がんばろう!岩手のスポーツ

岩手スポーツ応援団長を勝手に名乗る平藤淳の個人的なブログです

終わりの始まり

岩手県不来方(こずかた)高校は、今日が終業式でした。

終業式といえば「校長講話」

こんなことを話しました。

キーフレーズは二つ。

「なにかに気づいて なにかを行う」と「終わりの始まり」

*****

今学期も終わりを迎えました。今年も、もうすぐ終わろうとしています。

2学期は、さまざまな場面で皆さんの活躍を見ることができました。

先ほど報告のあった、音楽部、ホッケー部、吹奏楽部、水泳部はもちろんですが、

岩手県代表選手として国民体育大会や日韓中ジュニア交流競技会に出場したり

日本代表選手としてハンドボールのアジアジュニア選手権に出場したり

高校美術展で過去最高の入賞数を数えたり

翔鶴祭ではクラスが一体となってさまざまなことを成し遂げたり、

授業で取り組んだ

英語ディベートやNIEで活躍したり

また、

町内、町外のボランティア活動をして、多くの方々に感謝されたりしています。

さまざまな活動を、

ありがとうございます。

何度か皆さんに言ったことがあるのですが、

学校の近所に住んでいる人が、

「朝、犬の散歩をしていると、不来方高校生は必ず、おはようございます、と挨拶をしてくれる。

 とてもいい学校だ」と評価してくださったことを例に出して

不来方高校」とは

場所でもなく、校舎でもなく、制服でもなく、生徒の皆さんの活動のことなのだ、と言いました。

今学期の多くの場面での活躍は、不来方高校の評価を、一層、高めたことは言うまでもありません。

ありがとうございます。

でも、今学期、最も印象に残っているのは、

昨日の朝の、2年生を中心とする生徒のみなさんの、駐車場の雪かきです。

朝練習などの用事があって早く来ているはずなのに、それをなげうって、

誰に頼まれたわけでもないのに、

後から来る人たちのために雪かきをしている姿には、すばらしいものがありました。

本当にありがとうございました。

このことを

フェイスブックにアップしたところ、

昨日、今日で120を超える「いいね」をもらっているほど、多くの方々が高く評価してくださっています。

このような「校風」「風土」が育っている不来方高校は、本当にすばらしい学校です。

ますます、よい学校になるように、

「なにかに気づいて、なにかを行う」

具体的には、

ほとんどの人が気づかないような事柄に気がついて、

そのことを後押ししたり、不都合をなくしてあげるために行動すること…です。

「なにかに気づいて、なにかを行う」ことを、し続けてください。

これは

学校のためだけではありません。個人個人の力がどんどん伸びてゆくことにもなります。

よろしくお願いします。

***

さて、

あと3ヵ月ほど経つと、

高校生活を終わる日、高校2年生を終わる日、高校1年生を終わる日がやってきます。

皆さんも聞いたことがあると思いますが、

「終わりよければ すべてよし」という言葉があります。

シェイクスピアが書いた「All's well that ends well.」という戯曲、演劇の台本、の題名を、日本語に訳したものだそうですが、

物事は最終の結末がもっとも大事であり、途中の過程は問題にならないということ。

多少のミスがあったとしても、結果がよければ高く評価されるということ。

などという意味の使われ方をしています。

でも、そうではなくて、

途中で、どんなでたらめなことをしたとしても、

あるいは、するべきことをしなかったとしても、

最後に帳尻を合わせれば良いのだよ…という、言い訳の言葉として使われていることもあります。

最後の瞬間さえ「きっちり」できれば、すべては許されるんだ、これは、楽勝だ…というふうに。

私は、そういうものではない、と考えています。

私は

「終わり」はなにかが出来上がった瞬間ではなく、一連の流れの「最後」だと思っています。

ャ`ンと打たれた「点」ではなくて、ずっと伸びて来た「線の端っこ」です。

この前、高校美術展を見に行きました。

どれもこれも力作。とても巣晴らしかったです。

他の学校の生徒が何人かで、一緒に、ある絵を見ていました。

たぶん、その絵の作者でしょう、一人の女子生徒が

「時間がなかったのさぁ〜、もう少し描きたかったんだけれども、締め切りが来てこれで出したのさ〜ぁ〜」

といっているのが聞こえてきました。

とても素敵な絵で、私なんかは感動してみていたのですが、

その絵は、残念ながら「終わって」いなかったらしいのです。

さっき、終わりは「点」ではなくて「線の端っこ」だろう、といいましたが、

この絵には

作品を出したという「点」の出来事はあったのでしょうが、「線の端っこ」までは行っていないのです。

「線の途中」です。

こんなにすばらしい絵の、さらに先にある本当の「終わり」を見たいなぁ…と感じました。

もう一度いいますが、

あと3ヵ月ほど経つと、

高校生活を終わる日、高校2年生を終わる日、高校1年生を終わる日がやってきます。

「終わる日」は、

卒業式や終業式の日、ただ一日をさすものではなく、これからの3ヶ月の端っこにある日です。

「終わり」をよくするためには、やっぱり、時間や準備が必要なのです。

今日を、今この瞬間を、「終わりの始まり」にして、

この冬休みを、そして、今年度最後の25%にあたる3ヶ月を、有意義に過ごしてください。

「終わりの始まり」です。やってみましょう。

終業式にあたり、

「なにかに気づいて、なにかを行う」

そして

「終わりの始まり」

の二つのことを話しました。

このことを頭の隅っこにおいて、冬休みを過ごし、元気に三学期を迎えましょう。

*****

がんばりますよ。がんばりましょうね!