岩手大学教育学部附属中学校の「学校公開教育研究発表会」の資料が回ってきました。
全教科や特別活動、つまり学校全体の教育活動に共通する研究テーマは
「新しい社会を拓く学びの構想(第1期最終年次)〜国語力を基盤とした学びを通して〜」
です。
体育の授業で「国語力?」と違和感を持たれるでしょうが、
柔道やバレーボールを教材として「論述力(言語活動の充実)」の獲得を狙いとした授業が行われたようです。
コミュニケーション能力の向上、つまり「国語力」の向上です。
私たちが30年ほど前に受けた体育の授業は、
▼明治時代に体操(これが教材の中心でした)を指導する方法として、
▼「演技を説明する→模範演技を見せる→学習者に模倣させる→矯正する→反復させる」
という指導スタイル
に基づいて、行われていたように思いますし、評価は「技能」のみを
▼「できた・できない、上手・下手」を授業者の主観により評定(数値化)
するという観点から評価されていたように記憶しています。
今は、評価について言えば
▼「観点別学習状況」として、
�T「関心・意欲・態度」、�U「思考・判断」、�V「技能」、�W「知識・理解」
の4観点から評価することになっています。
30年前と同じ「体育」という教科の名前でも、授業の仕方や授業で身につけさせたいことがだいぶ異なって来ています。
教育は進歩していないというような感覚がありますが、
これは、
私たちが学校から離れたときに学校から興味を失ってしまい、その結果、学校の教育を知ろうとしないことが原因になっているのかもしれません。
さて本題。
研究会の資料の中に、教員が生徒に対して行う「肯定的フィードバック」という言葉がありました。
体育に限らず、
子どもたちが行ったことや、言ったことに対して教員が「フィードバック」して評価してあげることが大切なのですが、その一つに「肯定的フィードバック」というものがあり、効果的に使って子どもの学習成果をあげてゆこうというものです。
具体的は、行動に対して「動きながらもらいにいっていたから、すごくいい」、「うまい、よ〜し」などと肯定的に評価してあげることです。
大きく反省させられます。
私は、「止まってもらうな」「これ、だめ」と否定的フィードバックを得意としてきました。
というよりも、
肯定的なフィードバックをもらえなかったので、その存在を知らず、使えなかったような気もします。
今からでも遅くはありません。頑張ります。
ところで、
一昨日、記事にした「カヌー会場での2回目の拍手」はもちろん、
本部のテントの中でも、皆さんが「ストロークが長いねぇ」とか「よく回るねぇ」とか、「よく転ばないでゴールしたねぇ」とか、とにかく、選手の良い所を評価しあっていたことを思い出しました。
「肯定的フィードバック」を上手に使って選手を育てているんだな…と、いまさらながら思い起こしています。