「すが田」の「いかせんべい」が手に入りました。
震災津波で工場が被害を受け、生産がストップしておりましたが、5月20日から販売を再開していたもので、
宮古にいる身内の者に、予約して入手して送ってくれと頼んでいたものです。
再開なったせんべいの包装の上には、
こんなシールが貼ってありました。
がんばってほしいですね。
やっぱり懐かしい「いかせんべい」の香りでしたが、
以前のイメージよりは固くないような気がしました。
「せんべい」か「私」かどちらかが変化しています。
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小説にこんな一節がありました。
一度、ロシアで、ぼくはある工場で、モーツアルトの演奏を聞いた。ぼくは、そのことを書いた。別の本を読んでいると、こんな一節がありました。ぼくは、二百通の罵詈の手紙を受け取った。ぼくは、モーツアルトよりも安寄席を好む人たちを、憎みはしない。彼らはあれ以外の歌を知らないのだ。ぼくが憎むのは、安寄席の持ち主だ。ぼくは人が、人間を堕落させるのには忍びない。
自動車王として知られるヘンリー・フォードは「もし消費者に『なにが欲しいのですか?』と訊ねていたら、『もっと速く走れる馬を』といわれただろう」と語ったといわれているが、本当のニーズは顕在化した意識にはない。そう考えると、生活者本人に訊けば、それがそのまま生活者視点であるという考え方が、うまく行かないことにも納得がいくのではないか。**********
◇何をおっしゃりたいんですか、さっきの二つの文章で。
◆木曜日に、「いわてスーパーキッズ」のプロジェクトチームの会議をしたんだ。
◇ああ、観音さまとかなんとか、わけのわからないことを書いてた日ですね。
◆ああ。
その会議のなかでね、日本オリンピック委員会から来ている委員の人がこうおっしゃった。
「世界につながるシステムが見えてこない」
◇はあ。
つまり、あれですか、時々、日本チャンピオンが出ればいい、
あるいは、わが競技団体に優秀な素質を持った子どもたちが集まればいい…とかいう。
◆それもそうだけれども、私たちは、
「君はこの競技では世界では通用しない」
と、はっきりとしたエビデンスに基づいて言えるだけの力を持っていないということなんだ。
◇それもそうでしょうけど、本人の意向…でしょ、最終的には。
◆結局は、
本人や関係者が「速い馬」を求めてしまうことになるよね。
◇あ、そうか。
今までやってきた競技では世界レベルは目指せないのに、「もっと上手くなれば」と思ってしまう。
それよりも、
発想を変えて「馬」じゃなくて「エンジンと車輪」の世界に活躍の場を求めることを
考えた方がいい…
という程のことですね。
◆そう。
何より、この事業のスタートは、
子どもたちが「世界のトップアスリート」を目指し、
岩手県内では、そのことが達成可能なスポーツ振興の「システム」を作ることを目的
としていたはずなんだから。
◇なるほどね。
ところで、安寄席のお話は何ですの?
◆私たちも子どもたちや関係者に「モーツアルト」をイメージさせずに
「安寄席の歌」だけをイメージさせていたのかな…とね。
◇なるほど。
思い出しました。この前の「終了式」のお話ですね。
しっかり、してくださいね。
ところで、いくら調べても意味がわからないので教えて欲しいんですが…。
◆おう、任せなさい!
死ぬまでは不死身、健康診断前は健康、知らないこと意外はすべて知っているこの私に!
◇「あんきせき」ってどんな席ですの?
◆えっ!?
◇ほらほら、「安寄席」。
◆ぷっ! それは「やすよせ」。
安い値段で興行している寄席のことだよ。大衆劇場とかいうのかな?
◇あらやだ。