もう一度、宮古のヨットハーバーを見にいってきました。
やっぱり、悲しいのです。
帰りに、総合体育館の横をとおりました。
やっぱり、口惜しいのです。
今回の震災による宮古市からの北東北総体会場地変更では、たくさんの方々にお世話になりました。
ご恩は一生忘れない…と昨日の記事に書きましたが、
岩手日報に載っていた、このお気持ちに報いるためには、何ができるのだろうかと、また、考えてしまいます。
宮古市の佐々木敏夫教育長は「手伝えることがあれば、どんなことでも手伝いたい」と感謝した。ヨットハーバーには、
滋賀ナンバーの車が、牽引している船台にFJ級のヨット一艇を積んで停まっていました。
膳所高校のヨットを宮古市の高校生のためにもってきてくださったのでそうです。
破れたセールも持ち帰って修理して下さるのだそうです。
本当に、ありがとうございます。
そろそろ、立って寝ないといけません。もう足を向けられるところがなくなりつつあります。
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昨日は発災から「七・七日」目でした。
スポーツはこの50日間、何をすることができたのでしょうか。
メーカーや団体から用具が提供されたり、チームとチームが道具のやり取りをしたり、キング・カズが試合をしてくれたり、有名選手が避難所を訪れたり…などというニュースがあり、
「スポーツが元気にしてあげた」という言葉で評されています。
大変、ありがたいことです。ご支援していただいた方々に心から感謝しています。
でも、
県のスポーツ界が全体として、これまでの50日間に何ができたか、この先の50日間に何をしてゆくのか…
ということを考えると、残念ながら、岩手のスポーツの力は、決して大きくはないと言わざるを得ません。
この7週間、岩手のスポーツ界が行うべきことは、何だったのでしょうか。
根拠も何もありませんが、私はこう思います。
第1に「情報の把握」であったでしょう。
被災された方々が、スポーツにあるいはスポーツを通して求めているものは何だったのか、
さらに、
被災された方々に手を差し伸べたいと考えている方々が、どういう物を、あるいは、どういう形態のサービスを提供したいと望んでいたのか…という「2面の情報」を把握しなければなりませんでした。
残念ながら、私たちは、「現在の情報」を収集して活用する情報ネットワークを持ち合わせていませんでした。
これまで「リーダーバンク」などのデータベースを持ってはいましたが、「過去の情報」を一方的に提供するだけのシステムであることがわかりました。
第2に「マッチング」です。
「ニーズとプロメ[ズ」とでも表現されるでしょうか、被災された方々の「求め」と支援したい方々の「提案」をマッチングさせることです。
野球の用具を欲している人に野球の用具を提供したいというご提案をマッチングさせることなどは、容易に想像できますし、これは、チーム同士というレベルで実際に行われています。
ところが、
被災地域に住む子どもたちのスポーツ振興のために「何か」をしたいというプロメ[ズをいただいた時に、
具体的な提案で、マッチングをして差し上げることができなければなりませんでした。
(じゃあ、沿岸の各校に10万円ずつということではいかがですか…)
ではマッチングになりません。
(被災した中学生が、地区大会を通過して県中学校総合体育大会に出場する時に必要となる
交通費・宿泊費を、今年に限りお手伝いしていただけますでしょうか…)
というマッチングの提案をして初めてお話が進んで行きます。
マッチングができない理由は、
「過去の情報」しかなく「推測」で動かざるを得なかったことが原因だと思います。
第3に「スポーツからの提案」です。
「ニーズとプロメ[ズ」を「マッチング」させるだけでは不十分だと考えます。
「相手の気持ち」を待つことだけではなく、
スポーツが持っている資源で積極的に貢献してゆく事業を提案してゆく役割が求められるでしょう。
被災された方や地域のために行う事業を、逆に支援者にプロメ[ズして行くこと、
つまり、
被災された方にこんなことをしたいから、このような支援をしてほしい…というプロメ[ザーに対する提案で事業を実施してゆくことです。
いずれ、この7週間で、岩手のスポーツは
組織として、あるいは、システムとして、つまり、点や線ではなく面として動いてゆくことができなかったことを痛感しています。
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さて、これからの7週間で、スポーツは何をすべきでしょうか。