「岩手をひとつにするのはスポーツだ」というコンセプトで、2か月に1回、定期発刊されている、
「岩手スポーツマガジン スタンダード(Standard) 2014年11・12月号」(通巻31号)は
昨日が発売日。
今号は
岩手ビッグブルズ「王座奪取」が第1特集。
その他、岩手県内のスポーツに関する記事が満載。
最新号の中味は、この下線部をクリックするとご覧いただけます。
720円。コンビニ、書店へGO!
あ、
もちろん、後ろから開いて1枚めくった、115ページには、
この私の「がんばろう!岩手のスポーツ」も「準優勝」という題で健在。
26本目の連載記事です。
今回は、
「ああ、日本一にさせたい。」
が、結びの文章です。
*****
昨日の第67回全日本合唱コンクール全国大会で
私が勤めている
高等学校Aグループで7年連続「金賞」に輝き、特別賞として3位相当の岩手県教育委員会賞をいただいています。
(岩手県の地元紙・岩手日報の記事がこの下線部をクリックするとお読みいただけます。リンク切れ用心pdfが、ここ。)
日本一を目指しての部員と指導者の努力、そして、保護者をはじめとする関係者のご協力で、この高い実績がもたらされており、
誇りとし、手本とする音楽部なのです。
でも、
成績発表を岩手県民会館大ホールの、生徒の隣の座席で見ていたわたしは、
やっぱり、
「ああ、日本一にさせたい。」
だったのです。
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では、反則かもしれませんが、連載コラム・今号の原稿をまる写ししておきます。
![](https://wave.ap.teacup.com/hirafuji/timg/middle_1414315978.jpg)
準優勝をご覧になったことがありますか。*****最近では、9月の全米オープンテニスでの錦織圭選手が思い浮かびます。きっと優勝するだろうと期待して、テレビやネットで試合経過を見守りながら、応援していた方々がたくさんいらっしゃったでしょう。準優勝になったことを知った時、皆さんは、どうお感じになったでしょうか。ちょっと、思い出してみてください。
今年の八月に全国高等学校総合体育大会(インターハイ)のカヌー競技大会が、山梨県富士河口湖町の精進湖カヌー競技場で行われました。私が勤めている岩手県立不来方(こずかた)高校の選手が、たくさん出場していましたので、私も応援に行ってきました。
多くのレースを見ましたが、女子のカヤックペア五百メートル種目の決勝についてお話しします。決勝は九艇で行われ、不来方高校の熊谷静紅・五十嵐結衣ペアは、準決勝を四番目のタイムで通過し、ど真ん中の第五レーンで決勝に臨みました。
ゴールの真横は、順位判定やタイム計測の重要な場所ですので、私たち観客は入ることができません。斜めからゴールラインを見ますので、競ったレースになると順位が見かけとは違ったりしています。
女子カヤックペアの決勝も、競りました。五艇ほどがかたまってゴールに入りました。不来方高校ペアは、斜めから見ている私には、四着か三着…と見えました。
正式な順位は、観客が集まっている「大テント」の中にあるモニターに表示されるのですが、決勝ではレースに使ったすべての艇の検査が行われないと順位が確定しないため、順位が、なかなか発表になりません。モニターの前で待っていると、面識のある大学のカヌー部の監督さんが寄ってきて(不来方、三位かな、四位かな、メダルが欲しいよね)と、私の見立てと、そして、私の気持ちと同じことをおっしゃいました。
一〇分ぐらいたった、と、私には感じられましたが、やっと、モニターに決勝の結果が映し出されました。
「二位 不来方高校」
飛び上がって喜びました。銀メダルです。大学の監督さんも祝福の握手をしてくださいました。大喜びで、選手の控えテントに戻ってみんなと一緒に、ニコニコしていました。
しばらくすると、誰かが印刷された決勝記録を持ってきました。
なんと、一位との差は、たったの0.372秒しかありません。それを知った瞬間、さっきまでの嬉しさに(勝てたのかも)という、大きな悔しさが同居するのでした。
私のような立場の者でも、こんな悔しい気持ちになるのですから、選手やチームメイトや指導者やご家族の方々には、もっと激しい心の変化があるのだろうと想像します。もちろん、全国大会準優勝は、とても素晴らしい成績です。彼女たちは、この成績により県教育委員会からも表彰されたほどです。誇るべきものです。でも、悔しい順位です。
その日の全レースが終了して、記念写真を撮っている選手たちの背後に見える、精進湖越しの富士山を見ながら、監督の先生は、こう呟きました。
「遠いなぁ。日本一はすぐそこに見えているのに、今回も、手が届かなかったなぁ。遠いなぁ。」
負けて悔いなし、という言葉は、もしかすると、意識の低い人たちが、言い訳のために使うものなのかもしれないなあ、という気持ちになった準優勝でした。
ああ、日本一にさせたい。
昨日も、こんな気持ちでした。
でも、
分野を問わず、
日本一になりたい生徒たちがたくさんいて、
日本一を手伝うことができる先生方がたくさんいる…
こういう学校にいることに、大きな幸せと責任を感じます。
がんばりますよ、がんばりましょうね!