がんばろう!岩手のスポーツ

岩手スポーツ応援団長を勝手に名乗る平藤淳の個人的なブログです

尊重とフルーツャ塔`

■昨日のFacebook記事の丸写し■

岩手県体育協会の広報誌「体協いわて」2021年3月号(通巻88号)が発行され、サイトにもアップされています。

興味のある方も、ない方も、どうぞ、ご覧ください。

あ、

「理事長あいさつ」のテーマは

『尊重とはフルーツャ塔`』乞うご期待!

ここで見られます↓

https://www.iwate-sports.or.jp/magazine/index.html

***

【追】

サイトに行ってpdf開くの、めんどくせー という声にお応えして、

「理事長あいさつ」の全文をご披露します。

令和2年度は、かつて経験したことのない一年でした。新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、国民体育大会(国体)も40競技会のうちスケートとアイスホッケーの2つの競技会が開催されたのみです。県内外を見ても、多くの大会などが行われませんでした。そして、感染症の影響は、大会のみではなく、日常の活動にもおよんでいることは言うまでもありません。

 競技スポーツ選手の活躍は、多くの方々に喜びや感動を味合わせるとともにスポーツのすそ野の拡大をもたらすものです。しかし、選手の目標であり成果の発揮の場でもある、国体などの大きな大会が開催されないということは、「する人」だけではなく、「みる人」「支える人」「つたえる人」にも、何らかの影響を及ぼしているはずです。この数年間を丁寧に観察し、元に戻すのか新たに何かをするのか、あるいはハイブリットに進めてゆくのかなどを検討する必要があるでしょう。

このような状況下でしたが、国体スケート競技会での岩手県選手団は昨年を上回る好成績を収めました。スピードスケートでは、少年女子の吉田雪乃さん(盛岡工業高校)と成年女子の松澤優花里さん(サンエスコンサルタント)が優勝、ショートトラックでは、成年男子の村柱[恒さん(岩手県体育協会)が3位と3人が上位入賞したうえ、さらに14の種目で8位以内に入りました。

 さまざまな制約がある中、工夫をこらして、あるいは新たな発想で練習に取り組んだ選手はもちろん、指導者や、ご家族、学校の皆さん、会社の方々など周りの方々のご支援によるところが大きいと、感謝しております。

さて、昨年の漢字能力検定協会「今年の漢字」は「密」、ユーキャン流行語大賞は「3密」でした。しかし、私は「尊重」を推したいのです。

 岩手県のアイスホッケー成年男子チームは、東北予選を勝ち進み国体出場権を獲得していました。しかし、緊急事態宣言発令地域が会場地でしたので、選手個人の気持ちや家族・所属先の考えなどから参加しないと決めた選手が、チームの半数ほどになったのです。選手の考えを尊重した県連盟は国体の棄権を申しで、県体育協会も連盟の考え方を尊重し手続きを行ったのです。

 選手や関係者は無念に感じたことでしょうが、チームや組織の考えも、個人の考えもどちらも尊重された結果であると捉えています。チームのために、全体のためにという考え方は大切です。一方で、個人のやりたい気持ちや、したい時期・場所などは、それぞれに異なることも事実です。そして、それらの多くの考え方を尊重することは、とても大切なことです。

日本パラリンピック委員会の現在の委員長である河合純一さんが、数年前に盛岡で行った講演会でのお話を思い出したのです。

 「共生社会」を、人がお互いに持っている良さや魅力を生かしあうこととしたうえで、イメージは「ミックスジュースではなくて、フルーツャ塔`だと言えばわかりやすいでしょうか」と説明しました。さまざまな果物がすりつぶされてまじりあい同じものになるミックスジュースではなく、多くの果実の形が残ったまま一緒になって美味しさを増しているフルーツャ塔`です。

 私たちは、これまで、どちらかというとチームや組織の考え方での運営を優先してきました。ミックスジュース型です。でも、感染拡大下のスポーツをとおして、それぞれの考え方、いわば、持ち味を尊重するフルーツャ塔`型でものごとを進めてゆく力も身につけているのです。

 どちらかに偏らず、尊重をキーワードに、岩手のスポーツを進め続けてゆきたいものです。