家に帰ってしばらくすると、玄関のチャイムが鳴りました。
(だれだろう?)と覗いてみると、若い男が立っています。
インターホンで
(どなた?)
(下橋=しものはし=中学校の○年生の○○○○○と言います)
(何のご用?)
(僕たち、下中では、「下中『繋ぎ隊』」を作りました。
学校からのお届け物を持ってきました。)
これは、大変、すぐに出てやらなくちゃ…と、
パジャマのズボンと下着の半そでシャツのままで
ドアを開けました。
出てみると男子中学生が3人いましたが、
残りの二人は離れて立っています。
担当の生徒は手に持っていた『繋ぎ隊』袋を私に差し出すと、何度も練習したであろう説明を始めました。
学校からの連絡を私たちが、直接、街の人たちに届けることにしたこと。
中味を読んだらば、袋を保管していて、次のお便りを届けに来た時に返してほしいこと。
(素晴らしい!)
「ご苦労さん、ご苦労さん。また持ってきてね。
でも、留守がちだから、なかなか会えないかも知れないよ。その時はごめんね。
わざわざすまないねぇ。本当にありがとう。楽しみにしてるよ!」
と、満身の「肯定的フィードバック」で評価したことは、言うまでもありません。
ついでに、
(昨日、調べておいて本当に良かったなぁ、さすがだ!)と自分にも「肯定的フィードバック」したことも言うまでもありません。
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◇封筒は「生徒会」の名前になっていますね。
学校が、バックアップして子どもたちに地域活動をさせようとしているんですね。
◆中に入ってきた「趣意書」にはこうあったよ。
・本当の名前は「下中と地域を『繋ぎ隊』」
・地区の方々から、中学生も地域活動に関わってもらいたい、
また、学校の様子を知りたいという要望があった。
・生徒会として、
その要望に応えるために『繋ぎ隊』活動を行うこととした。
・地域との結びつきを図り学校の様子を知らせることを目的として
地域の方々に生徒が手分けして届けることにした。
・「月に一回程度、お届けに上がりますので、よろしくお願いいたします」
◇きゃあ、素晴らしい!
◆気がついたんだ。
子どもたちが地域で活躍できる可能性を潰してしまっているのは、私たちかも知れない…ということに。
たとえば「学校の様子が知りたい」と地区の人が言ったとすれば、
(じゃあ、ホームページの更新をこまめにして…
でも、
インターネットが使えない人もいるだろうから、町内に頼んで回覧板で回してもらって)
で、ハイ!解決。
たとえば「中学生にも地域活動をさせてほしい」と言われたとしたならば、
(よし、来週のロングホームルームに全校町内ゴミ拾いだ)
で、ハイ!解決。
でもね、地域の人と中学生が直接交わる部分はこれっぽっちもないんだよね。
さっきの発想では、いけないよね。
◇そのとおりです。
この前、「本末転刀vで書いていたとおり、
「地域活動」という最上位の目的を忘れてしまって「情報伝達」や「ゴミ拾い」が目的だと勘違いしてしまっている。
私たちの「やればいいだろう」発想が、子どもたちの可能性を潰しているのかもしれませんね。
◆そういう意味で、「下中と地域を『繋ぎ隊』」は素晴らしい取り組みだと思うよ。
おそるべし★下橋中学校! だね。
◇そのとおりです。見習わなければなりませんね。
ところで、さっきの封筒の宛名ですが、名前が3文字のように見えるのは気のせいでしょうか?
◆………。
◇あれれれれ、もしかして、奥さんの名前じゃありません!?
あらららら、hirahujiさんは「お世話になっている地域の方々」とは認められていないんですね!?
◆ぎゃふん!