【チャグチャグ馬っこの日】
土曜日、飲み会に向かうため「中の橋」を渡ると、
午後5時になろうかという時間なのに、河原からは、まだ、チャグチャグ馬っこの匂いがしていました。
そのおよそ5時間後。 桜山神社付近の飲み屋さん にて。
康:だから、書き出しの「体言止め」は禁物ってこと…
山:はい。
平:大変だね〜。
でも、「言葉」で感動を皆さんに伝える仕事なんだから、やり甲斐があるよね。
ところで、今日、中の橋を通ったら、チャグチャグ馬っこの匂いがするのよ。
俺だったら、こうだね。結構、いけてる書き出しだと思うけど、どう?
『中の橋を歩いて渡ると、そこには、まだ馬糞の匂い』
康:だから、書き出しの「体言止め」は禁物ってこと!話し聞いてないなぁ…。
山:馬糞は「もろ」じゃないですか。
ううぅ〜ん。なんて書けばいいかな、匂いはすぐにイメージできるんですがね…。
正:『中の橋の周りは、夕方になっても、
馬たちが残した「春の農耕」を思い起こさせる匂いで満ち溢れていた。』
平:さすが!
【夕方になると】
しばらく前、
仕事の帰りに自転車で坂を下って行くと、途中でどこからか「木の香り」がしました。
(ああ、久しぶりの匂いだ…。どこかで木造の家を新築しているんだな…。)
数日後、「古い家を壊している匂い」ということに気がつきました。
(家を解体する時も、木は匂いを出すんだな…。これまで、気がつかなかった。)
もうひとつ、不思議なことに気がつきました。
(朝は、なんで、木の匂いに気がつかないのだろうか?そういえば、夕方は、夕食の匂いもよく感じるのに)
【懐かしい匂い】
だいぶ前、
水沢の運動公園にお邪魔した時、「人工そりすべり場」(←本当の名前がわかりません。)に惹きつけられて、大人四人で、歩いて登ってみた。
結構な斜面です。もちろん、表面は「人工芝」。
その時、四人のうちの一人、
アルベールビル五輪スキーコンバインドのゴールドメダリスト、三ヶ田礼一さんがつぶやいた。
『ああ、懐かしい匂い…』
雪がなくても飛べる「人工ジャンプ台」と同じ匂いがするのだろう。
つらい思い出か、楽しい思い出か、それとも、私たちが想像もつかない思い出か…
どんな思い出があるのかは、ご本人しか分かりませんね。
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◇わかりました。きっと、あれですよ。
匂いには、記憶を呼び起こす力があると思うのですが、
感じた匂いに結びつく記憶がなければ、
匂いは通り過ぎてしまうだけなので、「匂わないと同じ」なんじゃないですか?
◆確かに。
朝だって、匂いがしていない筈はないからね。
私が持っている朝の思い出が薄いということなんでしょうかね。
馬糞の匂いでは、すぐに現物や、行為中の馬がイメージできるんですがね〜。
◇「さわやかな朝」よりも、「馬糞ともに」の子ども時代だったんですね。
ところで、ほかに何か、お得意の匂いはありますか。
◆カレーの匂いだね、カレー!
◇や、やっぱり。自分でもそうですか!
◆へへ、はじめに言っておきますけれど、「魚のカレイ」かと思った→ギャフン…は、お見通しですよ!
◇違いますよ!
で、それは、やっぱり寂しいという感じとともにあるんでしょう?
◆いや、いい匂いで、おなかが空くよ!
◇おなかが空く?よく分かりません。
でも、ご自分で、お気になさるほどではないと思いますけれども…
◆何の話、さっきから?カレーライスのカレーだよ…
◇あらっ!?「加齢臭」の加齢だとばっかり…
◆………。