◇見ましたか、平舘さんの 「日々雑感」 。なんか、ヤタラ怪しげですし、なにやら、hirafujiさんを誘ってる様子なんですけれども…
◆どれどれ…うひゃ、本当だ
◇いかが、お考えになりますか
◆「考え方」の問題でしょうね
◇まあ、ひとことできっぱりと。見直しました!でも、私に分かるように説明してくださいね
◆はい。各方面からのお叱りを覚悟の上で話しますが
『強くする』という観点から見ると、スポーツ組織には3つの種類があると私は考えています
◇ほう、一つは
◆いい選手を作って、必ずよい成績をおさめる組織
◇ふむふむ、それは「連れてきて」も含まれますよね。例えば国体でずうっと点数を取っている競技ですね。次は?
◆いい選手が、たまたま集まった時に、よい成績をおさめる組織
◇なるほど。選手を作ったり、つれて来たりの環境整備までは手が回らないが、いい素質を持った選手がいる時には、確実に国体で点数を取るということですね。最後は?
◆いい選手がいても、成績を残すことができない組織
◇えっ、そんなはずは無いでしょう。いい選手がいたらば勝てるでしょうが…
◆いや、10年に一人ぐらいはいい選手はいるでしょう。でも過去10年、一度も国体で入賞していない競技があるんです。気がついていないんだと思います、いい選手がいることすら。
『玉みがかざれば光なし』ですね
◇いや、球技の話ばかりじゃなくて、陸上とかスキーとか、個人競技も含めてのお話でしょう?
◆えっ?
◇だって『ボール磨きが…うんぬん』って仰ってた…
◆…、あとで自分で調べなさい…
◇つ、冷たい!
ところで、あんなにきっぱりと言い切った『考え方』となんか関係があるんですか、このお話?
◆結局は、その組織が、その競技の力をつけることについて、どう考えているかということで、さっきの違いが生じてくると考えます
◇はぁ、具体的にお願いします
◆『戦略』と『戦術』ってご存知?
◇いま、調べます。ちょうど三省堂の「大辞林 第二版」が手もとにあります。どれどれ…
△せんりゃく 【戦略】[strategy]
長期的・全体的展望に立った闘争の準備・計画・運用の方法
戦略の具体的遂行である戦術とは区別される。
△せんじゅつ 【戦術】[tactics]
(1)個々の具体的な戦闘における戦闘力の使用法。普通、長期・広範の展望をもつ戦略の下位に属する。
(2)一定の目的を達成するためにとられる手段・方法。
◆あえて言わせていただけば、「戦略」を持たない組織が、さっきの2番目・3番目の組織ではないかと
毎年「いまの選手がこうだから、この大会はこんなもんだ」を繰り返していては、上のレベルは狙えない
◇でも、『この力しかないのに、この環境しかないのに、ここまで頑張れた。よくやった!!!』とか言って満足している方たちはたくさんいますよね。その楽しみ方は認められないんですか
◆認められます
ただし、それは「戦術の成功を楽しんでいる」だけで「戦略を考える」ことはしていません
何を目標にした「戦略」を考えているかということが、そのチームやその学校の力であると思われます
◇なるほど、それが「伝統の力」といわれているものなんですね。刹那的に楽しいこととは違ったアプローチの仕方があるということなんですね〜
◆今日も冴えてるね〜、そろそろギャフンと行こうかな〜、だいぶ長くなっちゃってるし
◇駄目です。今日は「ギャフン禁止」です。とことん付き合いますよ〜
◆ぐへっ!今日はどうしたの一体?
◇今日だけは、とことんお話を聞いてあげることにしたんです。七夕ぐらいはね…
◆じゃあ、言わせてもらいますね、もう少し
「戦術の成功を楽しんでいる」は、いわば「選手の親」の視点。選手がどうなったかのみを、その視点としている
「戦略を考えてゆく」は、いわば「組織の親」の視点。選手を育てるのはもちろん、チームをどう向上させてゆくか、その支えとなる組織をどう向上させて行くかがその視点にある
◇なるほど、前者は親の目、後者はOBの目とでも言えるんでしょうかね
その「考え方」の違いと仰りたかったんですよねぇ〜。あせってアップしようとして、かなり迷走してますけどね!
◆図星です。
「親の目」で見ている人は「子ども」に大きな夢を託し、その実現を目指し
◇…(さえぎって)…「OBの目」で見ている人は「子どもをより大きく育てるシステム」に大きな夢を託し、その実現を目指す
どちらにも、実現させたい夢があるんですがねぇ…ひとことで言えば「レベル」ですかねぇ
◆ど、どうしたの。完璧なこと言っちゃって
◇そろそろ、時間ですので…終わりにしようかと…
◆へっ!?今日はとことんって言ってたから、安心して迷走してたのに、どういうこと?
◇さっき、メールが…
◆どなたから?
◇(てれながら)「ひこぼし」からです
◆(あきれて)じゃあ、ギャフンだ!!!