「がんばろう!岩手のスポーツ」提供『岩手スポーツ検定』(番外編)
【問題】
「スパキタ」という赤いノボリ旗が
秋田市八橋(やばせ)に立っているのだそうです。
いったい、何を宣伝しているノボリ旗でしょうか?
【ヒント】
難し過ぎるので三択にします。
�@八橋の運動公園内にできた温泉のノボリ
…温泉の「スパ」、駅の「北」に位置することから「スパ北」
�A「スパキ」の愛称で九州を中心に親しまれているディスカウントストア
「スーパー・キッド」が秋田に出店
…「スパキ」が「来た」から併せて「スパキタ」
�B「スポーツ」と「アキタ」をくっつけて「スパキタ」
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(社)岩手
経済同友会の第455回例会が9月中旬に行われ、
東京大学社会学研究所教授の
玄田有史さんが、
「希望のチカラ」と題してご講演をなさったという話を、以前、
このブログで書いています。
「発すれば戻ってくる」という「情報回転の法則」に則ったのでしょうか、そのご講演の内容を記した、A4版4枚・縦書き4段組みの体裁の、たぶん会報の原稿となると思えるものが手に入りました。
とても気になる部分がありましたので、ご無礼は承知のうえで、前と後ろと途中を略して、引用します。ちょっと長いのですが、読んでみて下さい。
どういう人とのつながりが大事なんだろうか。社会学の概念でこういう言葉があります。「Weak Ties」ウィークタイズ。ウィークは弱いという意味です。タイズはネクタイのタイで、つながりとか、むすびとか、もう少し格好いい言葉でいえば絆ということです。緩やかな絆、これをウィークタイズと言います。
これはアメリカの社会学者、マーク・S・グラノベッターさんという人が発見した考え方なんですが、たとえばアメリカ社会で転職をしたいというとき、どうしたらうまくいくのか。資格がある、学歴があるといいのか。そんなことはない。大事なことは、誰に相談したか。(…略…)うまくいくのは、たま〜にしか会わないぐらいの信頼でつながっているような人の話を聞いて、ああこれが自分のやりたいことなんだと。それをきっかけにして新しいことに挑戦する人ほどうまくいくんだ、これがグラノベッターさんの考えです。
なぜ弱いのにうまくいくのか。たまにしか会わない人、つまり自分と違う経験をしているわけです。自分の知らないことを知っている。自分と違う失敗もしている。自分の身の回りの人たちと一緒にいると、自分と同じようなことしかわからない。自分と違う世界にいる人とゆる〜くつながる。しかしちゃんと信頼して話ができる。そうすると、ああこういう世界があるのかとか、こういうことを考えればいいのか、やってみよう。そういうことが成功につながる。
ウィークタイズの反対は「Strong Ties」ストロングタイズ、強い絆。強い絆ってどういうものか。家族、恋人同士、いつも連絡を取り合う友人。ではストロングタイズは悪いか。もちろんそんなことはない。とても大事です。けれど、可能性とかヒントとか、こういうことをやってみたいという希望はウィークタイズがやってくれることが多い。
これからの岩手もそうですが、この苦しい状況から立ち直っていくときには、たぶんこの2つのことが重要になってきます。これまで保ってきた強い絆、地域のつながり、家族のつながり、これを大事にしてゆくことがとても大事です。これがないと安心感がないですから本当に苦しくなります。そして、もう1つはウィークタイズ、地域を越えて今まで付き合ったことのない人とも付き合って、その中で、ああこういう可能性があるのかということを広げていくこと。
ウィークタイズは、最初はしんどいです。だって自分と違うんですから、何を喋っていいかわからない、何を言っているのか分からない。だんだん年をとるとしんどくなります。ストロングタイズのほうだけが楽だというようになります。けれども、ウィークタイズは、もしかするとある日突然、気付きがあってそこからヒントが生まれてきたりする。ストロングタイズとウィークタイズの両方、これをどれだけ岩手の地に広めていくかがこれからの復興とか未来にはとても重要で、安心と希望を両方持つためにもこの2つを持つことが大切だと思うんです。
考えてみれば、一昔前のスポーツ界は
「この道、一筋、何十年」とか「やったものでなければ分からない」とか「血の汗流せ、涙をふくな」などという考えの人たちで集団をつくる、ストロングタイズの典型のような感じがありました。
それはそれでよくて、さらに、その役割を期待されている面もあるのですが、
千年に一度と呼ばれる大災害からのスポーツ界の復旧・復興には、玄田さんがおっしゃるように、ウィークタイズの考え方をひろげ「たくさんの可能性」を探って行かなければならないと確信しています。
確かに、
今の人たちで、これまでと同じようなことを、検証もせずに、期限を区切らずに行い続けることはとても「楽ちん」なことです。
ただし成果はあがらないだろうと私は考えます。
もう一度、引用しますので、もう一度、読んでみてください。
ウィークタイズは、最初はしんどいです。だって自分と違うんですから、何を喋っていいかわからない、何を言っているのか分からない。だんだん年をとるとしんどくなります。ストロングタイズのほうだけが楽だというようになります。けれども、ウィークタイズは、もしかするとある日突然、気付きがあってそこからヒントが生まれてきたりする。
「しんどい」らしいのですが頑張ります、頑張りましょうね。
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クイズの答えは�B(当然、�@と�Aは真っ赤な嘘です)
県体育協会によると、「スパキタ」は県の「スポーツ立県あきた」宣言を応援、推進する宣伝文句。「スポーツ」と「秋田」を縮めてくっつけたという。
(さきがけ on The Webの記事。そのpdf)
「スポーツ」と「アキタ」だったら、「ス『パ』キタ」じゃなくて「ス『メxキタ」だろうが…と思ったんです。
私の頭は「日本語」が支配しているんです。
日本語と私は「ストロングタイズ」の関係にあるのです。
秋田の人は英語と「ウィークタイズ」の関係を結んだようです。
「スポーツ」と「アキタ」ではなく「Sports」と「Akita」の発想に立っているようです。
「Sports」=uorts」+「Akita」=「Spakita」、
さらに、今、流行りの「母音抜き」にビックリマークをつけて
「SPAKT!」
ちなみに
今年の
国民体育大会の男女総合成績は、
岩手が、昨年・33位から、今年・41位に順位を下げていますが、秋田は28位から19位と躍進し、東北トップの座を宮城(19位から20位に下げました)から奪い取りました。
なにか、私たちとは違う発想をお持ちのようです。
(ウィークタイズ、ストロングタイズのお話はこの本でも読めますよ→)