昨日、あと90日に開幕がせまった、
平成23年度全国高等学校総合体育大会「2011熱戦再来 北東北総体」の岩手県実行委員会が開かれました。
岩手県で10競技が予定されていましたが、
東日本大震災津波の影響で、宮古市から「開催取り止め」の申し出があった、レスリング競技とヨット競技の会場地・競技会場を変更するための会議です。
新聞報道でご存知のとおり、岩手県実行員会としては
ヨット競技を、秋田県由利本荘市の本荘マリーナ に変更して実施することを決定しました。
震災から7週間目の昨日、競技会場を決定することができてほっとするとともに、
会場地変更にご協力くださった皆さんのご努力に感謝しています。
残された日数は少ないのですが、全国の高校生に良好な競技環境を与えるために、がんばります。
さて、
本日付の岩手日報にあるように
レスリング会場には二つの候補地がありました。
会場に決まった「八幡平市」と、今回は開催をお願いできなかった「雫石町」です。
どちらも、
宮古市が困っているんだろう。なんとか県内で引き受けて援けてやろう…という趣獅ナ、それぞれ「引き受けるから」という申し出があったのです。
県実行委員会が公募したものでも、お願いしたものでもありません。
しかも、
先ほどの岩手日報の記事には
レスリングの開催経費は約2880万円で、市負担分は約860万円。八幡平市は補正予算で措置する。市総合運動公園体育館には冷房がなく仮設で対応し、現行予算内でやり繰りする。という記事があります。
つまり、
大会の会場を貸すだけではなく、仮設物を設置し、運営スタッフも準備するし、
市や町が宮古市が負担するはずだった860万円も出してくださる…ということです。
最終的には、一つに決めざるを得ませんでしたが、
この二つの自治体からのお申し出は、一生、忘れることができません。
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さて、二つ考えました。
一つは、八幡平市と雫石町は「何を援けようとしたのか」ということです。
単純に見れば、
「宮古市」を援けるために行動したように見えます。
でも、よく考えれば、そうではないような気がします。
じゃあ岩手県かな…どうやらそれも違うような気がします。
こういうことでしょうか、
災害で開催が難しくなったが、みんなに迷惑をかけてしまうと思っているであろう
「宮古市」を精神的に援け、
今年のインターハイは開かれるのだろうかと心配をしているであろう
「全国のレスリングをしている高校生」の活躍の場を援けようとした。
二つ目は
なんで、その「二つの市町からしか申し出がなかったのか」ということです。
これはわかりません。
特に、他の市町村から申し出がなかったことの理由については、まったく、わかりません。
でも、申し出た二つの市と町には共通点がありました。
どちらも、毎年、全国レベルのスキー大会を運営していること、
さらに
八幡平市はアジアバイアスロン大会、雫石町はアルペンスキー世界選手権大会という国際大会も開催・運営しています。
「スポーツの価値」を大きく認識なさっている市と町なのです。
逆に、スポーツイベントの開催が、八幡平市と雫石町をこのような街に育ててきたのかもしれません。
いずれにせよ、
本当にありがたい市と町で、足を向けて寝ることが出来ません。
心から、感謝申し上げる次第です。
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実は、ヨットが会場変更となる由利本荘市の場合も、
宮古市が負担する予定であったお金を、秋田県が出してくださることになりそうです。
人は由利本荘市が出してくださいます。
もちろん、宮古市の方々も岩手県ヨット連盟のメンバーとしてお手伝いに行くことになります。
秋田県も由利本荘市にも、八幡平市と雫石町と同様に「宮古市」と「全国の高校生」を援けていただいたわけです。
このご恩も、一生、忘れません。ありがとうございました。