国民体育大会の東北ブロック予選も終わりました。
新聞報道を見ていると、
去年よりは良い感じの成績、という、肌感覚があります。
今後の分析を待ちましょう。
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さて、
競技スポーツイベントが終わると、その成績が公表され、
それに基づいて、「躍進」とか「停滞」とかの評価がなされます。
今月20日に幕を閉じた
全国高等学校総合体育大会(インターハイ)に関しても、
「県勢躍進、メダル19入賞42 インターハイ総評」という見出しを振った、
こういう記事が載っていました。
県勢の入賞(8位内)は13競技42で、昨年(16競技39)から三つ伸ばしただけでなく、3位以上の「メダル数」でも前回13を上回る19を獲得した。優勝競技数3も1999年の岩手インターハイ(5競技)以来の大躍進。同一競技での複数入賞、2年生の活躍なども目立った大会だった。おまけに(記事は、この下線部をクリックすると読めます。リンク切れ用心のpdfは、この下線部)
「不来方勢が挑んだカヌーも6種目で賞状を手にし、女子学校対抗でも3位に入った。着実に全国トップクラスの競技力をつけていることを示した。」
とまで書いていただいて、
3月まで、岩手県の選手強化事業を担当していて、
今、不来方高校に勤務している私は、このうえなく嬉しいのであります。
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ということで
インターハイの入賞数をご覧いただきます。
競技によっては、6位が入賞、などということもありますので、私は、個人的に、8位以内を「入賞」と決めています。
左側が2014年、右側が2012年から14年までの3年間の累計です。
冬の競技も「暦年」で入れています。「年度」ではないのでご注意ください。
入賞数の「ベスト5」は
単年では、
陸上競技、ウエイトリフティング、カヌー、ヨット、水泳(競泳)ですし、
3年累積では、
最後の水泳(競泳)と自転車が入れ替わります。
これらの競技は、
力を蓄え、入賞数で設定される「大会の目標」や、その後の評価に大きく貢献しています。
頑張っていただいて、ありがとうございます。
でも、
累積入賞「16」の陸上競技は、
累積入賞「5」のホッケーや登山の3倍強いか、というと、そうとは言い切れませんよね。
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今年のインターハイの「競技ごとの入賞数」を拾ってみました。
先ほどの「入賞数ベスト5」のうち、
陸上競技は、
順位が出る「種目」や「学校対抗」で、男女合計すると44のカテゴリーがありました。
44×8位ですので、352枚の賞状が出ると考えてください。
同様に計算すると、
ウエイトリフティングは224枚
カヌーは、160枚
ヨットは、32枚
水泳(競泳)は、264枚、
自転車が、104枚 でした。
そのうち、岩手県選手がもらった賞状の数の割合を調べると、こんな具合になりました。
「ホッケー」と「登山」に注目してください。
どちらも、賞状の数は、男子×8+女子×8の合計16枚しかありません。
開催年を除いて、県から1チームしか出られませんので、
賞状はどんなに頑張っても、男女合計2枚しかとれません。
素晴らしいと思いませんか、この成績。
複数校が出るとはいえ、ヨットも凄いですよね。
高校生の努力の成果に軽重はありません。
自分が取り組んでいる競技で頑張って、賞状をいただくことは、とても素晴らしいことで、
心から賞賛するものです。
でも、
統計をとるとこういう結果が出てくるのは事実です。
良い悪いではなくて、統計上の
「入賞率ベスト5」は
単年では
ヨット、ホッケー、登山、そして、なぎなた、カヌー
3年累計になると
なぎなたの代わりに、ウエイトリフティングが入ってきます。
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お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、
これまでの二つの表には、20の競技(種目)しか載っていません。
全国高等学校体育連盟の「加盟登録状況」という表には、36の競技が載っています。
これまで出てきていない、残りの16競技は、この3年間のインターハイでの入賞がないのです。
入賞できない競技は何をやっているの? とお考えになる方もいらっしゃるでしょうね。
先ほどの表に、登録人数の欄を加えてみました。
いかがでしょうか、
登録者がたくさんいる、
つまり、たくさんの人がその競技に親しんでいる、
具体的には
ホッケーの20倍以上も人がいる競技が三つもあります。
すばらしい!
去年の「登録人数ベスト5」は
バスケットボール、サッカー、ソフトテニス、バレーボール、陸上競技、です。
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ながながと、お付き合いいただいて、ありがとうございました。
何をいいたいかというと、
どんな競技にも課題はある
そして、
その課題を克服している競技が岩手県内には、ある。
だったら、
そこに勉強にゆくべきじゃあないの…という程のことを申し上げたいのです。
数で示される
「入賞数」「入賞率」「登録人数」を並べてみても、競技の特徴が見てとれます。
他にも、
スポーツの世界には、
数字で表すことに適していないような事柄もあるかもしれません。
それも含めて、
他の競技に教えを請うことが、必要なんだろうと考えます。
さて、
あなたは、
自分の弱点を得意分野として活躍している「ベスト5」を把握していて、
そこに
アドバイスを求めようと思ったことはあるでしょうか。
「ベスト5」は、案外、身近にいるような気がしますね。