昨日記事にした、トヨタの「F1からの撤退」に関連して、世の中は「速さから環境へ」シフトしているのだろうと、昨夜、寝ながら考えました。
「速さ」の感動は単純なものです。
理性をとおさないで、空気の振動や光の反射を鼓膜や皮膚や目が感じて、
その結果、感動します。
感性でしょうか。
「環境」の感動は複雑な概念です。
ハイブリッド車を見て、それだけで感動する人はよっぽどの人です。
私のような者は、
燃費がどうとか、技術がどうとか、その結果としての温室効果ガスの排出量がどうとか…
という基礎知識を得て
「ほぉ〜、そんなものなのか。すごいんだな」とやっと少し心を動かします。
こちらは、理性でしょう。
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今日の気になるニュースは
という見出しの記事です。中味は
▼2012年のクロスカントリースキー・ワールドカップの会場として、ローマのチルコマッシモが候補地となった
▼チルコマッシモは、映画「ベン・ハー」の舞台としても有名な古代ローマ最大の競技場
▼ローマ市内は雪がほとんど降らないために、人工雪で全長800mのコースをつくる
街の中に人工雪でコースをつくるという、似たような例は、
昨年2月にストックホルムの『ロイヤル・パレス・スプリント・コース』で行なわれた、クロスカントリースキーのワールドカップでもありました。
訳せば「皇居内スプリントコース」とでもなるのでしょうか、こちらも、町のど真ん中に人工雪のコースがありました。
日本でも、2007年に札幌で開催したノルディックスキー世界選手権の時に、札幌ドームの中にクロスカントリースキーコースを仮設しています。
叱られるかもしれませんが、
ここには
「環境に配慮して、人工雪など作らずに、雪のある山奥でレースを行なう」
ことよりも
「人工雪をつくることで環境に負荷がかかったとしても、生のレースで与える感動の価値は高い」
という考え方があるのだと推察します。
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今日の岩手日報の一面・左下隅に、昨日、日本陸上競技連盟が主催して盛岡で行なわれた、「キッズアスリート・プロジェクト 夢の陸上キャラバン隊」の様子がカラー写真入で載っています。
どうでしょう、子どもたちの顔!
目の前を、本当のオリンピック選手が
風を起こしながら走り抜け、
自分の背の高さを超すバーを飛び越える。
子どもたちは「理屈なしに」すごい!と感動しているはずです。
私は、今、このような「理屈なしの感動体験」が軽んじられているような気がして、
大げさにいえば、日本の将来を心配しているのです。
私たちは、
子どもたちに「直接感じる感動」を与える義務があるよな気がします。
たとえ、お金がかかったとしても…です。
さて、
ここで今日の一曲を
♪… 若いときゃ 二度ない どんとやれ 男なら 人のやれない ことをやれ …♪