今日は3年生だけの卒業式練習がありました。寒い体育館の中で2時間、お疲れさまでした。
私はずっと「来賓」の位置に立って様子を見ていました。
動きの中で、卒業証書をもらってステージから降りてくる卒業生は、来賓に一礼することになっています。
きちんと立ち止まって礼をするもの、歩きながら少しだけ頭を下げるもの…様々でした。
(なんだよ、さっぱりだなぁ…)
と「三倍返し作戦」をとりました。
相手の態度の「三倍相当」の礼をすることにしたのです。きちんと礼をした人にはその三倍の礼を返しました。
礼を忘れて通り過ぎた人、つまり、何もしなかった人には、「何もしない三倍」をお返ししました。
「0×3=0」ですので私も立っていただけです。
でも、
「三倍返し」ではなくて「2加算返し」にすればよかったなあ…と反省しています。
そうすれば、
何もしなかった人にも「0+2=2」の深々としたお辞儀を見せられ、「礼」を忘れたことを思い出させることができただろうになあ…と。
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「三倍返し」の礼をしながら、
2月11日の研修会で聞いた、岩手県山岳協会畠山晃さんのお話をまた思い出しました。
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山岳協会の方々は、皆さんにどうしても知らせたい考え方を、駄洒落じゃなくて「山ほど」持っています。その一つの考え方が、
「岩手にいても 動きは『中央』」言葉をかえれば「選手に 本物を じかに与える」
この達成のために、さまざまな「しつらえ」しているのだということが分かりました。
岩手県営運動公園のボルダリング場には、登るためのルートが「9級」から「初段」までのグレードにわかれて、合計「230本」あるのだそうです。
そして、
上位のルートである「3級」から「初段」までのルートは、
中央から呼んできた日本のトップクライマーが「セット」したものなのだそうです。
(ちなみに、
7人いる男子ナショナルチームの選手のうち、5人もが岩手県に来ているのだそうです)
トップクライマーがセットするということはどういうことか…というと、
「僕のようにこう動かないと登れないんだよぉ」というルートができることです。
つまり、ルートをセットするということは、動きを要求するということと同義ですので、登るためにはトップクライマーと同じ技術を身につけなければいけないわけです。
そして、そのルートを登ってゆく姿を実際に「この眼」で、しかも、自分たちが普段練習している場所で見ることができるわけですから、
本当の意味で「本物を直に与え」そしてその「動きを再現する」ことができる環境を与えたわけです。
「本物の力」までは誰でも考えつくと思います。
でも、「本物の力」のコピーをさせるための環境づくりまでには考えが及ぶものではありません。
おそるべし…日本一をつくる競技団体!です。
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◇ま、まさか、hirafujiさんの「3倍返し礼」も「本物の力」だなんて思ってませんよね?
◆…お、思ってる。
◇はははははは、身のほど知らずですね。
私に言わせれば、hirafujiさんは「ほんもの」じゃなくて「ほんほの」
あ、失礼、「のほほん」ですが!
◆…。