こんな時に不謹慎かもしれません。お許しください。
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5年後に見たいものがあります。
「鎮魂と復興の灯」が岩手県中をリレーされる姿です。
火は、2016年3月11日に、陸前高田市の高田松原海岸にたった一本のこった松の木が見守る中、オリンピックの聖火がギリシャで採火されるように、太陽の光で採火されます。
でも、海岸に打ち寄せる波の力を利用して発電された電気から採ってもいいかもしれません。
この灯は、陸前高田を出発し、いったん住田を経由して、
「復旧」されて新しくなった街並みが続き、
養殖いかだが整然と並び漁船とヨットがにぎやかに走っている海岸沿いに、
大船渡、釜石、大槌、山田、宮古、岩泉、田野畑、普代、野田、久慈、洋野と北上してゆきます。
イメージは、右の1970年の「岩手国体大会旗・炬火リレー」ャXターのとおりです。
でも、走らなくてもいいのかもしれません。
ゆっくりゆっくり歩いて、その列が、地元の人たちの参加で長く長くなっても、それはそれでいいのかもしれません。
入り江、入り江で隊列を止めてお坊さんが鎮魂のおつとめをしてもいいでしょうし、
街の中心街では、紙ふぶきの舞う中、小中学生のバンドが役場までの道のりを導いていってもいいでしょう。
当然、役場前広場では郷土券\が出迎えの演技をし、大漁旗が打ち振られていることでしょう。
もしかすると、灯の引き継ぎが、「文化・スポーツ・地域活動総合センター」のオープン行事にあわせて行われる町もあるかもしれません。
たなびく煙を見た人すべてが、
忘れられるはずのない大災害を想い、「復旧」から「復興」へのシフトアップをしてゆくことを、再び、誓うのです。
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その後、「鎮魂と復興の灯」は内陸の全市町村を回ります。
当然、この灯がどこからどのようにやってきて、どんな意味を待つものであるかは、マスコミのご協力によって全県民が知っています。
ここからは、隊列を組んで、整然と、走って回ってもいいでしょう。
もしかすると、灯の引き継ぎは避難所になった施設で行われるかもしれません。
たなびく煙を見ながら、
引き継ぎ場所に集まった人たちはもちろん、沿道で声援を送る人たちのすべてが、
忘れられるはずのない大災害の被災者の方々を想い、「復旧」から「復興」への手助けをすることを、もう一度、誓うのです。
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いったん、北上市をとばして、すべての市町村を回った灯は、一関に到着します。
そこには、震災の年に世界遺産に登録された平泉から、岩手県で一番古い火である「中尊寺の不滅の法灯」が分火されてやってきます。
二つの火は、そこで一つになり、「鎮魂と復興の灯」は「鎮魂・復興・不滅の灯」にバージョンアップします。
岩手県民の強い意志を表す、世界に誇れる無敵の火となります。
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さて、2016年の9月には、第71回国民体育大会の総合開会式が北上市で行われます。
式典は進み、「炬火の入場」となります。
当然、入ってくるのは「鎮魂・復興・不滅の灯」しかありません。
この灯がどこからどのようにやってきて、どんな意味を待つものであるかは、テレビを通じて日本中に説明されます。
災害復旧を支援してくださった日本中の方々に、5年を経過した岩手県民の誓い「鎮魂・復興・不滅」をお知らせできるのです。
陸上競技場のトラックをリレーするのは、幼稚園児とお母さんです。
何人になるかわかりません。
2011年3月11日生まれの子どもが、お母さんと左手をつないで、右手に「鎮魂・復興・不滅の灯」のトーチを掲げ、煙をたなびかせてニコニコしながら歩いて運び、炬火台に点火します。
あれから5年…鎮魂・復興・不滅は私たちにまかせなさい!です。
その時の音楽は、
♪こんにちは ありがとう…まほうのことばで たのしいなかまが ャャ〜ン…♪
「あいさつの魔法」ではいかがしょうか。
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さあ、いよいよ式典のクライマックス、選手宣誓です。
誰がするのかはわかりません。選手団を代表する選手が選ばれます。
でも、宣誓の内容はこうなるしかないのです。
『宣誓』
ありがとう 心から 兵庫から。
震災から11年。
これまでさまざまな方々にご支援いただき、新しく生まれ変わった、この兵庫の地で、
たくさんの人々の応援や支えにより築き上げられてきた、このすばらしい舞台に、
最高のパフォーマンスをし、感謝の気持ちを自分たちの力にかえて、
競技することを誓います。
(平成18年9月30日 のじぎく兵庫国体 兵庫県選手団 陸上競技 小林祐梨子)
当然、テレビは全国生中継です。天皇陛下も、会場で直接お聞きになります。
災害復旧を支援してくださった日本中の方々に「ありがとう 心から 岩手から」がお伝えできるのです。
やらせてください、5年後に。
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ありがとうございました。現実に戻ります。