がんばろう!岩手のスポーツ

岩手スポーツ応援団長を勝手に名乗る平藤淳の個人的なブログです

103年前とくらべること

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アメリカ大リーグ(MLB)、ロサンゼルス・エンゼルスの、
大谷翔平さん/花巻東高校(岩手県花巻市)卒、岩手県奥州市出身/の大活躍が話題になっています。
「ホームラン王で、二けた勝利投手」というベーブ・ルースの記録に、103年ぶりに並ぶが期待されましたが、残念ながら達成できませんでした。
でも、大活躍は、多くのスポーツファンの称賛をあびています。
このことに関して、分からないことがあったので、調べてみました。
そして、考えてみました。

ベーブ・ルースの記録って

そもそも、ベーブ・ルースは、ホームラン何本で何勝したの…わかりませんでした。
調べると、
103年前の1918年は、
ホームラン11本でホームラン王に、投手としての勝利数は13勝でした。
MLBのサイトから→ ここ 

もっと多いような気がしていましたが、意外に少ない。
ちなみに、
ベーブ・ルースのシーズン最多ホームランは60本(1927年)、シーズン最多勝は24勝(1917年)
なお、
今シーズンの大谷選手は、ホームラン46本、勝利数9勝で、いずれも2018年からの大リーグでは自己最多です。
大谷選手も、ベーブ・ルースも偉大な「二刀流」です。

ホームラン11本は少なすぎないか

ベーブ・ルースの「11本でホームラン王」に、違和感を持ちました。
今年のMLBレギュラーシーズンのホームラン王は、48本打っています。
こういう時は、前後を調べるに限るのです。
せっかくだから…と、投手の最多勝も調べ、グラフにしてみるとこんな風になりました。

びっくりしました。
1918年までは、ホームラン王は10本から20本のレベル、その後、40本から50本のレベルに急増しているのです。

いったい、何があったのか…

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デッドボール時代

ボールが違っていたのです。
1919年まで「飛ばないボール」が使われていたということでした。

デッドボール時代(デッドボールじだい、The dead-ball era)とは、メジャーリーグベースボールの1900年前後から1919年までをさす野球用語である。「デッドボール」とは当時使われていた「飛ばないボール」のことを指す(死球を「デッドボール」と呼ぶのは和製英語)。
Wikipediaから→  ここ 

新しいボールになってから(ライブボール時代、というそうです)、ホームランの数が激増しているのは、グラフからみて取れます。
なお、
1919年のデッドボール時代最後の年のホームラン王は、ベーブ・ルースで29本。
1920年のライブボール時代最初の年も、ベーブ・ルースで54本 でした。

また、球場も昔は大きかったという話もあり、
背景の違う「数値」で比べることは妥当なのだろうか…と思ってしまいます。

ついでだから投手についても

グラフを見れば、最多勝投手の勝利数も少しずつ下がっているように見えます。
これは、投手の使い方によるものではないかと、妄想しました。
一人の投手の「先発完投」から、複数投手の役割分担になったことに関係するだろうと感じたのです。
一試合当たりの投手の数が増えれば、勝ち投手は分散するだろうという素人考えです。
確証はありません。

なんとなく、最も多く完投した投手の完投数を調べると、
1918年の最多完投数は、30。(1916~20の5年平均は、33.2)
2021年は、3。(2017~21の5年平均は、3.0)
最多勝利数との関係はわかりませんが、完投数からみれば、投手の使い方が大きく変わってきたことは確かです。

やっぱり、背景が違うような気がします。

制度や背景の変化を考慮したい

そもそも、野球の記録は相対的なものです。
相手と自分関係で作られたものを、陸上競技や水泳の記録のように絶対的なものとして比べるべきものではないように、私は思います。
あ、
ベーブ・ルース大谷翔平選手のすばらしさを否定しているではありません。
ベーブ・ルースがその時代のスターだったように、大谷選手もこれからのスターになるだろうし、そうなってほしいと応援しています。

でも、
過去と比べる評価方法が評価の中心となっては、何かを間違うような気がしてならないのです。
気をつけたい。

ついでに分かったこと

MLBの試合数が、前後の年に比べて下がっている年があります。
原因は次のとおりのようです。
・1918年(1247→1016→1118)
  第1次世界大戦参戦
  (スペイン風邪という説もあり)
・1981年(2105→1394→2107) 
  選手会ストライキ 
・1994年(2269→1600→2017) 
  選手会ストライキ
・2020年(2429→ 898→2429) 
  新型感染症

おやっ…と思って調べると
第1次世界大戦(1914~1918)の間は
 英国オックスフォード大とケンブリッジ大のラグビー試合(The Varsity Match)が全く行われていませんし、
 1916年のオリンピックは中止になりました。
第2次世界大戦(1939~1945)の間は
 The Varsity Matchは、1945年には行われたようですが、その他の年は行われていません。
 また、オリンピックは、1940年と1944年の2大会が中止です。

戦争にほとんど影響されず、アメリカのプロ野球は行われていました。
アメリカって、MLBって、すごいですね。
でも、
感染症は、戦争よりも大きな影響力を持っているようです。

【備忘/本文とは関係ありません】

最近知って驚いているのが、伝統という価値観がつい最近のものということ。ずっと新しいものがいいことだった。大量消費社会になって、新しいものが比較的ありふれるようになり伝統がうまれた。
伝統的と言ってる人たちが守ってるものは、意外と数十年の価値観だったりする。
佐渡島庸平さんのtwitter ここ