駐c家の日曜日
一昨日、岩手山が初冠雪したというニュースが流れていましたが、早すぎるので、信じていませんでした。
でも、今朝、この目で確認しました。本当でした。
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10月2日のお話です。
「おいでませ!山口国体」の山岳競技に行きました。山岳といっても登山をするわけではなく、街の中や体育館の中にある人口壁(ボード)を登る競技で、ボードの高さなどにより「リード」と「ボルダリング」の2種目があります。
競技内容の詳細は、山口県実行委員会のサイトにありますのでご覧ください。
少年男子のリードは9時競技開始で岩手は3番目の競技順です。朝一番で会場に行きました。1組目が始まる直前の到着でした。
背もたれのないベンチを置いてある観客席は、すでに、8割がたうまっていましたが、正面の前の方に空きがありました。
近づいて見ると、前から2番目に、右端に小学生の女の子が、一人、座っているだけのベンチがありました。
隣に座っていいかと聞くと、良いといいます。
1組目の香川が登り始めました。
妹:ああ、ドキドキする、登れるかなぁ…(つぶやき)
平:あれ、誰かの応援?
妹:お兄ちゃん!
平:山口の選手?
妹:うん。
様子を見ると、
後ろのベンチには、お父さんとお母さん、右斜め後ろのベンチにはおじいさんとおばあさんがいます。
日曜の朝ですので、一家そろって応援に来たのでしょう。
そうこうしている間に、一番前のベンチが空きましたので、私たちは前に移動しました。
山口県は7組目です。
会場の声援がひときわ大きくなります。
後ろの女の子も本気で(がんばれぇ〜)と叫んでいます。
二人が左右のボードを同時に登りますので、
私には、どちらがお兄さんなのかわかりません。
振り返って聞きました。
(どっち?)
(みぎがわ!)
両手を、お祈りのように組んでいました。ように…ではなく、本当に祈っていたのでしょう。
登り始めると、彼女は、
(がんばれぇ〜)(がんばれぇ〜)(がんばれぇ〜)(がんばれぇ〜)(がんばれぇ〜)(がんばれぇ〜)
と、大声で応援しています。
要所要所で、お父さんお母さんの声も混じります。おじいさんとおばあさんの声は聞こえません。
振り返って妹さんの写真を撮りたくてしょうがありませんでしたが、何とか理性で持ちこたえました。
それまで、
岩手を含め、完登(かんと。15mのボードを登り切ること)したチームはありません。
はじめに左側の選手が、やや遅れてお兄ちゃんが、素晴らしいテクニックをみせて、それぞれ『完登』です。
会場は大拍手と大歓声に包まれます。
うしろから、
(やったぁ、やったぁ!)という叫び声が聞こえました。私も同じ気持ちでした。
振り返って手を出すと、彼女も手を出してくれました。
(すごいねぇ。お兄ちゃん!)の賞賛付きで、思いっきり祝福の握手を交わしました。
お父さんもお母さんもおじいちゃんもおばあちゃんも、ニコニコ顔です。
今日のことは、家族全員、一生忘れない思い出になるんだろうな、
スポーツはこんなことも提供する力を持っているんだよな…と思いながら、会場を後にしました。
【注】山口県の少年男子チームは、
リードは予選同率1位の千葉県に敗れ準優勝。ボルダリングも千葉に次いで準優勝でした。
後から調べると、左側の選手は駐c陸人(野田学園2年)という選手でした。
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一昨日の「いわて・あきた県境国取り合戦」は、2年連続で秋田の勝利だったそうです。
今年の様子が、
秋田魁新報のネット版 「さきがけon The Web」と「岩手日日新聞」のネット版に載っていました。
簡単にいえば次のようなイベントです。
▼西和賀町巣郷の県境付近の広場で岩手・秋田の両県の人たちが綱引きを行い
▼勝った方が県境を50�p移動できる
2年連続で負けたので、県境は1m押されているのかと思いましたが、「さきがけ」には『綱引きの際は標柱を本来の県境の位置に戻す』とありましたので、安心するとともに、ガッカリしました。
だって、
「30万連勝すれば岩手の県境が日本海まで広がる」と信じていましたから。
この「県境国取り合戦」のお話、中村敏雄さんのオフサイドはなぜ反則か (平凡社ライブラリー)を読んでから様々なことを想像すると、もっと興味深くなります。
私は、今年の国体の移動時間を利用して新幹線中で読むことができました。
読む前の去年は単純に(へぇ〜、おもしろいことやってるな!)
読んだ後の今年は(ほぉ〜、現代版マスフットボール!年一回、時間無制限、全員参加ができればなあ)
ご一読を。