今日、回ってきた書類の中に東北総合体育大会に関するものがありました。じっくりと見ているうちに、「悔やみ」が湧き上がってきました。
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今年、宮城県を主会場とし、8月26日〜28日を主会期として行われる
平成23年度国民体育大会東北ブロック大会兼第38回東北総合体育大会は、
東日本大震災津波の影響により、会期や会場地を変更してこの一覧表のとおり開催されます。
具体的には、実施予定の38競技のうち
宮城県単独開催:19競技、宮城県と他県での複数県開催:2競技、他県での単独開催:12競技、
そして、
国体の東北ブロック予選とならない5競技については、今年は実施されないことになっています。
実施される競技であっても、
今年の山口国体に東北ブロックから6チームが参加できる種別、つまり全県参加種別、
たとえば、バスケットボール少年女子、ソフトテニス成年男子などの種別は実施されません。
さらに、
国体と関係なく東北総体独自で実施している種別、
たとえば、テニスのベテラン、バドミントンの40歳以上などの種別も実施されません。
つまり、災害の関係で「会場地変更」と「規模縮小」が行われるのです。
これほどの災害ですから、予定どおり宮城県でやれというのは酷ですし、不可能です。
やむを得ません。
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10番ャCント「牛の頭」を左折し、上りが始まる橋のたもとで、
男子の第2集団の中に混じって、集団において行かれまい…と、立ち漕ぎをする赤いヘルメットキャップの二人の選手が思い起こされました。
29日の県高校総体自転車競技ロードレースでの、紫波総合高校の自転車競技部の女子選手です。
二人とも3年生。私が紫波総合高校に勤めていた時の1年生です。
(ああ、あの子たちは、6月で終わってしまうのか…)
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自転車競技は国体の出場権が「東北ブロック枠」ではなく「都道府県枠」です。
したがって、
今年の東北総体では「実施しない競技」となりました。
東北総体では女子の種目があるものの、国体では女子の種目はありません。
インターハイにも女子の種目はありません。
これまで、彼女たちの最後のレースは「東北総体」だったのです。
東北総体が行われない今年は、6月の東北高校選手権が最後の大会になります。
(ああ、あの子たちの、最後のレースを奪ってしまった…)
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調べると、国体では実施されないものの東北総体を行っている高校生対象の種別は、
自転車女子のほかにも新体操男子がありました。
東北総体の実施形態の方針が固められる時には、なんの違和感もなく、
つまり、
高校生の最後の競技会を奪うことになるということには頭が回りませんでした。
「規模縮小」というものは、こういうことを引き起こすんだな…と、想像力が欠如していた私にガッカリするとともに、大きく悔やんでいます。
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◇「誰のため、何のため」ですよね…。
◆えっ!?
◇東北総体の「規模縮小」「分散開催」は
「国民体育大会の選手を選ぶため」だったわけですよね、災害に起因して。
◆そのとおり。
その時はその選択は正しいと判断した。
◇でも、今になって、
「頑張っている選手のため」という視点が欠けていたということに気が付いた…
という程のことですよね。
◆そのとおり。
昨日届いた日本体育協会公認指導者向けの機関誌「スポーツジャーナル」に、
バレーボールVプレミアリーグのサントリーサンバーズのヘッド コーチである荻野正二さんの
記事が載っていたんだ。
◇ほう。
◆その中にね、こういう言葉があったんだよ。
『スポーツは、練習を積んで試合で活躍してこそ楽しいものです』
◇なるほどね。
そのとおりですよね。
さっきの二人の女子自転車選手は「試合で活躍」どころか、出場すらできない…。
大会の運営者は
「大会のため」という視点が「選手のため」よりも強くなる傾向にあるのかもしれませんね。
◆見失っては、いけないよね。
◇ふふふふふ、この話ですね?
「誰のため、何のため」を忘れずに「分散」「縮小」をきちんと考えているのか!
ですか?
◆ま、まあね。あとで後悔しないように…。