若いアスリートは今回の経験を通じてさまざまな価値観や多様性と向き合いながら、「卓越(Excellence)」「友情(Friendship)」「尊重(Respect)」という3つのオリンピックの価値を受け入れ、それを自身の行動や振る舞いとして発揮することが求められた。これは、YOGの創設を提唱したジャック・ロゲIOC会長が長年にわたって温めてきたアイデアであり、メッセージでもあった。 「勝つためにはゴールラインを最初に超える必要があるが、チャンピオンになるということは、身体的な能力だけでなく、あなたの人格への賞賛も呼び起こさなければならない。もし同世代のロールモデルとして皆さんが振舞う準備ができたのであれば、順位に関係なく皆さんはチャンピオンになるだろう」という開会式での自身のスピーチを受けて、ロゲ会長は「真のチャンピオンになるということは、単に試合の勝者であるだけではないことを理解しただろう」という言葉で閉会式を締めくくった。あなたは、「真のチャンピオン」になることを目指していますか? あなたは、「真のチャンピオン」を育てることを目指していますか? 競技力向上って、こういうことだったはずですよ。
真のチャンピオン
昨日、3月23日に、
「いわてスーパーキッズ発掘・育成事業 第6期生開始式・平成24年度修了式」が岩手県盛岡市の岩手教育会館で行われました。
今日の岩手日報には、「中学3年生38人終了 スーパーキッズ 6期生35人は始動」という見出しで、その様子を伝えてくださっていました。
(右の画像をクリックすると読めるサイズのpdfファイルが開きます。)
修了生の写真が載っていますが、
手に持っているのは、いったいなんだろう…という疑問にお答えするために、修了生が手に持っている「修了証」をご覧いただきます。
岩手の木材を使った「修了証」です。
「いわてから世界へ」の事業のキャッチコピーの願いが込められているんです。
素敵でしょ。
ちなみに、開始式に来た6期生の認定証は「紙」。まだまだ、これからですからね。
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朝、始まる前に、私は、しばらく岩手教育会館のロビーに立っていました。
キッズや親御さん、関係者で、結構、混雑しています。
修了生の女子中学生(この4月に高校に進学する人たちですが)が何人か集まって、進学先や、取り組むスポーツなど、いろんなお話をしていました。
そのうちの一人が、10メートル先の入り口から入ってきた人を見てこう叫びました。
(あ、校長先生だ!)
中学校の校長先生にもご案内を出していましたので、お祝いにやってきてくださったのです。
その次の動きに、彼女はどんな行動をとったとお思いですか?
私が同じ立場であったならば、
卒業式も終わっていることだし、遠くにいることだし、どうせ私には気がついていないだろうし…
ということで、友達との話を続けるでしょう。
もしかすると、見えないように隠れるかもしれません。
しかし、彼女は、私の予想を覆して、
走って、校長先生に挨拶をしに行きました。
違うかもしれませんが、(育成事業の成果だ!)とうれしくなったわけです。
こんな小さな行動に、大人は元気づけるられるんですよね。
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開始式では
スーパーキッズの知的能力開発プログラムを行っていただいている、
仙台大学の粟木一博先生が、4月に小学校6年生になる6期生に、
また、
修了式では
この事業を始める時にプロジェクト委員として事業の方向性などをアドバイスしてくださった、
筑波大学の勝田隆先生が、4月に高校生になる修了生に対して、
お話をしてくださいました。
どちらのお話にも「チャンピオン」という言葉が出てきました。
仙台大学のサイトに「仙台大学スポーツキャリア大学院プログラム事業報告」というページがあり、
その中に「参考」として
「第1回ユースオリンピック視察報告 〜世界がめざすスポーツを通じた教育のいま〜」と題して、「仙台大学講師・同スポーツ情報マスメディア研究所研究員 阿部篤志」さんがお書きになった報告書があります。
(この下線部をクリックして開くページの一番最後にあります。)
「真のチャンピオンとは何か」と見出しを振った部分を、無礼を承知で、写します。