【5/23のnote記事と同じものです】
公式戦とは何か/水道管は水より偉いのだろうか
■吉報を伝える新聞記事
今朝の
岩手県の新聞・
岩手日報に「吉報、生徒に喜び広がる 心機一転 練習に熱」という記事が載っています。県中学校総合体育大会が中止になったものの、多くの地区中学校体育連盟が大会を開くということを報じ、中学生が喜んでいるよ…という内容です。
よかったねぇ!と思いますが、
こういう記述が気になったのです。
県中学校総体中止の知らせに
一時は公式戦のないままの「引退」も覚悟した3年生は
https://www.iwate-np.co.jp/article/2020/5/23/78493
■公式戦について考えてみる
公式戦とは何だろう…と思ったのです。
ふつうは、中学校体育連盟や高校体育連盟、
高校野球連盟などの組織が主催する「大会」の中の「試合」が「公式戦」に当たるのでしょう。組織は全国から
都道府県、その下の地区までの組織が含まれます。ですから、新聞記事の地区中学校体育連盟が主催する大会も「公式戦」となります。
ちなみに、
国民体育大会につながる、
文部科学省(
スポーツ庁)や
都道府県体育・スポーツ協会が主催するものも、公式戦として扱われています。
では、公式戦ではない大会・試合は何でしょう。
まず思い浮かぶのは、練習試合。これは組織ではなく、学校や部が主催(企画・運営)するものです。競技団体が主催する、記録会などもありますね。
どうやら、学校の部活動の「公式戦」は、学校が所属する組織が主催する大会でのマッチやレース、コンテストを指しているようです。
■では、対抗戦や招待試合、文化部の定期演奏会は
冒頭の図の右側は、The Varsity Match と呼ばれているオックスフォード大学と
ケンブリッジ大学の対抗戦のホームページからお借りしたものです。男子はオックスフォード大学の60勝63敗14引分。これは、決して、練習試合ではありませんね。
また、高校の周年記念招待試合もよく聞きます。そして、文化部では、合唱や
吹奏楽、演劇などの
定期演奏会・公演会も行われています。
これらは、組織ではなく学校や部が企画・運営するものですが、だれも「練習●●」とは決して言いません。
■どうやら囚われている
どうやら、私たちは、組織が主催する公式戦が、学校が校外のイベントとして行う催し物よりも勝っているという考え方に、囚われてしまっているようです。
組織のほうが価値のあることをしていると信じているのです。ですから、公式戦を経ないままの引退、を残念に思う論調を新聞が記事にするのです。
しかし、百年以上続く対抗戦や、学校創立百年などを記念する招待試合や、多くのお客さまを集めて行われる
定期演奏会・公演会などは、
選手やチームや活動ぶりや実力や考え方などを知らない人が対戦相手や会場や日時を決める公式戦よりは、実は、価値が高いともいえます。
組織ができないと決めたことの代わりに行うイベントは、学校の出番だと考えます。
■なにを言いたいかというと
なにを言いたいかというと、
属する組織が主催する最後の大会がなくなった運動部員には、
部員の状態、学校の状況が良くわかった人が、
最もふさわしい時期に、最もふさわしい相手との試合をさせてあげるべきではないか…ということです。
他の人から順位を決めてもらう「組織の公式戦」ではなく、学校がその価値を認め主催する「学校の公式戦」として
■言葉を借ります
コラムニスト・
小田嶋隆さんの言葉を借りて、もじります。
水道管は水より偉いはずがない。「水道管は水より偉いんだぞ」てな話に変換されて、勘違いした編集者だのディレクターだのプロデューサーだのが肩で風を切って歩くようになったのが1970〜90年代のメディア業界の空気だったわけで…
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00116/00071/
がんばりますよ、がんばりましょうね!
では、
ごきげんよう。