がんばろう!岩手のスポーツ

岩手スポーツ応援団長を勝手に名乗る平藤淳の個人的なブログです

5年後に見たい�U

今日は「カズダンス」を見に行ったに決まってる…という皆様の予想を裏切り、一日、事務所にいました。

実は、私、東北社会人リーグまでのサッカーチームしか生で見たことがありません。

とほほほほ。

夕方の岩手山です。

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こんな時に不謹慎かも知れません。再びお許しください。

4月2日の「5年後に見たいもの」の続編です。

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2016年10月×日。

第71回国民体育大会の最終日となります。

男女総合優勝を狙っていた開催地岩手県は、震災の復旧で選手強化計画を大幅に見直さざるを得ず、例年のように前日で優勝を確定することができません。

最終日の陸上競技、成年少年女子共通4×100mリレー決勝の成績に優勝がかかります。

総合得点で首位を走る東京都とは、この種目を残すのみとなった時点で2点差があります。

東京都は残念ながら、準決勝を通過できず、この決勝には出場していません。

岩手県は3点をとらなければなりません。つまり、6位以内に入らなければならないのです。

スタートのピストルが鳴りました…

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競技終了後、陸上競技場で閉会式が行われます。

成績発表となります。

「男女総合成績 第一位 岩手県

競技場を揺るがすほどの大歓声が沸き起こります。

表彰式です。

賞状にはこう書いてあります。

第71回国民体育大会においてスポーツの精華を発揮し一致協力して優秀な成績を得たので天皇杯を授与しその栄誉をたたえこれを表彰する
賞状を受け取るのは選手団の誰かです。団長でしょうか、総監督でしょうか、選手代表でしょうか。

誰でも構いません。

引き続き天皇杯が授与されます。

ここにはこだわりがあります。

選手団のユニフォームを着て、白い手袋をはめている人がユニフォームの上着を脱ぎました。

黄色いベストを着ています。背中には「volunteer」と書いています。

よく見ると、さっきまで駐車場の誘導係をしていた地域のボランティアの方です。

70歳ぐらいでしょうか。

いただいた天皇杯を頭上に高く掲げ、満員の観客席にご披露します。

岩手県は、賞状にあるとおり県民全員が「一致協力して優秀な成績を得た」のです。

選手・コーチだけではありません。

役員・係員・ボランティアスタッフ、5年前に多くの命を救ってくださった方々、いまも復旧作業にあたっている方々…一致協力したのはこの人たち全員です。

ですから、天皇杯を受け取るのは「黄色いベストの人」にしたいのです。

炬火の納火です。

開会式から11日間燃え続けた「鎮魂・復興・不滅の灯」は静かに納められます。

北上の陸上競技場の炬火台は東側に設置されています。

選手団もメインスタンドのお客様も、

炬火台ごしに三陸海岸方面に思いを寄せ、復旧なった岩手県をさらに復興させてゆくことを心に誓うのです。

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国体終了のほぼ一週間後には、全国障害者スポーツ大会が、3日間の日程で国体開催地で行われます。

つまり、2016年は岩手県で行われるわけです。

国民体育大会も全国障害者スポーツ大会も、その閉会式が終わると普通は終わりです。

でも、2016年は違います。

障害者スポーツ大会の閉会式が終わったと同時に、復興キャラバン隊が出発します。

コンセプトは

 「皆さんの力で、日本一になれるまで復旧した。

  さあ、これから世界一を目指して復興を進めよう!」

キャラバンは三つのアイテムで構成されます。

 「鎮魂・復興・不滅の灯」、「天皇杯」、「岩手県旗」

コースは、炬火リレーの逆コース、

 三つのアイテムは、

 それぞれの地域の「黄色いベストの方々」で構成されたキャラバン隊が運びます。

 でも、

 選手が混じってもいいでしょうし、市長さんや町長さん、村長さんが混じってもいいでしょう。

 当然、

 三陸海岸を南下するときには、街の人たちが大漁旗を持ってパレードに参加しても構いません。

 通りがかりの神社では神楽が出迎えるかもしれませんし、

 港ではふんだんな海の幸が、美味しそうな匂いで中継を待ち構えているかもしれません。

岩手県の皆さんはキャラバン隊の通過にあわせて、

国民体育大会で見せた「やったらできた力」を確認し、再び「復興の誓い」を行うのです。

じっくりとおよそ6カ月かけて「鎮魂・復興・不滅の灯」、「天皇杯」、「岩手県旗」は県内を回ります。

そして、

「鎮魂・復興・不滅の灯」は、

出迎えた皆さんに撫でられて表面がテロテロになった天皇杯と、岩手の空気に撫でられて三分の一も残っていないボロボロになった岩手県旗を引き連れて、

2017年の3月11日に、採火地の陸前高田市に到着します。

ここでは当然、

「がんばろう!岩手」宣言�U(もしかすると宣言�V、いや宣言�Wかもしれません)が発せられます。

コンセプトは

 「皆さんの力で、日本一になれるまで復旧した。

  さあ、これから世界一を目指して復興を進めよう!」

当然、ここでは

 浴びるほどの「酔仙」が必須アイテムとして追加されます。

もちろん

 「鎮魂・復興・不滅の灯」は、太平洋を見渡せるメモリアル施設で永遠に燃え続けるのです。

やらせてください、5年後に。

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競技終了後、陸上競技場で閉会式が行われます。

成績発表となります。

「男女総合成績 第一位 東京都」

大きなため息で競技場が充満されます。

「黄色いベストの人」は閉会式中にユニフォームを脱ぐことはありません。

キャラバン隊の3つのアイテムの一つが手に入りません。

このたくらみは頓挫します。ああ。

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ありがとうございました。現実に戻ります。