がんばろう!岩手のスポーツ

岩手スポーツ応援団長を勝手に名乗る平藤淳の個人的なブログです

2つの多様性/タスク型を忘れない

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先週の金曜日・2月4日に研修会に出ていました。
そこで、ハッとしたことを、忘れないように記事にしておきます。

■インテグリティ研修会

その研修会は「スポーツ・インテグリティ推進事業研修会」という、岩手県の市町村スポーツ・体育協会や、県レベルの競技団体を対象としたもので、
令和元年にスポーツ庁がつくった「スポーツ団体ガバナンスコード」に基づき、
▶クリーンでフェアなスポーツの実現のため
 ▶組織マネジメント能力の向上をさせ
  ▶健全な組織運営の取り組みの推進を図る
という目的で開催されたものです。

スポーツガバナンスコードの内容はさまざまありますが、
その一つに「原則2 適切な組織運営を確保するための役員等の体制を整備すべきである。」というものがあり、
その中に「(1) 組織の役員及び評議員の構成等における多様性の確保を図ること。」という項目があります。

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スポーツ庁、スポーツ団体ガバナンスコード <中央競技団体向け>、2019年6月
https://www.mext.go.jp/sports/content/1420887_1.pdf

■2つの多様性

講師の方がなさった、役員構成の「多様性」の説明に、はっとしたことがありました。
忘れないように、ここに書いておきます。

講師の方が投影した資料にこういう記述がありました。

①役員等の多様性
 ・多様な立場や利害の人が入っているか?
  *組織の役割・ミッションの変化に準じているか?
  *完全に第三者を入れているか
 ・2つの多様性
  *デモグラフィー型ダイバーシティ
    …性別、国籍、年齢等目に見える属性
  *タスク型ダイバーシティ
    …能力、経験、知見等目に見えない価値   

令和3年度(公財)岩手県体育協会スポーツ・インテグリティ推進事業研修会(2022/2/4)
研修資料(講師:竹内美奈子=TM Future)より

多様性を「デモグラフィー型」と「タスク型」の2つに分けてあったのです。
いわば、形態と機能。

■デモグラフィー型に偏っている

ガバナンスコードに従って、役員の構成を見直さねば…という気持ちは十分あります。
ただ、
私などは、
「外部理事の目標割合25%以上、女性理事の目標割合40%以上」という、
ガバナンスコードの記述に支配され、
先ほどの「デモグラフィー型(人口統計学的属性型)」の捉え方でクリアしようと考えてしまいます。

しかし
カタチにとらわれてしまっていた私は、
講師の方が示したもう一つのダイバーシティの観点「タスク型」に、
全く考えが及んでいませんでした。
数をそろえればいいだろう…ということだけです。

だれのため、なんのため…を確認すると、
自分の組織の(が叱られない)ために、
ガバナンスコードに数値を適合させること、をしようとしていたのです。

だめですね、これでは。
本当は、
「性別、国籍、年齢等」を多様化させることにより
「能力、経験、知見等目に見えない価値」の多様性をつくり出すこと…
のはずだったのです。

■さらに考えるべきこと

ここで、もう一つ、気がつきました。
「能力、経験、知見等目に見えない価値」の多様性ということです。

これまで
スポーツに関して「能力、経験、知見等目に見えない価値」の高い人が、スポーツ団体の役員になるべきであると、あたりまえのように考えていましたが、
それは、
間違いなのかも知れません。
その考えでは、
均質な人で運営される組織にしかならないと思うからです。

もう一度「タスク型ダイバーシティ」を見てみましょう。
「能力、経験、知見等目に見えない価値」の多様性とあります。
では、
スポーツに関する「能力、経験、知見」はないけど、
ほかの分野のそれらの力を持っている人が入ってこないと、
多様性は出てこない。

やりますよ、やってみましょう!
これを機会に、多様性のある役員構成での組織運営を。

***
モデルは「亀田の柿の種 比率見直し委員会」

【おまけ】
研修会の講師は
竹内美奈子さん(TM Future →[ Link ] 代表取締役日本バスケットボール協会理事、日本車いすバスケットボール連盟副会長)でした。