「いわて県民計画第2期アクションプランでスポーツはどう変わろうとしているのか」シリーズ第3弾。
前回11月18日にアップした記事では
■アクションプランが23年度から新しくなること
■アクションプランは4つのプランからなっていること
■そのうちの政策推進プランに着目してスポーツを考えること
■政策推進プランは、10の政策分野からなっていて、スポーツに関する内容は3つの分野にあること
をおさらいしながら、
「1 健康・余暇」分野で「超人スポーツ」がなくなっていることについて、考えを述べました。→ この記事です
指標の変化を見る
さて今日は、
10の政策分野のうち
「Ⅲ 教育」の
「19 文化芸術・スポーツを担う人材を育てます」に載っている
「具体的推進方策指標」から
③アスリートの競技力向上 と
④障がい者アスリートの競技力向上 の
指標の変化について考えてみることにします。
③④のどちらにも指標は二つあって、
そのなかみが
現行の「第1期アクションプラン」(以下、現行)と
これから作ろうとしている「第2期アクションプラン(素案)」(以下、素案)では、どう違うのか、違わないのかを比べてみると、こうなりました。
現行は、この下線部をタップすると開く資料の 104ページにありますし、素案は、この下線部タップの 120ページにありますので、ご確認いただきたいのですが、
③も④も、それぞれ二つの指標のうち
継続される指標が一つ、変更になる指標が一つあります。
変わるものが大好きな、変わりものの私ですので、変わる指標について考えてみましょう。
共通点があります。
単一の競技会での成績や出場数を指標としていたものから、
評価の対象となる「大会」を拡大した…ということです。
具体的には
③は「国民体育大会」の総合成績から「全国大会」での成績へ、
④は「ジャパンパラ競技大会」出場数から「全国大会」への出場数へ、
つまり
一つの大会にこだわることをやめるという共通点があります。
変化のねらいは何か
これは何が狙いだろうかと、考えてみましたし、この件が報告された(素案の概要や策定スケージュール、そして、現在、素案のパブリックコメントが募集されているということなど。議題ではなく、報告として)会議で質問してみたりして、わかったような気がしています。
どうやら
評価の範囲を拡大するということのようです。
国民体育大会の正式競技は、夏冬合わせて、40競技しかありません。
この40競技の成績で、総合成績が決まっています。
岩渕麗楽さんがワールドカップで優勝している、スノーボードは入っていません。
武術太極拳、パワーリフティング、ゲートボールも上位成績を残しますが、公開競技で総合成績には反映されません。
また、
今年、全国大会で優勝した「岩手アスリート」は、私の調べでは、32競技にわたりますが、
国体の総合成績に関係のない競技が、
一輪車、オートバイ、カーリング、ゲートボール、ジェットスキー、ダンススポーツ、パワーリフティング、武術太極拳、フライングディスク、ペタンク、野球の11競技もあるのです。
指標は、がんばっている競技の2/3しか反映できない…といえるでしょう。
また、
ジャパンパラ競技大会は、
陸上競技、水泳、ゴールボール、車いすラグビー、ボッチャ、アルペンスキーの
6競技大会で構成されていますので、さらに指標の対象となっている競技が少ないことがわかります。
評価の範囲を広くして、
どんな競技でも、
がんばったアスリートを、アスリートを育てた人や組織を評価しようという考えに違いありません。
すてきな変化だと思います。
変化に対応するために
でも、
すてきだ…と言っていればいいというものではありません。
指標が変わったということは、
考え方を変え、目標を変え、事業の進め方を変えなければならないのです。
とはいえ、
継続される指標もあり、これまでのしくみでの事業展開も求められます。
おんぼろな国体成績であってよいということでは、決してありません。
考えることがたくさん、やるべきことも山ほど、そのためには何をやめるかも考えねば…
がんばりますよ、がんばりましょうね!
おまけ
あと2回続く予定です。
「運動部活動」と「プラットフォーム」。
気長に、お待ちください。
でも、
パブコメ終了前にはアップして、皆さまが岩手のスポーツを考えるヒントにしてもらおうと思っています。