徳島県一人勝ち
昨日は遠野のカッパに捕まってしまいました。
阿波踊りの前傾姿勢に見惚れて、すっかり油断していたのです。
カッパは
一瞬、私を食べようとしましたが、おいしくなさそうだったのでしょう、カッパになってバスの運転手をしたら命だけは助けてやると言いました。
私は迷わず、カッパに魂を売り、その証拠として、頭に皿のようなものと緑色の何かを付けられました。
これからは早池峰バスの水木しげるラッピングバス「遠野物語めぐり号」で、カッパ運転手として頑張るつもりです。
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昨日、遠野市で行われた「フォーラム ふるさとの伝承が教えてくれること」が今朝の岩手日報に載っていました。
ふるさとの伝承について様々なお話がありましたが、
京極夏彦さんと宮部みゆきさんの対談では、「口伝が形をもつ」つまり「伝承がリアリティーを持つ」ことと説明されていました。
なるほど、作家の方々は言葉で説明するのがうまいもんだな…と、すっかり感心してしまいました。
さて、全体を見ると、個人的には
『徳島の1人勝ち』だったな…と思っています。
会場前には徳島県から来た10トンのイベントトラックがステージを広げ、カボスを使った料理のサンプリングなど、様々なイベントを行っていましたし、
第2部の郷土券\でも、ピカイチの阿波踊り!考えてみれば、全国レベルの踊りですものね。
なにより、
第1部の知事のプレゼンテーションの内容にやられました。
飯泉徳島県知事は、達増岩手県知事、平井鳥取県知事が中心に据えた、妖怪の話ではなく、
「1615年に淡路島が徳島藩の所領となったことから、当時淡路島で盛んであった人形浄瑠璃が徳島に伝えられた」という、阿波人形浄瑠璃の伝承の話に持って行ったのです。
聞いてみれば、伝承ではありませんでした。
『振興』…だったのです。
お話があったのは、「新作」でした。
伝統的なものは伝統的なものとして伝える、しかし、多くの人に親しんでもらうためには「新作」が必要である…という考え方です。
すごいなぁ、と思いました。
県のサイトで調べると、
「振興策の方向性」として細かな記述があります。
その中の「1 人形浄瑠璃の魅力を引き出す」→「1 レパートリーを増やす」→「2 新しい取り組み」とブレイクダウンしていったところに、次の4項目がありました。
▼阿波人形浄瑠璃の新作制作(モラエスを主人公とした作品、子供向けの作品など)
▼他のジャンルとのコラボレーション(ジャズ、邦楽、クラシック、現代舞踊、阿波踊りなど)
▼浄瑠璃以外の分野への人形の活用(3人遣いの人形による人形劇、ファッションショーなど)
▼コーディネーター、演出家の活用
さらには、基本目標に
「人形浄瑠璃の振興を通じたあわ文化の発信と地域の活性化」を据え、(将来イメージ)というこんなイメージ図まであります。
いろんなアイデアをお持ちの県だな…と、しみじみと感じてしまいました。
おそるべし★徳島県…です。
【追】
徳島県は県民環境部の中に「文化スポーツ立県総局」が置かれています。ですから、『文化の発信と地域の活性化』と堂々と言えるのです。
どちらが良いかということではなくて、
岩手県のように、教育委員会が文化・スポーツを所管している場合には、徳島県のような「子どもの健全育成」を省いた(将来イメージ)を作ることはなかなか難しいものがあります。