がんばろう!岩手のスポーツ

岩手スポーツ応援団長を勝手に名乗る平藤淳の個人的なブログです

いわてグルージャ盛岡 J2へ/私にとって「昇格」とは

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岩手の新聞「岩手日報」が、サッカーJ3・いわてグルージャ盛岡の今シーズン最終節の結果をうけて、12月5日に電子号外を出しました。

グルージャJ2昇格 参入8年目で悲願達成
静岡県沼津市で本社取材班】サッカーの明治安田J3最終節は5日、静岡県沼津市愛鷹広域公園多目的競技場などで7試合を行い、いわてグルージャ盛岡は沼津と1-1で引き分け、通算15勝8分け5敗の勝ち点53でリーグ2位となり、参入8年目で初のJ2昇格を決めた。

 岩手日報 2021/12/05 https://www.iwate-np.co.jp/article/2021/12/5/106431

私の周りや、私がつながっているSNSでは、大騒ぎ!
ところが、それなに?という人もたくさんいらっしゃるのです。

サッカーのプロリーグは3段階

日本のサッカーのプロリーグであるJリーグは、
J1・J2・J3のカテゴリーに別れ、リーグ戦をしています。
実績の高いほうから、J1~J3で、
岩手のチーム・いわてグルージャ盛岡はJ3に属し、
J3のチームどうしでJリーグの公式戦を行っていました。

来季は、一つ上のJ2に所属しゲームを行うことになります。
ところで、
来季のJ2にはどんなチームがいるかご存じですか?
私も知らなかったので、調べると、次の22チームになるようです。

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2022-23シーズンのJ2所属見込みチーム

そして、
22チームが、ホーム(自分のスタジアム)と、アウェイ(相手のスタジアム)で1試合ずつ総当たりのリーグ戦を行います。
つまり、
各チームが42試合(ホーム21試合、アウェイ21試合)するわけです。

全国各地からチームが岩手にやってきます。
岩手のファンが各地からくるチームの試合を見られるだけではなく、
相手チームのサポーターと呼ばれる応援者も一緒に来て、楽しんでゆくのです。

この前、床屋さんに行ったとき、調髪をしながら女性の理容師さんがこう言いました。
グルージャがJ2に上がって、うれし~い!
 だって、横浜FCが来て、
 三浦知良が出るかもしれないんだよ、
 キングカズが!)

皆さん、強いチームのゲームや、人気の選手のプレーが見られることを楽しみにしているようです。

でもサッカー知らないし

でも、サッカーって「ゴール1点」「手使うと反則」しか知らないし、「オフサイド」って一生わからないような気がするし、グルージャの選手も一人も知らないし…
たぶん、
J2になっても、何も変わらない…と思っている人もたくさんいるでしょう。

白状します。
実は私も、感染症対策の関係もあって、今季は、ただの1試合もグルージャのゲームに行っていません。
もしかすると、来季もそうなるかもしれないのです。

ディス・イズ・ザ・デイ

グルージャのJ2昇格が見えてきた…という頃、
本屋で、とても楽しそうな表紙の文庫本が平積みにされているのに気がつきました。
津村記久子さんの「ディス・イズ・ザ・デイ」という文庫本。

津村記久子,ディス・イズ・ザ・デイ,朝日文庫,2021

帯には
第6回サッカー本大賞受賞作 とありますし、こんなコピーがついています。

■サッカーやスポーツ観戦に興味がなくても、これを読めば人間のファンになると思います
尾崎世界観=クリープハイブ)
■私の感じるスポーツの価値は、この小説の中にある
星野智幸=解説より)

しかも、カバー装幀は、岩手県盛岡市出身のブックデザイナー・名久井直子さん。
買わない理由は、見つかりません。

11話からなる連作で、22チームの22人のファンを中心としたお話があるのですが、
スタジアムに行ってサッカーを見たことのない人も主人公になったりして、
楽しかったり、身につまされたり、悲しくなったり、素敵だったりする物語が書かれています。

なるほど、
サッカーの楽しみ方、
いや、
サッカーやスポーツやスタジアムでの「楽しみ」を触媒にした、人と人との関係づくりは、人の数だけあるんだな…と感じたのです。

J2昇格は新しい世界を体験できること

J2のゲームが行われることは
「ディス・イズ・ザ・デイ」にあるようなことがおきる空間が、身近にできるということ。
乱暴に言えば、
これまで岩手にはなかった「新しい世界」ができるし、
全国のスタジアムを訪れて「新しい物語」を作りだしている人たちが岩手にやってくるということです。

サッカーなんか知らなくても結構。
ひとまず
スタジアムに行く機会を作って、あるいは、機会をもらって、
だれかを誘って、あるいは、さそいに乗って、
話をしたり、ご飯を食べたり、もちろん応援したりしながら、
ほかの人と繋がったり離れたりできる
「新しい世界」に身を置くことができるようになります。

J2昇格は、
きっと、スポーツファンやサッカーファンにとどまらず、
足を運んだり気持ちを寄せたりする人に、
多くの感情を引き起こさせ、結果、幸せを感じさせる場所ができるということでしょう。

昇格、おめでとうございます!
昇格、ありがとうございました!

ホームだけじゃない

ホームに「新しい世界が」できるだけではありません。
相手チームのスタジアムでも体験できるのです。
私は、
昇格のかかった最終戦が、沖縄とのアウェイ戦であればいいなあ、応援に行くだろうなあ…と妄想しています。
きっと楽しいでしょうね。

あなたは、どこに、いつごろ、どなたとゆきたいでしょう。
考えただけで、ワクワクしますよね!

おまけ

岩手の人には「第7話 権現様の弟、旅に出る」が楽しめますし 
私は、特に「第10話 唱和する芝生」を面白く読みました。

本当は、昇格決定とともに、この記事をアップしたかったのですが、諸般の事情で今日のアップ…ちょっと情けない。

いずれ、
本を読むことは楽しいし、読んで考えて文にすることも楽しいのです。
スポーツだって、見て、感じて、考えて文にすることも同じですよ。