ずっと前、
私が、まだ30代だった頃、
上司から、このように教えられました。
『補助金の目的は二つある。
一つは、「かかり増し経費の補填」
もう一つは、「あらたな事業への誘導」
今、君が持ってきたこの企画は
いったいどちらなの?』
ものごとをはっきりと分けて考えないと
事業目的がはっきりとしなくなり
アウトプットは見られるものの
アウトカムが期待できないことになってしまう…
ということで、私の提案した事業は、あえなく「没」でした。
***
ラグビートップイーストリーグに所属し
トップリーグを狙って活動している
2001年に
日本選手権7連覇の偉業を達成した「新日鐵釜石ラグビー部」の流れをくみ、
地域に根ざしたクラブチームとして誕生したチームです。
私もそのサメ[ターになっていますので、
さまざまなニュースが手元に届きます。
この前、
「SWタイムズ」という広報誌が届きました。
その中に、
サメ[ターに関する統計がグラフになって載っていました。
(おやっ!?)
***
4月中旬に、
お亡くなりなった方、
大切なもの・大切なことを失ってしまわれた方、
今なお、思うように行かない生活を送られている方、
など
たくさんの方々に被害が及びました。
心から見舞いもうしあげます。
スポーツ界も
お金や物や行動などのさまざまな支援をしていて、
頼もしい限りです。
でも、
スポーツ界も
その時には、
もっともっと、考えてなにかをした、ような気がしています。
(この非常時に、
スポーツなんかをしてもいいのだろうか、
復旧・復興のために、
自分たちにできることはなんだろうか…)
うんと考えて、意見を交わして、
することやしないことを決めたような記憶があります。
私の感覚なので
間違っているかもしれませんが、
今回は、
その「考える」ということが省略され、
5年前を「前例」として行動が選択されているようないがしてならないのです。
少しだけ、不安です。
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シーウェイブスのサメ[ターの数は
東日本大震災の年・2011年に、大きく増えました。
震災復興の意味合いが大きかったのでしょう。
ありがたいことです。
でも
次の年から、元に戻っています。
これは
補助金の考え方で言えば
「かかり増し経費の補填」でしょう。
今回のスポーツ界の支援も
このような傾向を持つような気がします。
時が時ですから、
先につながる
「あらたな事業への誘導」を検討することは難しいことだと、重々、承知しておりますが、
折れ線グラフが
次の年に、元に戻らないようにすることも
考える必要があります。
「かかり増し経費の補填」という
急な支援をすることは、
とても大切なことで、
それをなさってる方々を尊敬しておりますが、
一方に
あらたな事業を考える人、
も居なくてはなりません。
考えることを省略してはいけないはずです。