栃木県日光市で行われた、第77回国民体育大会冬季大会スケート・アイスホッケー競技会も、今日が最終日。
私がひそかに応援していた、神奈川県の少年チームは、3位決定戦で敗れ、第4位。
成績も上位だけれども、行動が信じられないほど素晴らしかったのです。
日光市での宿舎は大きな温泉旅館。
私の部屋は、いわゆる「本館」で、一番古いと思われる建物。
部屋は廊下を挟んで向かい合っています。
私たちが滞在し始めてから、二日ぐらいたったでしょうか、夜、風呂に行こうと部屋を出ると、廊下の半分はこんな様子。
アイスホッケーの防具やスティックが、選手の分、30個近くずらりと廊下に並んでいます。
(ああ、ホッケーの選手が泊まるんだな。
大変な荷物だな。
部屋の前には神奈川県選手団と書いていたな。)
でも、
不思議なのです。
夕食から帰ってきたときには、この荷物はなかったのです。
それから風呂に行くまで、ずっと、部屋にいました。
でも、
(だれか、来たようだな)という気配は感じましたが、
こんな荷物をたくさんもったホッケーの選手が来たとは、気づかなかったのです。
高校生たちが、音もなくやってきたのです。
とても、静かなのです。
朝あったりすると、挨拶をしてくれる、スッキリとした人たちでした。
木曜日の朝だったでしょうか、
まだ暗いうちに、部屋の外で、コロコロ、コロコロと音がするのです。
建物の外からも聞こえてきます。
でも、音はそれだけです。
調べると、
その日は一回戦が8時半から行われていました。
そのために出かけたのでしょう。
果たして、
朝食に行こうと部屋を出ると、荷物は一つもありません。
あれほどの人数が、あれほどの荷物を、ひとことも会話をせずに運んで出てゆく…信じられないのです。
ふつうは、まだ寝ている時間でした。
同じ宿に泊まっている人の迷惑にならないように気を配って行動しているに違いありません。
忍者のようです。
一気にファンになり、試合記録を見ながら、
(彼らなら、優勝するに違いない。
いや、してほしい!)と
でも、心の中だけで応援していました。
いろいろと言われている「部活動」ですが、
部活動の価値は、このようなところにもあると私は考えています。
私は、部活動改革は「したいことができる部活動」をテーマにしなければいけないと考えています。
詳しくは、下の画像をタップして、私のブログ記事をお読みいただきたいのですが、
どうも最近、
『「地域移行」すればよい、しなければならない』という観点でしか語られなくなってきているように感じていて、不安です。
本来、
生徒全員が学校の部活動に参加し、全教員が指導する…という形態のひずみを解消しようとするものなのですが、
今度は、
生徒全員が地域の活動に参加し、教員は土日は指導しない…という画一的な形態になりはなしいか、と心配なのです。
これでは、
したいことができない人が、また、出てきて、
困る人を替える…だけになりそうで不安です。
あ、すっかり脱線してしまいました。
アイスホッケー少年神奈川チームは、素敵な行動ができる高校生を育てていました。
そして、
「誰のため、何のため」の確認をおろそかにしがちな私に、警告を与えてくれたように感じています。
私にとって、実りあるスケート・アイスホッケー国体でした。
さあ、
がんばりますよ、がんばりましょうね!