がんばろう!岩手のスポーツ

岩手スポーツ応援団長を勝手に名乗る平藤淳の個人的なブログです

そのスポーツ活動は誰のため★がんばろう!岩手のスポーツ/児童労働に反対する世界デー

【6/12のnote記事の再掲】 Let's confirm ”Children's Rights in Sports Principles” at "World Day Against Child Labour". 今日・6月12日は国連の「児童労働に反対する世界デー」*1 だそうです。 国連広報センターでは 「今日の児童労働に反対する世界デーを機に、未来を担う子どもたちを守る方法を考えてみませんか?」と呼びかけ 「既に1億5,200万人もの子どもが児童労働を、その7,200万人は危険な労働に携わって」いるという実態を示し、 特に今年は、COVID19のまん延により「脆弱な立場にいる数百万もの子どもたちがあらたに労働を強いられる可能性が」あると心配しています。 「未来を担う子どもたちを守る」という言葉に、ちょっと引っかかったので、スポーツ活動に関して考えてみました。 ■子どもの権利とスポーツの原則 ユニセフ日本ユニセフ協会が、2018年11月に「子どもの権利とスポーツの原則」を発表しました。 ユニセフのサイト *2 には 赤松 良子 日本ユニセフ協会会長のコメントがこうあり
スポーツはすべての子どもの成長を促す大きな力を持っている、スポーツが子どもたちに負の影響を与えるような問題も生じている中、ユニセフは、スポーツが真に子どもの健やかな成長と豊かな人生を支えるものとなることを願って「子どもの権利とスポーツの原則」を作成した
スポーツ庁鈴木大地長官はこういう祝辞を述べたとあります。
今後「子どもの権利とスポーツの原則」に沿った取組が行われることで、すべての子どもが、地域や学校などのあらゆる場面で、安心安全にスポーツを楽しむ、そしてスポーツの価値がすべての子どもたちに行き届くことを期待
もうすこし、がまんして読んでくださいね。 これが終わったら本題に入りますから。 「子どもの権利とスポーツの原則」*3 は4カテゴリー、10項目あります。 ご覧ください。お読みいただいているあなたも、どこかに当てはまると思います。
スポーツ団体とスポーツに関わる教育機関、スポーツ指導者に期待されること ◇  01 子どもの権利の尊重と推進にコミットする  02 スポーツを通じた子どものバランスのとれた成長に配慮する  03 子どもをスポーツに関係したリスクから保護する  04 子どもの健康を守る  05 子どもの権利を守るためのガバナンス体制を整備する  06 子どもに関わるおとなの理解とエンゲージメント(対話)を推進する ◇ スポーツ団体等を支援する企業・組織に期待されること ◇  07 スポーツ団体等への支援の意思決定において子どもの権利を組み込む  08 支援先のスポーツ団体等に対して働きかけを行う ◇ 成人アスリートに期待されること ◇  09 関係者への働きかけと対話を行う ◇ 子どもの保護者に期待されること ◇  10 スポーツを通じた子どもの健全な成長をサメ[トする
■スポーツの再開で気をつけたいこと 新型コロナウイルスの感染拡大防止のために制限がかかっていた、スポーツ活動や運動部活動が再開し始めました。 大会も大きなものが中止なった代わりに、規模を小さくして行われる計画があります。 うれしくて、うれしくて、ついつい勢いづいてしまうのですが、 こんな大切な節目を、 何も考えずに、何も確認せずに通過してしまう手はありません。 一度、これから行おうとしているスポーツ活動は「誰のため」になるのか…ということを、いちいち、確認すべきだと考えます。 高校野球は、中止になった春の全国選抜大会の出場予定校による「2020年甲子園高校野球交流試合(仮称)」が行われるとか、「東北地区高野連が、東北大会を開催する方針である」とか報道 *4 されています。 また、岩手県でも、数競技で、高校総合体育大会の代わりの大会が行われるということを聞いています。 今日は、これらの大会が良い悪いということのお話ではなく、 私たちは時々間違うから、確認したほうがいいねということのご提案です。 ■まとめると 再開にあたっては、大会に限らず、いちいち、 そのスポーツ活動は  ・子どもたちのためなのか  ・大人の満足のためじゃないのか  ・過去の継承のためになっているんじゃないのか  ・横並びになるためにしようとしてるんじゃないのか ということを確認すべきだと考ます。 がんばりますよ、がんばりましょうね!子どもたちのために。 ■でも、平藤はあやしい… 平藤はあやしい、マユツバだ、ホラ吹きだ…と思っていらっしゃる方のために「子どもの権利とスポーツの原則 アセスメントツール」をご紹介します。 ユニセフが作ったもので、こういう説明です。
以下の質問にお答えいただくことで、スポーツ団体や、子どもが参加するスポーツに関わる方々に、 子どもの権利を守るための取り組みの状況を確認していただくことができます。 外部の関係者との対話などにもご活用ください。
詳しくは次のとおりです。 強調は、平藤です。なお、セルフチェックのためのエクセルファイルもついています。
原則1:子どもの権利の尊重と推進にコミットする □子どもが参加するスポーツを実践する際に「子どもの権利」を意識していますか。 □常に子どもの最善の利益を考慮し、目前の試合の勝利にこだわらない長い目で見た指導を行っていますか。 □スポーツとの関わり方、楽しみ方、試合や練習への要望や不快感を含め、子どもが自由に意見を述べることを尊重していますか。 □子どもがスポーツを通して、フェアプレー、チームワーク、他者の尊重等スポーツの基本的価値を学ぶことに配慮していますか。 □子どもの権利尊重のための基本方針を定め(ユニセフ「子どもの権利とスポーツの原則」への賛同や関連団体の宣言・行動規範等の採用を含む)、団体内外に公表していますか。 原則2:スポーツを通じた子どものバランスのとれた成長に配慮する □活動予定を決める際に、学校行事や子どもが家族と過ごす時間等を考慮していますか。 □活動計画を十分な時間的余裕をもって決定し、子どもや保護者に伝えていますか。 □(部活動)スポーツ庁運動部活動ガイドライン」に従った練習日数・時間を設定していますか? □(部活動以外)活動休養日に関するルールを設けていますか。 □子どもたちとスポーツ選手のキャリア等について話をする機会を設けていますか。 □子どもたちと成人アスリートが交流する機会を設けていますか。 原則3:子どもをスポーツに関係したリスクから保護する □子どもに対する暴力行為や暴言等を禁止する明示的な規定を設けていますか(ユニセフ「子どもの権利とスポーツの原則」への賛同や関連団体の定める宣言・行動規範等の採用を含む)。 □事故や怪我が発生したときに、原因の検証を行い再発防止に役立てていますか。 □子どもが適切な指導能力をもつ指導者から指導を受けられるよう努めていますか。 □子どもが安全にスポーツを行うことができる環境の確保に努めていますか。 □子どもが不正行為(勝敗の意図的な操作等)に巻き込まれることがないよう配慮していますか。 原則4:子どもの健康を守る □子どもの年齢や成長に応じた運動強度、頻度、指導に配慮していますか。 □身体の酷使(オーバーユース)防止のために、練習や試合への参加に関する規程を設けていますか(関連団体の定める規定の採用を含む)。 □子どもの健康を守るため、定期的に検診を行っていますか。 □子どもがアスレチックトレーナーや医師、心理カウンセラー等の専門家に容易にアクセスできるようにしていますか。 □子どもに対して、栄養や食事、医薬品やサプリメントの適切な使用等に関する指導や配慮をしていますか。 原則5:子どもの権利を守るためのガバナンス体制を整備する □団体内に子どもの権利の尊重のための担当者をおいていますか。 □団体内で子どもの権利が守られているか、定期的に子どもや保護者へのヒアリング、指導者を交えた話し合い等を行っていますか。 □団体関係者が子どもに対する権利侵害を行った場合、公平で透明性の担保された意思決定に基づいた処分等の適切な対応を行っていますか。 □子どもが、暴力や懸念、身体の不調等に関して相談・報告しやすい仕組みを作り(外部窓口へのアクセスを含む)、子どもに周知していますか。 □子どもが他団体に移籍することを困難にするような制度・慣習はないですか原則6:子どもに関わるおとなの理解とエンゲージメント(対話)を促進する □指導者等の採用において、子どもの権利の尊重という観点も考慮して判断していますか。 □指導者等に対して、子どもの権利の尊重に関する教育・研修の機会を提供していますか。 □団体内で、子どもの権利尊重、そのための指導方針や指導のあり方等について、役職員、保護者、子ども等に定期的に伝え、共有していますか。 □団体内で、子どもの権利尊重、そのための指導方針や指導のあり方等について、保護者や子どもたちが自由に意見を言える機会を設けていますか。 □外部の関係者・団体、成人アスリート等との間で、子どもの権利の尊重、そのための指導方針や指導のあり方等について対話する機会を設けていますか。 ■リンク集 ◆ *1 児童労働に反対する世界デー → ここ  ◆ *2 2018年の「原則」発表のユニセフ記事 →  ここ  ◆ *3 子どもの権利とスポーツの原則 → ここ  ◆ *4 報道 → ここ  ◆ *5 アセスメントツール/子どもの権利とスポーツの原則 → ここ