今日の岩手山。雨が降ったので、黄砂もなく、すっきりしていますね。
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なんちゃって行商をしたことがあります。
2004年の「第53回全国高校スケート・アイスホッケー選手権大会(スケートインターハイ)」が岩手県で行われた時に、「なんちゃってマーケティング」をしたことはお知らせしています。
その一環の「行商」です。
実行委員会が作成した「グッズ」を、人が集まる催し物の会場で、テーブルを一本借りて販売したのです。
恥ずかしかったのですが、あちらこちらで何回も行いました。
一番はじめは、岩手県高等学校体育連盟の会議でした。2003年の夏ごろだったと記憶しています。
簡単にいえば、参加者は内輪の関係者です。
その日の売り上げは「0円」でした。
タオルの一本も売れません。皆さん「冷やかし」には来るのですが、本当に「冷やかし」てゆくだけです。
泣きたくなりました。
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その大会の実行委員会は、県高校体育連盟の事務局におかれました。
準備をしてゆくうちに、お金が足りなくなることが明らかになりました。当時、県高体連の事務局長をしていた私の見積もりが甘かったのです。
たとえば、
会場周辺に、係員控室や選手控室などの仮設物を置かなければなりません。これは見積もり済みでした。
でも、
ほとんどの施設が、プレハブ用の電源は、トランスから直接を持ってこいとおっしゃいます。
ちゃんとメーターをつけて電気料を払うから…といっても、だめだというお返事です。
知らなかったのですが、
使用電力は、次の年の基本料金に跳ね返るのだそうです。つまり、施設が、一年間、高い基本料金を払わなければならないということ。
ではどうするかと言うと、トランスの乗っている電信柱から電線を直接引いてくるしかないのです。しかも、仮設電柱まで立てなければなりません。
予想外の大きな出費です。
会場駐車場の除雪もありました。
施設が通常行っていた除雪では、時間も規模も対応できません。特別に頼まなければなりませんが、あまっている除雪車はどこにもありません。万事休すです。とんでもない技で何とか除雪を行うシステムをつくりましたが、追加の出費です。
そのほかにも、様々ありました。
したがって、
お金が足りなくなります。
全国から集まる高校生や関係者に迷惑をかけないレベルの大会を実施しなければなりません。
お金を補うためには県高体連の繰越金を食うしかありませんでした。
それで、大会はカバーできるのですが、
次の年度初めの事業に支障をきたさないように、つまり、次年度の高校生のスポーツ活動に支障が出ないように、構えなくてはいけません。
それで、マーケティングに踏み切ったわけです。
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私は、こんな高邁な目的を持ったグッズ販売ですから、商品は飛ぶように売れるものだと信じていました。
しかし、一日目は、涙の売り上げ「0円」です。
気がつきました。
高邁な目的をお知らせしていないことに…
参加されている方々から見れば、こうでしょう。
(hirafujiは何のために物売りをしているんだろう。そして、あの金は一体どこへ行くんだろう、怪しい)
ほしくなるようなもの…ではありません。どこにでもあるものにシンボルマークを入れたものです。
ですから、意義を分かってもらわないと買っていただけないのは当然です。
さまざまな催しの幕間に、1分だけ時間をもらうことにしました。
そこで皆さんにお伝えするのは、次の3点。
�@(告知)スケートインターハイがあること
�A(趣氏jなぜグッズをつくって売っているかということ
�B(依頼)全国から来る高校生と、岩手の高校せいのために買ってほしいこと
その後、何とか商品が売れるようになりました。
いくら高邁な理想で行われるものであっても、他の人が知らなければ、そんなもの無いと同じだということを、
痛いほど思い知らされたのでありました。
一昨日の記事で寄付や支援について、こう書きました。
「誰が何をする」ために必要な経費を、それぞれの方が自分の価値判断でお手伝いする…実は、これが「2.0」だと思いますし、
情報が広まるにつれ、皆さんの動きも、「2.0」化しているように、私は、感じます。
それに合わせて、
誰に何をさせるために手伝ってほしい、それにはこういう意義があるのだ、という判断材料をお示ししてゆかなければいけないだろうと考えています。
「エール FOR 日本」は「2.0」対応だと思います。私たちも、きちんと、「2.0」の動きをしなければなりません。
私の人生後半の原点は、タオルの一本も買っていただけなかった、あの日の『行商の空振り』にあるのです。
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自分でも、結構、面白いので、「高校総体模擬商売」のカテゴリーをつくって、
スケートインターハイの時の「マーケティングごっこ」を時々お伝えすることにします。
嬉しい楽しい話も、結構あったんですよ。
乞うご期待!