がんばろう!岩手のスポーツ

岩手スポーツ応援団長を勝手に名乗る平藤淳の個人的なブログです

耳当たりのよい言葉

午後に会議がありました。

会場まで歩いてゆく途中にせんべい屋さんがあります。

何気なく覗いてみると、米で作った「白せんべい」が置いてありました。

そういえば、お盆には「白せんべい」がつきものだったような気がしました。

ずっと昔のことですので、

どういうタイミングで、どうやって食べたのかも思い出せないのですが、確かに買いに行かされた覚えがあります。

誰かが買いに行くから作っているのだと思いますが、そのうち無くなる「食文化」なのでしょうね。

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 今日、第26回ユニバーシアード競技大会

 中国のShenzhen=深せん(「せん」は「土」へんに「川」)で開幕します。

 この前、

 選手団名簿の冊子が回ってきましたので、

 目を皿のようにして岩手県関係者を探してみました。

その結果、

出身地を岩手県としている選手が1名

 荻根澤 千鶴 フェンシング女子/選手

  蓮田市立蓮田中学校(埼玉県)→私立埼玉栄高校(埼玉県)→日本大学日本大学大学院

  →NEXUS��

現所属が岩手県であるコーチ(アディッショナルオフィシャル)が1名

 清水 茂幸 陸上競技/コーチ

  新潟県出身、 県立高田高校(新潟県)→筑波大学筑波大学大学院、現在岩手大学教授

以上、2名でした。

選手団総数は「507人」とありますので、2/507≒0.4パーセント。

うなって、頭を抱えるしかありません。

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【お詫びと訂正:8月16日】

今朝の新聞報道で、ユニバーシアード岩手県関係の参加者に漏れがあることがわかりました。

次のお二人を追加し、前段を次のように訂正します。

岩手県出身の選手が1名

 吉田 惟人 柔道男子/選手

  矢巾町矢巾中学校(岩手県)→東海大学付属第四高校(北海道)→東海大学(4年)

出身地を岩手県としているメディカルスタッフ(ドクター)が1名

 中村 格子 ドクター

  岩手県出身、県立横浜緑ヶ丘高校(神奈川)→横浜市立大学大学→横浜市立大学大学院

  →国立スポーツ科学センター

以上、4名 2名 でした。

選手団総数は「507人」とありますので、4/507≒0.8 2/507≒0.4 パーセント。

うなって、頭を抱えるしかありません。

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よく、

岩手県の成績向上の課題として、「成年選手の活動環境=選手の雇用の確保」ということが言われます。

優秀な大学生が岩手に戻ってこられないから成年層が弱いのだ…ということです。

でも、

今回のユニバーシアードの数字を見て、

(それもそうだけれども、本当にそうなのかなぁ…)と思ってしまいました。

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と、同時に、

時事通信社が発行している「内外教育」2011年7月26日号の「ひとこと」というコラムに、

立命館大学の影山英男先生が「耳当たりのよい言葉」と題してお書きになったものがあったことを思い出しました。

ガボガボと抜粋してご紹介します。(原典はここにありますので、全文を必ずお読みくださいね。)

私が感じる教育界への違和感。それは、耳当たりのよい言葉の空虚さである。

例えば、「授業で勝負」。確かにそれはそのなのだが、そのために、教師の授業研究会の中身は、「あの場面では、子供にこう質問した方がいい」など、その場限りのことばかりだ。(略)授業の本当の本当の役割は、学習意欲の喚起だと思う。

「教育の成果は出るのに時間がかかる」というのも怪しい。だいたい、担任が変わればすぐに子供の学習態度ががらりと変わり、良くなったり悪くなったりする。だからこそ、保護者は担任発表に一喜一憂する。また、百ます計算などは、2週間も指導すれば、子供の計算能力は劇的に向上する。だからこそ、一瞬の油断もできないと思う。(略)

私には、耳当たりのよい言葉は、指導の不備をごまかすために生まれてきたようにしか思えない。

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「成年選手の競技力向上のためには『雇用環境』の手立てが不可欠である」という言葉も

「耳当たりのよい言葉」の一つだな…と思ったのです。

以前、「競技活動と職業活動」と題して記事にしましたが、全国優勝者を育てるような優秀なコーチの方々でも、このことをきちんと考えてはいないのです。

いや、

私たちが、そのことを考えていただくようにしていなかったということです。

そういう考え方で周りを見れば

「耳当たりのよい言葉」がスポーツ界にも氾濫しているような気がしてきました。

気をつけなければなりませんし、頑張らなくてはいけません。

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会議に行くときに、財布を持ってゆきませんでした。したがって、「白せんべい」は見るだけでした。

でも、

どうしても写真に撮って皆さんにお見せしたくてたまらなくなり、逆方向ではありましたが、仕事帰りによって買うことに決めました。

インターネットで調べると、そのお店、午後6時までやっているようです。

急いで事務所を出て、まだ暑い中、信号を三つと橋を一つ渡ってやっと店に着くと明かりが消えています。

(あ、節電)と思いましたが、良くみると「のれん」が戸の内側に入っています。

(な、な、なんだ、6時まではあと5分もあるだろうがぁ!)

戸口には張り紙がありました。

「本日の営業時間 午前十時から午後五時まで」

ああ、お盆…。