■スポーツ選手のセカンドキャリア支援
こんなコラム記事が朝日新聞に載っていました。
(論の芽)プロスポーツ選手の「引き際」って?長野五輪金メダリスト・船木和喜さんに聞く
その中で、船木さんは、こうおっしゃっています。
船木さんのお考えに、激しく同意します。
私たちも「下位の選手」も大切にしたキャリア支援を行っているところですが、
実は、やっぱり、下位の選手の手立ては手薄になっているのが現実です。
■基本的スキル習得方法の変化
ちきりんさんのVOICYに
「徒弟制度と学校制度」という投稿がありました。
次のようなことが話されていたと、私は、聞きました。
なるほど、そういうものなのか…という感じです。
まだ何もできない人でも、雇用している以上は、最低賃金や労働時間などについて労働関係法令で守らなければならないのです。
そうなると、ある程度のスキルを持った人を雇いたくなるのは、当然の成り行きです。
そして、
スポーツ選手のキャリア支援を考える時にも、大切な観点かもしれないと考えたのです。
■岩手県のスポーツキャリア支援
岩手県が策定した「岩手県スポーツ推進計画(2019年度~2023年度)」には
『国際的に活躍する競技スポーツの推進>アスリートの発掘・育成>アスリートが競技生活を継続できる環境の整備』として、次の二つのことが載っています。
読んでみると、
今いる選手と今ある企業の「マッチング」とか、今ある企業の「開拓」という観点で、就職支援を行う方針です。
悪いことではありません。
この方法で、競技生活を継続できる環境をつくり出すことができます。
(でもな…)
■マッチングにとどまらず
ちきりんさんの「徒弟制度と学校制度」にあるように、
本当に就職しようと考えたならば、何らかのトレーニングを受けてある程度のスキルを身につけていることが必要な時代になったことは明らかです。
特に「下位の選手」は、仕事が主となることが見込まれますので、なおさらです。
スポーツ選手は、あたりまえですが、スポーツをしなければなりませんので、なかなか就職のためのトレーニングを受ける時間が取れないのだと思います。
はっきりいえば、スポーツをしていない学生よりもすぐに仕事に役立つスキルは劣っているでしょう。
私たちの課題は、ここにあります。
★スポーツ選手に、仕事に役立つスキルをどうやって身につけさせるのか
★仕事スキルを持ったスポーツ選手は、具体的にどんなことができるのか、将来どんな風に伸びてゆくのかを、どうやって明確にするのか
★スポーツ選手を雇うことのメリットを、企業にどのようにして理解してもらうのか
「徒弟制度」も、「義理と人情」も、これからもきっと残ってゆくと思います。
でも、「学校制度」へのシフトは確実に進んでいます。
ありものとありもの、つまり、今と今をつなぐレベルのマッチングにとどまらず、
スポーツ選手に力をつけてもらい、企業にも理解を深めてもらうこと、つまり、デベロップメントも忘れてはいけないことだと考えています。
がんばりますよ、がんばりましょうね!
* 参考 *
■デベロップメント型
「アスリートに新しい選択肢を」 ▶マイナビアスリートキャリア
運営:株式会社マイナビ(有料職業紹介事業者)
■マッチング型
「トップアスリートと企業をマッチング」 ▶JOCアスナビ
運営:公益財団法人日本オリンピック委員会(無料職業紹介事業者)
■マッチング型
「マッチングを行います」 ▶︎岩手スポーツアスリート無料職業紹介所
運営:公益財団法人岩手県体育協会(無料職業紹介事業者)