「旗を巻きすぎてタイムをロスした」
ある選手のコメントです
何の選手が何のことを言っているのでしょうか?
【ヒント】
決して、「何かの旗を、何かに巻く速さを競う」競技ではありません
(答は「続きを読む」に)
【答】
今年、県高校スキー大会に引き続き県選手権のジャイアントスラロームでも優勝した高橋千尋選手(雫石高校)のコメントです
旗門が左右に広く設置され、スピードよりも技術力が求められるセット。冷え込みで引き締まった斜面に果敢にアタックした。「バーンの状態が良かったので思いっきり滑ったが、旗を巻きすぎてタイムをロスした」という1回目。それでも2位に0秒04の差をつけるところに好調ぶりがうかがえる。2回目はより直線的なライン取りで攻め、さらにタイム差を広げてフィニッシュした。【1月18日岩手日報】
解説します
◆旗を巻きすぎて
巻くは「捲く」ですが当用漢字ではないようですので「巻く」とされています
辞書には「登山で、急な斜面や危険な所をさけて、山腹を迂回して登る」用例は「滝を―・いて尾根に出る」とあります
スキーのアルペン競技は、赤・青の交互に立てられた「旗門」の間を通過してゴールします
理論的には旗門と旗門の間の最短距離を滑って行けばよいのですが
(これが「真っ直ぐ」「直線的なコース」です。「捲く」の逆です)
スピードや斜面変化の関係で、「真っ直ぐ」では次の旗門の間を通過できなかったり
外側に大きくそれたりします
それを避けるために、旗門の手前のやや離れたところを通る「捲いて行く旗門」が出てくるわけです
選手たちは、コースの下見(インスペクション)をしますが、旗門の配置を覚えるだけではなく、予測されるスピードや斜面の変化なども考えながら、レースに臨みます
これで岩手日報の記事はご理解いただけたかと思います
明日から、安比で国体予選が始まります。レースは21日・22日です
いろんな情報を聞きながらレースを見ると、面白さ倍増です
これまでの2本合計タイムのレースと違って、「1本勝負」のレースになりますが、これはこれで結構面白いものがあります
コース途中で、上下黒のウエアを着た大きな男が雪かきをしていたら声をかけてください
たぶん、面白さが800倍になる解説をしてくれるはずです