▼さあ、準備オーケー。試射も十分。照準もバッチリ。
団扇も飲み物も準備したし…じゃあ、審判に合図して、本番60発と行くかぁ。
(のじぎく兵庫国体 ライフル射撃競技 成年男子 エアライフル伏射60発競技 です)
▼ほれ、ほれ、どうだ。最初の三発は満点。
(10m先の「的」の真ん中にある「白い点」は、直径0.5mm…その点を撃って10点。想像して下さい、10m先の0.5mmの「点」)
【ほぼ実物大の標的。注:10m先に見える大きさではなく、この大きさのものが10m先におかれているのです】
▼でもな、モニターで見ると、3発とも左にずれてるよなぁ。もう少し右に修正するか。
(今大会は電子標的ですので、射手も私たちも、モニターで標的を大きくして見ることができます。)
▼あっ、しまった。外した。9点だ!修正しなおし。
(4発目は、右に大きく外れました。とはいっても、10m先の1mmのレベルですが。)
▼よし。また満点。でもな、まだちょっと右に行ってるなぁ。もう少しなおしておくか。
(確かに5発目は満点でしたが、モニターの5発目をあらわす「5」の数字の左上にある小さな「点」が満点の「点」ですから、まだ右にずれてはいますが。)
▼あっ、今度は左に行き過ぎ…こりゃあまずいな。時間をかけてやり直しだぁ!
(6発目、今度は左に外れました。序盤で2発も外しては、優勝はありません。とは言うものの、さすが歴戦のツワモノ。その後、98点・100点・25発目を外し99点・100点と安定した射撃。これは入賞だなと…)
【最初の6発までのモニター表示:ありゃりゃ、選手名バレバレ】
▼さて、あと20発…。ここで水分を補給して、最後の仕上げだ。
(一度、姿勢を崩し…あ、言い忘れていました。「伏射」は、うつ伏せに寝転がって打つうち方です…膝立ちになり、水分補給です。このまま行けば、入賞だべぇ。頼むよぅ。)
▼さて、あと20発。ここは、また姿勢からつくりなおして、じっくりと。
(まだまだ、時間はあるから…制限時間内に60発撃ち終えなければなりません。なお、となりの選手は遅刻してきて、あわてて撃っています。…じっくりと。この一発が大切よ。たぶん。)
▼よし、行くぞぅ。ありゃ!?
(よし、行けぃ。ありゃ!?)
(41発目、左にはずれ9点。なんだか、この一発が大きいような気が。)
(その後、56発目も外してしまったものの、最後の20発も、99点・99点)
▼だめかな?
(5発かぁ、だめかな?)
私がモニターを見ながら、勝手に選手の気持ちを書いたものです。
きっとこんなことは考えてはいないかとは思いますが、「こんなことを考えているんじゃないか」と考えて観ていたら、すごく、面白く見ることができました。
やっぱり、私の応援していた選手は、1点差で8位入賞を逃してしまいました。
素人の私が、勝手なことを言わせてもらえば、6射目と41射目が…と。
迷いや恐れなどの感情を持つ人間がするものが、スポーツなんだね…と勝手に実感したライフル射撃会場でした。
【追】
優勝者はもちろん満点600点(満射と言うそうです)。でも、日本タイ記録・国体タイ記録だそうです。
今度は、満射をこの目で見たい…