がんばろう!岩手のスポーツ

岩手スポーツ応援団長を勝手に名乗る平藤淳の個人的なブログです

今でも覚えていること

今日は、今年度、最後の卒業式でした。

私が勤めている、

岩手県不来方(こずかた)高校では

毎年

3月1日に卒業式を行います。

そして

毎年

日を改めて、何人かのための卒業式も行います。

普通科ではあるものの

件p学系を持っている不来方高校には、

毎年、

東京藝術大学の受験生がいて、

今年を含めて4年連続で現役合格者を出しています。

その受験生のうち何人かが、

実技試験の関係で、3月1日の卒業式には出られないため

日を改めるのです。

今年は

器楽の生徒と

彫刻の生徒の二人が、

今日の卒業式に臨みました。

出席者は、

生徒が 2人、

ご家族が 3人、

教員およそ 20名

会場は校長室。

国歌斉唱は、ないけれど

皆勤賞授与も、ないけれど

来賓祝辞も、ないけれど

送辞も答辞も、ないけれど

蛍の光も、ないけれど

校歌も、ないけれど

一生懸命に

二人のために

卒業証書授与と校長式辞を行いました。

モーニングを着て、

ダブルカフスのワイシャツにカフスボタンをして、

礼装用の靴下を履いて、

ストレートチップの革靴を履いて、

腕時計をはずして…

というフル装備で

へたくそだけども、昨日、一生懸命に筆ペンで書いた式辞を、心を込めて読み

お二人に、私の「願い」を伝えました。

出席してくださった先生方も

大きな拍手で、二人の卒業を祝ってくださいました。

なにか、ほっとした気持ちです。

***

実は、

私は高校の卒業式に出ていません。

東京藝術大学ではないのですが

受験先が

二次試験で実技を行う学部のある大学であり、

卒業式と試験日が重なってしまったのです。

***

後日、

卒業証書をいただいたときのことを

理由はわかりませんが

今でも覚えています。

高校の職員室で

担任の先生が、

筒に入ったままの卒業証書を

卒業アルバムなどと一緒に

はい、

と手渡ししてくださったのです。

嬉しかったのか

悲しかったのかは、いまはもう忘れてしまいましたが、

その光景は

今でも思い出すことができます。

こんなことが記憶に残るのは

私だけかも知れません。

でも、

もしかしたら

彼女たちの

一生、忘れない風景になるのかもしれません。

だとしたら

たった一人の卒業式だとしても

全力で行わなければならない、と考えるのです。

***

こんな卒業式をすることができて

やっぱり私は

幸せもの…だと感じています。

ありがとうございました。