***7月7日のnote記事のまる写し***
I want to be a production area, not a
habitat.
Inspired by book written by president of UTO,Cashmere knit factory in Kitakami.
岩手県盛岡市の
IGRいわて銀河鉄道盛岡駅改札前には、岩手の方言や名物をとびらに書いたコインロッカーが設置されています。その「名物とびら」の一つに「カシミヤ」があります。
岩手県北上市にUTOというカシミヤメーカーの直営工場があって、そこで作っているカシミヤ製品が
ふるさと納税の返礼品となるなど、UTO KITAKAMIは国内カシミアの「ブランド」となっているのです。
■宇土社長の著書を読む
UTOの社長である
宇土寿和さんは、「中小製造業 逆転の
ブランディング」(
幻冬舎,2016)という本を出していて、そこにこれまでの事業展開が書いてあるということを知り、読みました。
あっ、うっ、ぐぅ〜、とか言いながら感心して読み終えたのですが、特に、次の二つの部分が気になったのです。引用します。
あるいは士農工商の意識の名残でしょうか、作り手の中には。「作ること」は尊いと思っているけれど「売ること」はそうでもないと、「売ること」を作ることの下に見ている場合も少なくありません。
しかし、よいものを作りさえすれば売れるほどビジネスは甘くありません。高品質の商品を価値に見合った値段で売るためには、商品のブランディングなど売るための戦略が必須です。「売ること」も非常に尊いはずなのです。
自分で会社を経営して初めて知ったのですが、ロットがある程度多くなるのはニット製品独特の分業生産が理由でした。ニット製品は、編むだけでなく、編み地同士を縫い合わせるリンキングや、縮絨(しゅくじゅう)と呼ばれる縫製後の仕上げ作業など多くの工程があるため、それぞれの工程を専門の工場が担当してまとめて枚数をこなすほうが効率的なのです。少数枚のために各工場を回るとなると、非効率でコストもかかってしまいます。
こうした分業生産のニット工場が集まっている場所は、「産地」と呼ばれます。日本なら、東京の墨田区や新潟、山形などが、海外ではたとえばイタリアのフィレンツェ周辺がニットの産地です。ビー・エッチ・エフ・インターナショナル(平藤注:旧社名称)では、主に山形の産地に生産を依頼していました。
■売ること
『
高品質の商品を価値に見合った値段で売るためには、商品のブランディングなど売るための戦略が必須です。「売ること」も非常に尊い』
岩手のスポーツは「売ること」が上手なのだろうかと思いました。
私は「見い出す→育てる」の先にあるのが「売る」ことだと考えています。言葉を変えれば「もう一つ高いレベルで活躍させること」です。
さて
岩手県のスポーツは、
野球で言えば、
大谷翔平、
菊池雄星、佐々木朗希などの日米
プロ野球選手、
スキー・
スノーボードでも、ワールド
カップチャンピオン・小林陵侑、
岩渕麗楽の有名選手を輩出しています。
ほかのスポーツを含めてみると、どうなっているのかなと思いますよね。
そこで、
昨シーズン、日本代表として大会に出た
岩手県関連選手のリストと、
今シーズンの、
プロ野球岩手県関連選手のリストを調べてみました。
◆「岩手・岩手」は 25人
岩手県でスポーツをして力をつけ、
岩手県のチームに所属して日本代表になったり、
プロ野球選手になったりした人は、あわせて25人(野球・佐々木朗希選手ダブっています)
◆「岩手・他県」は 48人
岩手県でスポーツをして力をつけたのち、他
都道府県のチームでさらに力を伸ばし、日本代表・
プロ野球選手になったのは、あわせて48人
◆「他県・岩手」は 17人
他
都道府県で力を蓄え、その後、
岩手県のチームでさらに向上して、日本代表や
プロ野球選手になった人は、あわせて17人
先ほど、
「見い出す→育てる」の先にあるのが「売る」ことだと考えています。言葉を変えれば「もう一つ高いレベルで活躍させること」を「売ること」として話を進めていますので、
「岩手・岩手」 25人
「岩手・県外」 48人
「県外・岩手」 17人 は「売ること」がうまくいっている「しるし」のような気がします。
■売ること、と、流出と
しかし、ものである製品と、人であるアスリートは違うので、同じようには語れません。
岩手のスポーツ界では「選手の流出」という言葉は、好ましくないという意味を含んで使われています。「人が外に出てゆく」ということを嫌っているのです。しかし、世界で活躍するためには、日本の頂点を目指すためには、現在の
岩手県にいてはできないことも現実にはあります。
私は、個人的には、
県外で「もう一つ高いレベルで活躍させること=売る」ことは大切なことだと考えています。
そして、県外から岩手の強みを認めて活動場所に選んで成功している選手も、17人います。競技によっては、人的・物的な環境が整っているのです。やみくもに選手を残すのではなく、選手に選ばれる岩手も作ってゆく必要があるのです。
それが、岩手のスポーツのブランドになるのでしょう。
■産地と棲息地
宇土さんは、さまざまな機能を持った工場が集積しているところを「産地」と呼んでいます。
その意味で、スポーツにおける岩手は「産地」なのだろうかと考えこんでしまいました。多くの機能を持った人や組織が集まっていて、お互いに関連しあっているだろうか…と思たのです。
アスリートを育て、高いレベルにつなげてゆくシステムを持っている地域が「産地」でしょう。
すごい素質をもっている人がたくさんいる、そして、その「地の力」だけで勝っているようなところは、「棲息地」です。
産地であり続けたいと考えたのです。
がんばりますよ、がんばりましょうね!
■リンク
・
宇土寿和、中小製造業 逆転の
ブランディング、
幻冬舎、2016
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