指示書のようなもの)改定から、「クラブ活動」が、教育課程(乱暴に言えば、時間割に載る活動)に加えられました。
それまでは、
部活動は任意の、つまり、生徒が選択して取り組むものとして、
「自由研究」や「特別教育活動」の一部として、教育課程の内外をまたぐものとして存在していたということです。
ですから、
1969年の改定(通常、学校での実施は4年後になる)以降は、
時間割に載っていて、全員が必ずしなければならない「クラブ活動」(必修クラブ、と呼ばれていた記憶があります)と
任意の選択で取り組む「部活動」の2つの活動があったのです。
・混在時期があった
その後、
1989年の改定で「部活動代替措置」が打ち出され、
クラブ活動は部活動での代替が可能、
具体的には、部活動に参加している生徒は、クラブ活動を履修(決められた時間参加すして目標を達成する)したことにしてよいということになりました。
クラブ活動は、教育課程内の活動ですから、全生徒が履修しなければなりません。
一方、
部活動は、教育課程外で時間割に載っていないことがらですので、その参加は任意、生徒の選択に任されるものです。
この2つの混在が、
部活動は全員加入とか、教員は必ず顧問にとか、いま、改善されようとしていることの原因になっているんじゃないかと、私は、考えています。
そして、
1998年の改定で、クラブ活動は姿を消します。
・図で整理してみて
皆さんも、下の図を見ながら、一度、クラブ活動と部活動の整理をしてみてください。
Ⅲ 次は
すぐ疲れたり、すぐ飽きたりするのです、私。
今日もそうです。ということで、このへんで。
次回は
・変化の理由=部活動の目的の推移
を、また、中澤先生のお力を借りながら…と思っていますし、
その後には
・地域と部活動のかかわり
についても、整理しようと思います。
気長に、お待ちくださいませ。
Ⅳ おまけ
部活動改革については、
どうも、個別具体の話しか聞こえてこないのです。
クラブを運営したり、子供たちと直接かかわっていたりする皆さんにとっては、最も重要なことがらだとは思うのですが、全員がその視点では、近視眼的すぎる…と思います。
木も森もみましょうね…というのが、このシリーズのテーマです。