がんばろう!岩手のスポーツ

岩手スポーツ応援団長を勝手に名乗る平藤淳の個人的なブログです

スポーツがもたらすもの/パラリンピック出場者表彰式で

今日は、パリ2024パラリンピックの陸上競技に出場し、車いすを使うT34クラスで、100mと800mで6位に入賞した、小野寺萌恵さん(北海道・東北パラ陸上競技協会、岩手県紫波町出身・在住)の「紫波町表彰(スポーツ功労)」表彰式に行ってきました。

令和6年度紫波町表彰(スポーツ功労)表彰式後にインタビューを受けている小野寺萌恵さん

小野寺萌恵さんの「受賞者謝辞」を書き写します。(承諾を得ています、強調は平藤)

小野寺萌恵です。
このたびは、このような「すばらしい賞」をいただき、とても、うれしく思っております。
また、私のために、このような受賞の場を開催していただき、心より感謝申し上げます。

私が、車いす陸上を始めたのは、中学2年生の春でした。
そして、ちょうど、その頃に、テレビで放映されたのが、ロンドンの「世界パラ陸上」でした。
大きな歓声の中で走る選手達の姿を見て、「私も、こんなふうに、走ってみたいな」と感じたことを、今でも、覚えています。

岩手には、専門の指導者がいないため、
その動画だけをたよりに、グローブを購入し、フォームを勉強しながら、練習しました。
勉強やコミュニケーションなど、苦手なことばかりの、私ですが、
陸上だけは、やめたいと思ったことがありません。
そして、
競技を通じて、沢山の方々と出会い、
さまざまな経験をすることができて、「パラスポーツ」が「私の世界」を、広げてくれました。
そして、人としても、成長することができています。

今は
私自身が陸上を続けることで、
病気や障がいをもつ方々はもちろん、沢山の皆様に、夢や希望を届けられるような選手になりたいと、思っています。
そして、そのためにも、まずは、4年後のロサンゼルスパラリンピックに出場し、メダルをとることを目標に、力をつけていきたいと、考えています。

パリの100mで、アジア記録を破られ落ち込んだ時は、紫波町の「かかしまつり」のニュースが、私に、元気をくれました。
そして、何より、地元の皆様からの温かい「応援」が、私の力になりました。
皆様、本当に、ありがとうございます。

これからも、日々努力して、参りたいと思いますので、引き続き、どうぞ、よろしくお願いいたします。
本日は、誠に、ありがとうございました。

***

いかがでしょうか。
スポーツは世界広げ、人としての成長をもたらしてくれた…とおっしゃっています。

『競技を通じて、沢山の方々と出会い、
 さまざまな経験をすることができて、
 「パラスポーツ」が
 「私の世界」を、広げてくれました。』

『そして、人としても、
 成長することができています。』

障がいのあるなしに関わらず「やりたいと思った時にスポーツができる街」であることが大切だと再認識しました。ハードもソフトも含めてです。

***

ついでなので私の祝辞も載せておきます。

小野寺萌恵 紫波町表彰(スポーツ功労)表彰式祝辞

紫波町表彰(スポーツ功労)の表彰式にあたり、受賞されました小野寺萌恵さん、そしてご家族をはじめとする関係の皆さまに、心よりお祝い申し上げます。
このたびの祝辞を、岩手県のパラスポーツ界を代表して述べさせていただきます。

先ほどご説明がありましたとおり、
小野寺萌恵さんは、パリ2024パラリンピックの陸上競技において、
車いすを使用するT34区分で100mと800mの2種目で堂々の6位入賞を果たされました。
この輝かしい実績が、紫波町の皆さまに勇気と感動を与えたとして、今回の表彰に至ったことに心からの敬意を表します。

岩手アスリートが夏のパラリンピックに出場するのは、
2016年リオデジャネイロ大会に
陸上競技の大井利江さんが出場されて以来、2大会8年ぶりの快挙です。
紫波町の皆さまをはじめ、県内外の多くの方々が大いに期待を寄せる中、
パラリンピックという世界最高峰の舞台でシーズンベスト記録を更新し、
見事に走り抜けた小野寺さんの姿は、多くの人々の心を揺さぶり、強い感動をもたらしました。

改めて、小野寺さんのこれまでの弛まぬ努力と、ご家族・指導者の皆さま、さらにご支援くださったすべての関係者の方々に、心より感謝と敬意を表します。

パラリンピックが終わった今も、
次のパラリンピックへの挑戦、
そして、パリ大会で更新されたアジア記録の奪還を目指し、日々、百分の一秒を縮めるための厳しい練習に取り組んでおられると伺っています。
必ずや、その努力の成果が実り、再び多くの方々を勇気づけ、元気にしてくださるものと確信しております。

これからも、小野寺さんには、紫波町の皆さまはもちろん、障がいのある方にもない方にも、スポーツに関わる方にもそうでない方にも、すべての人々に勇気と感動を届ける存在であり続けていただきたいと願っています。

最後に、このような素晴らしい表彰の機会を設けてくださいました熊谷町長様をはじめ、紫波町の皆さまに心より感謝申し上げます。
そして、小野寺萌恵さんのさらなる飛躍を心よりお祈りするとともに、
スポーツが、障がいのある人もない人もともに様々な活動をしてゆくインクルーシブな町づくりに寄与してゆくことを期待して、お祝いの言葉とさせていただきます。

本日は、誠におめでとうございました。