ある競技団体の会長さんにお会いする機会に恵まれました。
とてもお忙しい方なので、急にキャンセルが入るのでは…とビクビクしていましたが、今日になって、
「少しでも早く来てくれ」との連絡がありホッとしたところです。
いろいろなお話をお伺いしましたが、
時節柄、国体の話になり、ボクシングの少年フライ級で準優勝した水沢第一高校の佐々木健介選手のお話になりました。
佐々木選手の所属の水沢第一高校にはボクシング部がなかったはずで、よく頑張ったね…という話題になった時、
どうも岩手県人は「型にはまりすぎる」欠点があると、その方は仰いました。
学校にクラブがなくても、学校外のクラブで活動することがなかなか難しい。それを克服して全国2位は素晴らしい。ここは私の話す番だな…と認めた学校も、育てた競技団体もえらい。
しかし岩手県人は「一般的なきまり」と「これは特別」の区分を持たず、すべてを一律に扱おうとする。
今年から盛岡の「さんさ踊り」から、パレードカー(4トントラックに装飾を施したもの)が禁止になった。
パレードカーの禁止で「さんさ踊り」の規模がずいぶん小さくなったと感じる。
これでは全国からお客さまを呼ぶことはできない。
盛岡弁で言う「けない(けね)」イベントになってしまう。
「インターハイや国体を「けないイベント」にしちゃあだめですよね」というと、
「当然!」のひとことでした。
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今年の国体も終わりました。
男女総合の順位目標は25位でしたが、終わってみれば、33位。
目標は達成できませんでしたが、
実はこの順位は、第54回で30位につけて以来、過去10年で最高順位ですし、東北でも4番手につけています。
54回大会は岩手インターハイの年・1999年に開催され、その強化で高校生の力がずいぶんついた年でした。
前半を終わって、40位台を覚悟し、頭を丸める準備をしていましたので、実はホッとしています。
ところが…次の図です。
国体の選手強化本部では、来年は20位を目標にしています。
今年の実績を見ると20位になるには競技得点だけで600点、参加点を加えて1,000点が必要です。
そのためには、各競技が「15点」ずつ取ればいいのです。黄色のゾーンです。
2016年は1位が暫定目標です。
今年の2位の点数が2,104点ですから、優勝するには参加点をあわせて2,200点は必要でしょう。
そのためには、競技得点が1,800点必要です。
各競技にならせば、45点ずつです。緑色のゾーンです。
大丈夫だろうか…と思わざるを得ません。
(着々と強化が進んでいるから大丈夫だよ、来年は今年よりも点を取るから)という人もいますが信じません。
なぜなら、次の図です。
競技得点の採点方法が変更になった7年前からの獲得競技得点の平均です。
色分けしたゾーンの意味は先ほどと同じです。
失礼ながら7年間「鳴かず飛ばず」の競技団体が、6年後に「鳴いて飛ぶ」ことができるのでしょうか。
何かを変えないと「45点」は無理だと考えます。
岩手県民にとって「けない国体」にしてしまわないように、がんばりましょうね、皆さん。
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◇あら、いつも、「スポーツイベントは地域づくりの触媒だ」とかいってる人が、今度は「勝て勝て」ですか?
◆勝つこともそうだけれども、
本当は、すべての競技団体が「育てて勝つ」ためのシステムを作ることが大切なんだよ。
間際になってから県外の強い選手を連れてきて優勝してもシステムは残らない。
「けない選手強化」しか出来ないわけだ。
◇でも、やっぱり、いつものスタンスと違いますよ。
◆2016年の基本構想(案)には
基本目標として『県民の総力を結集して、夢と感動を与える国体』、さらに、次の3本柱が示されているよ。
1 岩手のスポーツ振興に寄与する国体
2 岩手のソフトパワーを広く発信する国体
3 県民総参加による岩手らしい手づくりの国体
◇へぇ〜。
◆そして「基本目標を実現するために」として、さっきの三つの柱ごとにブレイクダウンしてある。
1の「『岩手のスポーツ振興に寄与する国体』を実現するために」の下には、次の3つ。
(1) 国体を契機とした競技力の向上
(2) 国内トップアスリートの参加
(3) スポーツ文化の浸透と地域に根ざしたスポーツ振興
◇なるほど。
国体を契機とした競技力の向上…ですね。
でも、誰も基本構想(案)なんか知りませんよ。
◆そうくると思った。
今、基本構想はパブリック・コメントを行い、県民の皆様の意見を反映しようとしているよ。
意見は出さなくても、一度、読んでみてよ。
◇だって、どこに行けば読めるのかわかりませんし…。
◆内容はここで読めますよぉ〜