「全国学力テスト」の結果が、昨日、公表され東北の各新聞も、次のような見出しで報じています。
小学は総合3位
(東奥日報)
3年連続トップ級
(秋田魁新報)
国語得意でも算数
苦手 (福島民報)
中学国語が全国
4位 (山形新聞)
中3数学本県低迷
(岩手日報)
「見出し」だけを見ると、
どうも岩手県に分が悪そうなのですが、
河北新報の「学力テスト 上位県の固定化鮮明 秋田と福井好成績維持」
という見出しの記事には
◎青森・岩手小学校全教科で平均超
という小見出しで、岩手の小学生の正答率が全教科で全国平均を上回っているという説明がありました。
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◇このテスト、いろいろな意見があるようですね。
◆あるようだね。
正解率が都道府県や、市町村や学校のランクづけにつながる…とかね。
でも、このテストの「本名」をご存知?
◇全国学力テスト…じゃないんですか?
◆「全国学力・学習状況調査」
テストの点数を公表しているだけではなく、小学生・中学生のいろいろなことを調べています。
◇いろいろなこと?
◆たとえば
「ものごとを最後までやりとげて,うれしかったことがありますか」(61.6・5.0)
「難しいことでも,失敗をおそれないで挑戦していますか」(12.5・3.8)
「自分には,よいところがあると思いますか」(13.9・8.8)
「将来の夢や目標を持っていますか」(39.4・3.7)
◇ほう、興味深い調査項目ですね。ところで、( )の中の数字は何ですの?
◆「はい」と答えた中学生の割合だよ。
◇でも、数字が二つ入っていますよ。
◆ああ、前が「岩手県」、後ろが「全国」
◇あらやだぁ!
岩手の中学生は、
「成就」や「挑戦」の楽しさを知らず、「自分のよい所」と「夢」を見つけることが下手だ…
ということですか?
◆残念ながら、そうかもしれない。
でもね
ものごとを最後までやりとげたうれしさを体験させる
失敗をおそれないで挑戦する気持ちを持たせる
自分の強みを知る
将来の夢や目標を持たせる…これらは、実は、スポーツの得意分野だよ。
スポーツをすれば岩手の子どもたちは、どんどん良くなってゆくはずだよ。
◇なるほどねぇ。しかし、
全国一斉学力テストで始まった話を
「スポーツをすれば岩手の子どもたちはどんどん良くなってゆく」と結んでしまうなんて
ホラ吹きのきわみです。
どうせ、都合のいいデータだけ拾って作った話でしょう、これ。
◆都合のいいデータを拾って、人を説得する…これが「なんちゃって情報戦略」でしょう。
同じ調査から「数学の危機」を述べることもできるし、「スポーツの効用」を述べることもできます。
私たちは、
どのお話に基づいて行動すべきかを、自分自身で判断しなければならない時代に生きているわけです。
◇ははははは、格好つけましたね。
じゃあ、わたしも原典にあたって調べることにしましょう。
これですね、 平成21年度全国学力・学習状況調査中学校調査 回答結果集計 [生徒質問紙]岩手県$カ徒(公立)