がんばろう!岩手のスポーツ

岩手スポーツ応援団長を勝手に名乗る平藤淳の個人的なブログです

IOCとFILA

岩手県盛岡市菜園一丁目の花屋さん「time flow」の今朝の店頭です。
こう書いてあります。
「フラワーバレンタイン、はじめます。」 日本におけるバレンタインデーは、「女性から男性へチョコレートで愛を伝える日」とされ、久しいですが、世界におけるバレンタインデーは「男女がお互いに愛や感謝の気持ちを伝えあう日」なのです。 男性から女性へ…ちょっと勇気をだして、愛する人のために選んだ花を贈ってみませんか?
もしも、私が花屋さんだったら、 「バレンタインデー」には「花の形のチョコレート」を「女性」に売ろうと考えるでしょう。 この花屋さんは、 「バレンタインデー」に「本ものの花」を「男性」に買ってもらう提案をしています。 すごい発想です。 おそるべし!と感じた朝です。 ********** ここ数日、 レスリングが2020年のオリンピックでは実施されないかもしれない…という報道でもちきりです。 時事ドットコムにはこんな記事も載っていました。
レスリング継続働き鰍ッる=官房長官 菅義偉官房長官は13日午前の記者会見で、国際オリンピック委員会(IOC)の決定で、2020年夏季五輪の競技からレスリングが除外される可能性が強まっていることについて「レスリングは日本のお家撃ナなじみが深く、世界最古のスポーツとも言われる。9月のIOC総会で(実施競技として)引き続き残れるよう日本としても働き鰍ッたい」と述べた。
他の報道を見てまとめると、日本人の大方のご意見はこんな感じなんだろうなと思われます。  ■レスリングは世界最古のスポーツともいわれているほどの歴史と伝統を持つもの  ■しかも、日本人はメダルをたくさん獲得しており、人気の高い競技である  ■オリンピックの中核競技から除外するとは国際オリンピック委員会(IOC)はけしからん  ■IOCに2020年の実施を働きかけようではないか そして、毎日新聞にあるように、  ■商業主義  ■ヨーロッパ人中心のIOC理事  ■ロビー活動 が、中核競技から除外になったファクターのではないか…という論調もあります。 ***** そうだ、そうだ、ふざけるなIOC! と考えたくなるのですが、ここで、ちょっと待った…でしょう。 考えることを省略してはいけません。 特に、みんなが言っていることが正しいと思い込んでしまうことを得意技にしている私などは…。 ***** 国際オリンピック委員会は、どうやって実施競技から除外する競技を決めているのかということについては、 NHKがこのように報じています。
国際オリンピック委員会のマーク・アダムス広報部長は、レスリングが中核競技から外れた理由について、「人気、国際性、男女の選手の比率などを考慮して、理事会で協議した結果、最終的に投票で決まった」と話しました。
(人気、国際性、男女の選手の比率…?) ***** しかし、今朝(2012年2月14日)の岩手日報スポーツ欄に、「改革遅れ努力も欠如」と題したコラムがありました。
<略> 伝統競技を五輪除外の危機に陥れる衝撃的な決定の背景には、統括団体の国際レスリング連盟(FILA)の組織改革の遅れや五輪存続への努力の欠如があった。 <略> ロゲ会長は01年の就任依頼、大会活性化のため競技の入れ替えを推進した。02年の総会では、五輪開催の4年ごとに全競技を見直すことを決めた。今回もロンドン五輪の状況を精査し、各IFを調査した。 ウン副会長は「FILAは多くの項目でIOCの質問に答えられなかった」と説明した。AP通信が報じたIOCの評価報告で、ロンドン五輪での人気度は10段階の5に満たなかったほか、意思決定機関に選手代表が入っておらず、女性委員会がないなど組織体制の立ち遅れが指摘された。 <略>
(なるほど、  選手や女性の意見を反映する仕組みを持たない組織運営はオリンピズムに反する…  ということなんだな) ***** ということは、こう考えなければならないのでしょう。  ■レスリングは世界最古のスポーツともいわれているほどの歴史と伝統を持つもの  ■しかも、日本人はメダルをたくさん獲得しており、人気の高い競技である  ■しかし、FILAは時代の要請や、世界のスポーツの流れに沿った改革をしてこなかった  ■その結果、オリンピックの中核競技から除外されてしまった  ■FILAに、女性や選手の意見を組み入れた組織運営をするように働きかけようではないか 働きかける相手が正反対になりました。 ********** どう、お考えになりますか? 私は、 日本のおおかたの人には叱られるかもしれませんが、IOCの人たちは、すごい人達だ…と考えました。 1896年の近代オリンピック第1回アテネ大会から実施されていて、第2回パリ大会では行われなかったものの、 1904年から2016年までの112年もの間、何の疑いもなく実施されていた競技を「検討」したわけです。 そして、 「人気、国際性、男女の選手の比率、競技団体の意思決定システム」などを考慮して「中核競技からの除外」を決めたのです。 100年ものを見直す… 私は、「続いているものは正しいから続いているのだろう」という基準でものごとを判断する時があります。 思考を省略して判断してしまうのです。 気をつけようと思います。