第61回岩手県高等学校総
合体育大会自転車競技会
は今日が最終日のロード
レースです。
結果は、
個人は水沢農業高校2年・
菊地啓汰選手の優勝、
学校対抗は菊池選手らで
構成する
水沢農業高校Aチームが
28年ぶり2回目の優勝でした。おめでとうございます。
なお、女子は紫波総合高校2年の藤根美咲選手が優勝し、ピスト、ロードともに全種目制覇です。
立派です。よく頑張りました。
☆今日のロードレースの結果はここで、
☆昨日のピストの結果はここで見ることができます。
【写真左:坂を上る選手たち 写真右:女子優勝の紫波総合高校藤根選手(右)】
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ロードレースには、
専門的な知識を持たない私のような者でも、常識の範囲内でできる係員がありますので、
今日は競技運営のお手伝いをしてきました。
皆さんのご配慮で、前回とは違って、レースを見ることが出来る「コース内」立哨でしたし、
受信のみの無線機(レシーバー)を預けてもらいましたので、主要な情報は手に入ります。
こんな空想をしながらレースを見守っておりました。
【5番の飛び出し】
それまで集団が崩れずに、スローペースで推移していたレースですが、レースが後半に差し鰍ゥろうとした時、
無線に「5番選手が集団から飛び出した」との情報が入りました。
調べると、紫波総合Bチームの2年生の選手です。
(逃げるにしては時期が早すぎるなぁ、逃げ切れる力があるのかなぁ…)と考えましたが、
私の前に差しかかったときには「引っ張れ、引っ張れ!」と声をかけました。
無線の情報では、集団と逃げた選手との差は10秒とは開きません。
果たして、下りが終わるあたりで「集団に吸収された」との無線が聞こえました。
(ああ、やっぱり)
【1番のあえぎ】
その後、先頭集団がひとつになって、何回か周回を重ねました。
紫波総合高校は3年生が1人しかエントリーしていません。
1番のナンバーをつけたその3年生が、「上りの頂点」の私のいる所を、先頭集団の中には居るものの本当に苦しそうに走っています。
今にも脱落しそうな様子です。
「頑張れ!ヒロミツ!頑張れ!ヒロミツ!」と声をかけると、チラリとこちらを見て頷いたような気がしました。
(千切られそうだな…)
【二人が逃げた】
あと1周だったと思います。
「2人が集団から飛び出した。番号は2番と11番」との無線情報です。
2番は紫波総合Aチームの2年生、11番は先々週の岩手日報ロードの優勝者・水沢農業高校の菊地選手。
集団との差はどんどん開いているようです。
2人が協力して先頭交代をしながらゴールまで逃げるつもりのようですし、3位集団は牽制しあっているのでしょう、スピードを上げません。
果たして、最終的にはおよそ1分のタイム差になりました。
【4番と5番】
最後の周回。
私の目の前を、飛び出した2人、絞られた選手たちで構成する3位集団、千切られた選手たち…が通過してゆきます。
さっきまで、
11番と着かず離れずで上位の位置を走っていた紫波総合Aチームの2年生4番選手が、集団から千切られて、へとへとで走って行きます。
途中で「逃げた」5番の選手も、ヘロヘロになって走ってゆきます。
「がんばってぇ!」と声をかけながら
(ああ、そうだったのか!)と思いあたりました。
【学校対抗】
全国高校総体(インターハイ)の選手は県の高校総合体育大会で選出されるのが普通ですが、
自転車競技はほとんどの種目で、東北予選での選手決定がなされます。
ロードレースは、今日決定された県代表の1名のほか、東北代表がさらに16人分ありますから、今日のレースはどちらかというと、
優勝旗をかけた「学校対抗」の勝負にこだわるのかも知れません。
今日の紫波総合高校は7年連続36回目の優勝を賭けてのレースでした。
学校対抗は
4人編成チームのうちの上位3名の「順位」を合計して、その少ない順に順位がつけられます。紫波総合高校はAチーム、Bチームの2チーム編成で出ていますが、優勝に絡むのは3年生1人・2年生3人からなるAチームです。
Bチームにいる2年生は、たぶん、5人目の紫波総合高校Aチームメンバーとして走っていたのだと思います。
千切れた2人の2年生の背中を見ながら
(集団全体のスピードを上げさせ、余計な選手を千切るために、一人、飛び出したり、
集団の中で優勝候補を牽制してレースのペースを作らせなかったり、
優勝候補を引っ張り出して集団のスピードを落とさせ、
同じチームの3年生の負担を軽減させようとしたり…
自分を犠牲にしても、
チームのためにいろいろなことを行っていた、9.7km8周の2時間だったんだなぁ)
と空想しました。
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自転車ロードレースにも奥深いものがあると、勝手に誤解を膨らませた、「19番立哨員」でした。
紫波総合高校は、残念ながら、1点差でロードレースの学校対抗優勝を逃しましたが、
自分の役割を果たして千切れていった2年生たちが、来年はきっと優勝旗を取り戻してくれることでしょう。
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言葉でのコミュニケーションが取れないということは、大変、苦労があることを学びました。
「ャ`、選手が来るから、道路を走ってはいけないよ!
ャ`ってば!」
と、赤い旗を振るのですが、
意味がわからないか、
違う名前を呼ばれたので自分ではないと誤解したか、
注意を全く無視したか…で、どこ吹く風です。
ャ`は、尻尾を振ってこちらに近づいてくるのですが…
騒音と身振りでコミュニケーションをとらざるを得ませんでした。
ャ`、ごめんね。