【6月18日のnote記事再掲、note撤退しました】
Thinking about changes in quantity and quality. Inspired by new soccer tournament.
岩手県では、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、岩手県高校総合体育大会が中止になりました。今年はインターハイも中止になっていますが、この大会はその予選を兼ねた大会です。
岩手県のサッカーでは「U18サッカー大会」が開催されることになり、その組み合わせが発表になるとともに、新聞で「代替」大会として大きく報じられています。私も興味があったので、組合せをみてみました。そして(この大会は「代替」を超えている)と思ったのです。
■インターハイに出られないチームの出場
お気づきになったと思いますが、プロサッカーJ3・いわてグルージャ盛岡のユースチームがエントリーしています。
インターハイ(全国高校総合体育大会)は、学校の部活動の大会ですから、グルージャのユースチームはインターハイには出られません。普通は、インターハイ予選である県大会も同じルールで行われますので、中止になった県高校総合体育大会にも出られなかったはずなのです。
ちなみに、グルージャのユースチームは、高校生年代の選手が、高校のサッカー部での活動ではなくクラブチームでの活動を望んで参加しています。そして、岩手県内のU18リーグ(i‐League)で高校生を含むチームとリーグ戦形式で対戦しています。このリーグ戦は、東北・全国とグレードアップしてゆくものです。
■一年だけだからと「N倍化」する傾向
岩手県では、甲子園での全国大会が中止になった高校野球でも、代わりの大会が行われる予定です。また、サッカーのほかに挙ケ、自転車、ソフトボールでも行われるという話があります。
それぞれの競技では、これまでの形態に変更を加えて開催するのですが、今年だけ規模を小さくして…という実施形態のようです。
「N倍化」という言葉は、安宅和人さんがその著書で使っていたものですが(これまでの考え方のうえで規模を拡大しようとすること)と私は読みました。高校生のスポーツ大会で言えば、節目の大会に参加校を増やしたり、災害があった時に出場校を減らしたりする対応のことでしょう。
今年の大会中止への対応は、
これまで行われてきたことが今後も続くことを前提とし、
今年だけ規模を縮小して乗り切るという考え方、
つまり「N」が1より小さい「N倍化」です。
■「刷新」して新しい要素をいれたサッカー
さて、サッカー。
他の競技には高校生年代を対象とするクラブユースなどのチームがほとんどないので、比べようもないのですが、チーム数をうんぬんするのではなく「学校の部活」と「クラブユース」を統合したトーナメントの春の大会をしてみようと考えたのでしょう。
(ここは、きちんと取材をしないといけないのですが、得意の思い込みで乗り切ります)
こうあればいいなあ…という考え方に立って「刷新」を図ったのでしょう。
(「刷新」も「N倍化」とセットになっている安宅さんの言葉です)
■必要なのは「N倍化」か「刷新」か
いかがでしょう。
いやいや、
変えなくてもいいから、今年だけだから…と「0.5倍化」して今年を乗り切るか、
ふむふむ、
全国大会がない時だからできる新しい形をやってみて、理想を追ってみるか…と「刷新」を試してみるか、
どちらが正しいとはいえないのですが、この際だから「刷新」を応援したいなぁと考えています。
みなさんは、どのようにお考えになりますか?
なお、挙ケはそれぞれの活動場所で競技をして、得点を持ち寄る形式での大会でだたったそうです。
叱られるかもしれないけれど、考えることがたくさんあって、楽しい年です。
◆安宅和人さんの本