がんばろう!岩手のスポーツ

岩手スポーツ応援団長を勝手に名乗る平藤淳の個人的なブログです

一人でカヌーを漕ぐということ/来年は往復しようね

私にとって、とても素敵な写真です。

海の上を、船外機付きのゴムボートに曳かれてゆく、一人乗りのカヌー。

8月19日土曜日、岩手県障がい者スポーツ協会が行った「マリンスポーツ体験教室」に参加しました。
会場は、岩手県宮古市のリアスハーバー宮古。
NPO法人いわてマリンフィールドと宮古市シーカヤック協会のご協力で、
障がいのある人、ない人、合わせて42名が、ボートクルージングとシーカヤックを楽しんでいます。

冒頭の写真は、シーカヤック体験。
ハーバーから外に出て、700~800m離れた砂浜に上陸し、帰ってくるときの様子です。
カヌーに乗っている人は、電動車いすユーザー。

つまり、
車いすの車輪を自分で回すことができないので、手でジョイスティックのようなコントローラーを動かして、モーターの力で移動している人です。
始まる前は、気がついていたのですが、
カヌーを漕いでるときは、その人のことを、すっかり忘れていました。
1人でカヌーに乗るのが心配な人は、2人乗りが用意されていますから、きっと、2人乗りに乗っているのだろうと思い込んでいたのです。

砂浜に上陸すると、
1人乗りのカヌーが2艇、近づいてきました。
1艇が先に砂浜に到着し、もう1艇の着岸や乗っている人が降りるのを手伝っています。
見れば、
乗っていたのは、顔を真っ赤にして汗だくになった、電動車いすユーザーだったのです。
驚きました。

車いすの車輪を回すことはできないのですが、カヌーのパドル(櫂)で水をかく動作はできるのです。
カヌーだったら、1人で自由に、自分の力だけで、移動できるのです。
陸上ではできないことが、船上ではできます。
とても、楽しいだろうな、ご本人も、介助している人も…と、想像しました。

でも、
このようなことは、1人ではできません。
ご家族だけでも、難しいでしょう。
リアスハーバーの皆さんや、宮古市シーカヤック協会など関係する皆さまの協力を得て、
そして、組織として計画された事業がないと、簡単にはカヌーに乗ることはできません。

休憩で岸に上がった彼は、歩行での移動を手伝ってもらって、堤防の根元のコンクリートに腰を掛けました。
ふうふう言いながらも、満足しているように、私には、見えました。
でも、
帰る力は、無かったのでしょう。
持てる力をすべて発揮して、全力で楽しんで、すっかり疲れ果てて、ボートに曳いてもらって帰る選択を自分でしたと思います。

もう一度、写真を見てください。
(ああ、面白かった、来年も来よう。来年は往復しよう。)
と言っているように見えませんか。

***

こういう機会を皆さんに提供すること…これが組織の使命です。

スキーだって、
体を倒せば曲がることができたり、日常にはないスピードで移動したり、立つだけで滑って移動できたり、
家族みんなで来て、帰りに温泉に入ったり、みんなでご飯を食べたり…

一般社団法人岩手県障がい者スポーツ協会は、
今年も「障がい者スキー交流会」を実施するために、
キャンプファイヤーをプラットフォームにしたクラウドファンディング・
「障がい者スキー交流会2024 私をスキーに連れてって」を始めました。

えっ⁉今年「も」?なんで今年からクラウドファンディングなの?…と思われるでしょう。こういう理由です。
■事業費助成などがなくなった
・3年間の県委託事業が打ち切りとなったこと
・関係団体、企業からの助成がなくなったこと
■事業は継続したい
・事業を止めたら障がいのある人がスキーを楽しめない
・障がいがある人のスキーを指導する指導者の養成ができない(全国の指導者養成の機会にもなっている事業です)
■そして
・クラウドファンディングは、当面、今年度の事業実施のためのものであり、来年度以降の事業継続方法を検討してゆく

■ということで
障がいのある人たちのスポーツ振興や、スポーツで人生を明るく過ごすことについて、興味のある方も、ない方も、どうぞ下のリンクをタップして、どんなことなのかをご覧ください。

camp-fire.jp

どうぞ、よろしくお願いします。

あ、
リンクを開く時間なんてないよ…という人のために、趣旨の要約をつけておきました。

◆ 『障がい者スキー交流会2024』の開催に向けてクラウドファンディングに取り組みます。
◆本事業はこれまで企業協賛や助成金により運営してまいりました。また、昨シーズンまでは県委託事業として実施しましたが、期限付き事業のため、本年度の予算が厳しい状況となりました。
◆障がいのある方々にとってスノースポーツとの出会いは大きなインパクトを与えます。大自然の中での参加者の笑顔は家族やボランティア、インストラクターにとっても大きな喜びです。
◆「厳しい自然の中でこれだけ楽しめるのだから、普段の生活だって思いっきり楽しもう!」スキー事業を通してそんな家族が増えていくシーンを目の当たりにしました。
◆この大切な事業を継続して実施するためには多くの皆さまからの支援が必要です。
◆そして障がいのある方々にスキー指導ができるインストラクターが必要です。(公社)日本プロスキー教師協会では障がい者スキー委員会を組織して障がい者スキー認定教師の養成事業に取り組んでいます。毎年、全国各地から20名以上の認定教師が岩手に集結し、本事業を支えていただいています。
◆認定教師の皆さんには岩手での経験を活かして全国各地のスキー場で活躍いただければと思います。
◆このような取組みを継続することで全国各地のスキー場にて気軽にスノースポーツを楽しめる環境が作られると信じています。どうか皆さまのご支援ご協力をお願い申し上げます。