第66回国民体育大会にいってきたことは、すでにお知らせ済みですが、
山口県内を車で移動していると「いつもと違う風景」にたくさん出会いました。
前回国体のレガシー・オレンジ色のガードレール。
真っ赤な彼岸花。
インディアンが襲ってきそうな岩がゴロゴロしている山々。
瓦ぶき・板壁の家々。
こんな風景を眼にすると、いろいろな会話に結びつきます。
10月1日の総合開会式にバスで行く途中、前の席に座ったお二人の会話が聞こえてきました。
八:彼岸花がきれいだねぇ。
熊:曼珠沙華ですね。
八:去年、私の家にも彼岸花の球根を植えてみたんだけれども、出てこないのさ。
ネズミに食べられてしまったかな。
熊:待つんですよ。待つんです。
八:えっ!?
熊:2年目に芽を出す彼岸花はよくあります。
なぜか、普通よりも時間を必要とするものがあったりするんですよ。
八:そうか…来年まで、待ってみる。
最近、すぐに成果を求めたくなっている自分に気がついた、山口の彼岸花です。
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今日、10月6日の段階で、
第66回国民体育大会は、冬季競技を含む全40競技中22競技が終了しました。
半分終わった訳です。
振り返りましょう。
優勝者はまだ出ていませんが、
挙ケ少年男子の近的2位、遠的3位がホットニュースです。
今大会も、インターハイの優勝校・福岡高校と準優勝校・福岡工業高校からなる選抜チームは絶好調でした。
また、
ボート成年男子シングルスカル米澤選手の準優勝、レスリング少年男子50�s級グレコローマンスタイル米倉選手の3位と、
表彰台にのぼった4種目を含め、8つの入賞です。
岩手日報にも連日カラー写真とともに入賞者の記事が載っており、行け行けドンドンの雰囲気があります。
選手たちはよくがんばりました。
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でも、行け行けドンドンは気のせいです。
これまで終了した競技の今年の「競技得点」と、去年のそれを比べてみました。
出入り含めて去年より94.5点減少しています。
増は4競技で20点
(挙ケ 15、ライフル射撃 3、水泳 1、ボート 1)
減は7競技で114.5点
(ラグビー▴44、山岳▴27、クレー射撃▴15、レスリング▴10.5、スケート▴7、セーリング▴6、
スキー▴5)
単純に去年の競技得点からこの点数を差し引くと、残りの競技が去年どおり得点するとすれば、
318点の競技得点となり、参加点を合わせると718点…
去年の順位に当てはめれば、40位台が見える得点です。
支援してくださった全国の多くの皆様のためにも、しっかりがんばらなくてはいけませんね。
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◇でも、残りの11競技は「増減なし」、つまり現状維持だったんでしょう。
じゃあ、いいじゃありませんか。
◆去年、「ゼロ」が今年も「ゼロ」の現状維持です。いいことは何もありません。
◇彼岸花のように待つことも大切なんじゃありません?
◆スポーツ界は、規模を縮小しても予定どおりの時期に岩手で国体を開けといっている。
◇それがどうかしました?
◆そういう気持ちならば、現実を受け入れなければならない。
◇現実?
◆県が示した「延期しての国体開催」は、
震災津波からの復旧・復興に人的・財政的資源を投入するためでした。
したがって「5年後の縮小開催」には、
準備段階での「人的・財政的資源」の縮小が伴うはずです。
当然、強化計画も見直され、財政的な援助も少なくなります。
◇なるほど。
◆そうなれば、
これまでの全競技を対象とした、「芽が出るだろう」「少し待とう」の選手強化はできません。
71回の国体に向けた選手強化は今年で4年目です。
少なくとも、この3年間、一度も「芽を出さない競技」は縮小対象だと思います。
球根がやられている…と思われる競技は、現状のままで国体を迎えていただくだけです。
◇ずいぶん、悲観的なお話ですこと。
◆いわてのひかんばなし!
◇えっ!? 岩手の彼岸花?
◆岩手の悲観話!