がんばろう!岩手のスポーツ

岩手スポーツ応援団長を勝手に名乗る平藤淳の個人的なブログです

私たちのペルソナ

先週末に届いていた、日本体育協会の指導者向けの情報誌「Sports Japan」の最新号(Vol.10 2013年11・12月号)を、やっと昨日、開いてみました。 表紙裏を見て、おやっ? っと思いました。
日本体育協会は、 「フェアプレイで日本を元気に あくしゅ、あいさつ、ありがとう」というキャンペーンを行っており、 みんなで「フェアプレイ宣言」をしましょうという働きかけをしていますが、そのキャンペーンのャXターでしょう。 ャXターに並んでいる人たちをみて、 (子どもとお年寄りが、いないなあ…。) と、違和感を持ったのです。 でも、よく見ると、どうやら、意図をもって作られていて、これでよさそうです。 もう一度、じっくりとご覧ください。
私には、三つの特徴があるようにみえます。 一つは「子どもとお年寄りがいない」  子どもたちは絵になりなりますから、この手のャXターにはよく使われるのです。  また、生涯にわたってスポーツを…という文脈から、お年寄りもよく出てきます。  多世代を表現していないのです。 二つ目は「有名選手ではない」  私がいる事務所には、楽天イーグルスのカレンダーや、ミズノのカレンダー、  そして、オリンピアンのサイン入り写真、はたまた、  グルージャ盛岡岩手ビッグブルズのャXターが所狭しと張られています。  スポーツのャXターというと、有名な人気選手を使いたいものなのですが、  失礼ながら、このャXターには、どう見ても「草」の冠がつく人たち…  つまり、草野球プレーヤーや草ボーダー、草サッカーレフリーの様相です。  草の根レベルのスポーツ愛好者を使っているのです。 三つ目は「スポーツに関係していない人も並んでいる」  よくよく見ると、  ねぎをカバンからはみ出させたお買い物帰りの主婦とスーツ姿のサラリーマン  が並んでいます。  一体、なんでしょう、この人たち!? ***** 今朝、 新聞を広げると、 健康食品の広告写真が目に飛び込んでしました。 見た瞬間、 さっきの日本体育協会のャXターと結びつきました。 (あ、「ペルソナ」かぁ!) ***** 内閣府が21年度に行い、24年3月に策定したスポーツ基本計画にもその結果が反映されている「体力・スポーツに関する世論調査」の中に、 調査結果の概要→運動・スポーツの実施状況と今後の意向について→この1年間に行った運動・スポーツの種目 と進んでゆくと、こういう記述があります。
ウ 運動・スポーツを行わなかった理由  この1年間に運動やスポーツをしなかったと答えた者(429人)に,その理由を聞いたところ,「仕事(家事・育児)が忙しくて時間がないから」を挙げた者の割合が45.9%と最も高く,以下,「体が弱いから」(24.0%),「年をとったから」(19.8%)などの順となっている。(複数回答,上位3項目)  前回の調査結果と比較して見ると,「体が弱いから」(17.8%→24.0%)を挙げた者の割合が上昇している。  性別に見ると,大きな差異は見られない。  年齢別に見ると,「仕事(家事・育児)が忙しくて時間がないから」を挙げた者の割合は20歳代から50歳代で,「体が弱いから」,「年をとったから」を挙げた者の割合は70歳以上で,それぞれ高くなっている。
20代から50代で仕事や家事や育児に忙しい人がスポーツをしていないというのです。 ほら、 ャXターの意図が分かったような気がしませんか。 あそこに並んでいる人たちは「20代から50代で仕事や家事や育児に忙しい人」だろう、と思うのです。 いちばんスポーツをしてほしい人たち、 つまり、ターゲットの人たちを並べているんだろう…と、私は勝手に解釈して、 これまた、一人で勝手に、感服しています。 ***** 「ペルソナ」って、調べるとこういうことなのだそうです。
詳細に設定した「ペルソナ」という代表的な顧客プロフィールを企業内で共有し、人物像への理解を深めることでマーケティング方針を統一するのが「ペルソナ」戦略です。
考えてみると、 私たちの事務所の中では「競技スポーツ分野の成功者」しか、眼に入りません。 それも大切だけれども、 体力・運動能力を低下させている子どもたち さっぱり体を動かしていない、勤労・子育て年代の大人 一生懸命に時間をかけて指導しているのに、成果が現れない競技スポーツ指導者…などの写真があってもいいよなぁ、と。

(平藤淳 岩手のスポーツ ペルソナ sports japan フェアプレイ)