「守・破・離」から派生し、「なんば走り」のお話です
平舘さんから、「男子短距離・末続慎吾の走りが「古武道」から来てるような話を聞いたことがありますがどうなんでしょう」とのコメントをいただいております
これも、平舘さんの●●日々雑感●●→剣道部・守破離 に、再度、トラックバックです
末續選手の走り方については、いろんな話が山のようにありますが
次のような説明が一般的でしょう
◇TBSのサイト→世界陸上選手紹介/末續慎吾←link
なんば走法・・・なんばとは日本の古武術の動きで、同じ側の手脚を同時に出す動作のこと。この動作にヒントを得て、力を入れるタイミング(左脚と左腕に同時に力を入れ、手脚の動きのズレを修正する)を磨き、ラスト20mを走り切るためのテクニックを身につけた。
ちなみに「なんば歩き」の具体的なイメージは
「ナンバ歩きを体感するには「ヤクザが両手をズボンのャPットに突っ込んで肩で風を切って歩く」と表現される歩き方がよい」(fnorioさんのサイト)とされています。
いろいろな説明をまとめてみると次のとおりですが
◆レース後半の「手脚のズレ」「上体のブレ」を抑えるための技術
◆左右の足を一直線上におく(一軸or直線軸)走法ではなく、左右の足が平行に進む(二軸)走法
◆その際、上体は、腕の振りではなく、肩(肩甲骨)の動きに注意が向けられる
◆したがって、腕の振りは従来のものとは異なり、手脚を同時に出すようなイメージとなる
◆コーチである高野進氏が「古武術」からヒントを得たという説が有力
詳しくは「FNの高校物理」というサイト→なんば走り1←linkというところに、すばらしい説明があります
また、次の二つも非常に参考になります
◆同様の技術を「常歩(なみあし)」として説明している木寺英史(久留米工業高等専門学校)さんらのサイト←link
◆武術の理論から「ねじらない、うねらない、ためない」身体の使い方を提唱されている、甲野善紀(武術稽古研究会松聲館)さんのサイト←link
なお、長野峻也(游心流武術健身法研究会)さんの「甲野善紀“功罪”試論 」←linkも見つけましたので、参考までに
さて
あちらこちらで資料を探っているときに、次のような話を見つけました
●末續選手
「うまくいってる時は頭の中で股関節が『カン、カン、カン、カン』って当たってる感じがする」
「100mを10秒05で走った時、暴れ馬に乗っているようだ った。走っている最中、手足がもぎとられるような感覚だった」
●伊東選手
「10秒00を出した時、骨盤がガクガク動いていた」
トップアスリートの身体感覚は、私たちにとって経験できないものです
「人」の限界に限りなく近づいたとき、どのような気持ちになるのでしょうが
想像もできませんが、非常に興味があります
実は、私、体育学部卒ですが、文系体育ですので、バイオメカニクスとか動作分析とかは得意ではありません。どなたか、理系体育の方の解説があればと思います…