がんばろう!岩手のスポーツ

岩手スポーツ応援団長を勝手に名乗る平藤淳の個人的なブログです

私はもっと速くなりたい/私の今年の感動語大賞

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岩手日報文化賞・体育賞贈呈式で、受賞者の皆さんがスピーチをなさいました。会場で聞いていて、気がついたことと、感動した言葉があります。

岩手日報文化賞・体育賞贈呈式

岩手県の新聞社・岩手日報社は、毎年、岩手日報文化賞・体育賞を授与しています。今年、会場で配布された冊子には、趣旨などがこう示されています。

県内の社会、学術文化、産業経済、体育などの分野で顕著な功績を上げられた方々を顕彰する岩手日報文化賞ならびに体育賞は今年で74回を数えました

まさに、歴史のある、権威ある賞です。

私は、ここ数年、贈呈式に参列し、その後の祝賀昼食会で、体育賞受賞者への祝辞を述べる機会をいただいております。
11月3日に行われた、第74回の贈呈式にも出席し、その様子も、この前、記事にしていますので、お時間があれば、お読みください↓

体育賞は11名

今年は、体育賞、体育賞・希望(パラスポーツ)、体育賞・未来(中学生)含めて、次の11人の方々が受賞しています。

■体育賞
▽松沢優花里さん(スケート)
▽吉田雪乃さん(スケート)
▽工藤佳太さん(相撲)
▽吉田求さん(体操)
▽南舘日奈太さん(なぎなた
■体育賞・希望
▽小野寺萌恵さん(陸上競技
■体育賞・未来
▽高橋美月さん(陸上競技
▽長根慎人さん・鈴木煌さん(ソフトテニス
▽女ケ沢綜磨さん(なぎなた
葛巻福春さん(スキー)
【詳しい功績などは、岩手日報社 ここ 

式典の最後に受賞者挨拶があるのですが、今年は、本人出席の場合は本人が、代理出席の方はメッセージの代読や代理の方のスピーチにより、全員が行いました。

さすが、日本一を獲った方々、素晴らしい挨拶でした。

流行語は「支え」と「感謝」

挨拶を聞いていて、こう感じたのです。

オリンピック、パラリンピックもそうだったけれど「支えてくださった方への感謝」がメインになっているなぁ。
今年のスポーツの流行語は、「支え」と「感謝」だな、これは。
普段でも大切なことだが、感染症の影響を受けたこの2シーズンは、特に大切だ。

翌11月4日の岩手日報に、受賞者の写真がスピーチの内容とともに掲載されました。
本人スピーチ、また本人コメントの代読を含めると、10人の受賞者の気持ちが文字になっています。

読んでみると、はたして、私が聞きながら感じたとおり、
10人中9人のスピーチの中には、
「感謝を忘れずに」「支えられて今がある」「支えてくださっている方々に感謝」という言葉が含まれていました。

でも、
体育賞・希望の小野寺さんのスピーチでは、こういう言葉を聞いたのです。

私は、もっと速くなりたい

ぞわぞわ、しました。

ハウツーのような気がして

「感謝」や「支え」は、スピーチのハウツーのような気がしたのです。
もちろん、
支えてくださる方々に対する感謝は、欠かすことのできないことで、受賞者が述べることはとても大切なことです。
でも、
なんだか、違和感を感じていました。

昨夜、なんとなくテレビを見ていると『ニンゲン観察バラエティ「モニタリング」』という番組が流れていました。
ミュージカルのスター山崎育三郎が、突然、高校の音楽部の活動中にそこに現れるというもので、高校生が腰を抜かすは泣き出すわの大騒ぎになる…というものでした。

せっかくだから…と、質問を受け、それに答えたのですが、
その質問と、アドバイスが素晴らしかったのです。
詳しくは、
まだ TVer で見られますので この下線部をタップ してご覧いただきたいのですが、
生徒も山崎さんも、本当の気持ちを言葉にして、真剣に丁寧に向き合っていたのです。
涙が出そうになりました。

そして、贈呈式での違和感の原因がわかったような気がしたのです。

源を述べる

「私は、もっと速くなりたい」という発言は、「生産」だと思います。
これまで自分を動かしてきたり、これからも動かしてゆく、「源」を言葉にしています。

「支援」「感謝」は、「消費」のような気がします。
これまでしてもらったことに対するお礼。
感謝のためにスポーツをするというのは、なんだか、違うように感じます。

テレビの高校生は、自分を動かす源を得るために、質問をしました。
(1人で歌う時も、複数での合唱の時も、自信がもてない。
 どうしたら自信をもって歌えるようになるのか)
山崎育三郎さんも、回答が生徒を動かす源となるように、真剣に回答しました。
(自身は時間。歌った時間、踏んだ場数の回数。
 僕もね、昔は自信がなくて…略…
 たくさん歌うことで、自信は絶対に持てるから!)

オリンピックやパラリンピックのインタビューでも、
必ず、「源」発言はあったはずですが、
耳当たりのいい「支援」「感謝」が、聞いている私たちに残りがちです。
表彰された方々も、きっとそうでしょう。
ですから、スピーチに入ってくるのです。

そんな中の「私は、もっと速くなりたい」が、私には、とても新鮮で感動的だったのです。
そして、これを、今年の私の「感動語大賞」に決めました。

そういえば、
「源」を述べろとは教えられてきませんでしたし、
そもそも「源」言葉にしてみるトレーニングも受けてきませんでした。
そして、
教えてきませんでしたし、トレーニングもさせてこなかったことにも気がつきました。

これは大変だ!

■おまけ(新聞のコメント丸写し)

体育賞・希望
日本パラ陸上選手権女子100,400,800m(脳性まひT34=車いす使用)優勝
ジャパンパラ大会女子200m(同)優勝
小野寺萌恵選手(盛岡となん支援学校高等部3年)

仲間が増えてほしい
このような賞を頂き、とてもうれしく思う。
東京パラリンピックが開催され、パラスポーツに関心を持った人も多いと思う。岩手でも一緒にスポーツをする仲間が増えることを祈っている。
私もパラ五輪を見て、ますます速くなりたいという気持ちになった。私はまだまだだが、パラ五輪を目指して頑張っていこうと思う。
まずは、12月のアジアユースパラで自己ベストを出せるよう頑張りたい。